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ファンドレイジングって何?

体当たりNPO運営記(12がなくて13) 2016年4月記
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「森ノオトの強みとは?」
「森ノオトが目指す組織のあり方ってなんだろう?」

こうした真面目な議論を、日常的に、当たり前に交わすようになったのは、昨年、「ファンドレイジング」に力を入れたからにほかなりません。
森ノオトがつくる企画に対する、社会的インパクトや評価を受ける。一種の営業でもあるなあ、とも感じています。
最近書いた企画書で、森ノオト流の働き方を整理したのがおもしろかったので、会員の皆さんにも共有しますね。

森ノオトが推進する、女性の新しい暮らし方、働き方について、従来型のピラミッド型組織ではなく、参加する各人が主体性とオーナーシップを持ち、森ノオトの目指す志を共有して実現していく仲間として、自立した関わりを増やし、アメーバのように横に広がっていく組織のイメージを持っています。森ノオトでは現在、環境・社会活動への参加を、幾つかのフェーズにわけてとらえています。

(1) 読者=不特定多数。現在は月間2万5000人の読者を、いかに増やしていくかが課題。記事を読んで地元のお店で買い物をしたり、普段から生ごみの水切りを習慣にしたり、休みの日は家族で遠くのテーマパークではなく近くの里山で遊ぶ、家族でDIYやソーラークッキングにチャレンジするといった、地産地消や環境負荷を低減するライフスタイルを実践する人を増やしていく。

(2) イベント参加者=森ノオトが主催するエコをテーマにしたイベントに足を運び、エコを学んだり体感する人。2016年度は年間103回、のべ4500人の来場を予測。

(3) NPO会員=「こどもたちの暮らす未来を持続可能で、地球と地域に思いやりを持つ環境啓発活動をおこなう」森ノオトの趣旨に賛同し、NPO会費を支払うことで直接的にNPOを支援する。また、イベントのボランティアスタッフや、情報発信、チラシ配布などをサポートする。現在は91名。今年度中に100名突破を目指し、数年内に認定NPO法人を視野に入れる。

(4) 森ノオトリポーター=地域に暮らす子育て世代の女性で、リポーター養成講座を経て地域のお店や活動を取材、発信していく。リポーターの「好き・スキル」を生かした記事でファンを獲得したり、得意を生かしたイベントの担当スタッフになるなかで、「主婦・母親」属性から、個人として自立した仕事や仲間づくりにつなげていく。リポーター活動は原稿料(報酬)が発生する。スキルアップしたリポーターには、外部委託の取材や編集の仕事を割り振り、書き手としてもステップアップする土壌をつくる。現在は40名。
また、フリーランスとして独立し、デザイナーやイラストレーター、ワークショップデザイナー、アナウンサー、イベントオーガナイザー、企画・営業などスキルを持ったメンバーには、プロへの業務委託として仕事を発注している。建築家や造園家、工務店など、同業や異業種問わず、自らの本業につながる社会貢献・ネットワークづくりの活動として、本業のかたわらに森ノオトに関わっている点もポイント。

(5) 森ノオトスタッフ=森ノオトのイベントスタッフなどを継続的におこない、安定したパフォーマンスを発揮できるメンバーは、積極的にスタッフとして登用し、非常勤スタッフとしてNPOの事業や運営を担っていく。アルバイトとして雇用契約を結び時給換算で給与を支払うが、働き方としては限りなくフリーランスに近い。こどもが幼稚園や小学校に通っている間の午前中のみ、フリーランスの仕事と並行する、在宅作業も可能など、子育てを犠牲にせずに自分のペースで働ける環境を用意している。勤務形態や時間、スキルが異なるメンバー同士で、ITを活用した在宅ワークを織り交ぜながら、ワークシェアを実現できている。今後は、わたくしを含めた2-3名の常勤スタッフと、非常勤スタッフがスキルを生かした働き方をできるよう、環境を整備し、「地域の女性たちによるエコ仕事を創出し、エコまちづくりの担い手になる」ことを目指していく。

ここにも書いたように、森ノオトでは今後、「地域の女性たちによるエコ仕事づくり」の人材登用や評価システムなどをつくりたいと考えています。
(1)から(2)、(2)から(3)を増やしていくのも課題ですが、活動が多面的に展開してきた今、(3)から(5)、(4)から(5)といった、ボランタリーの社会活動から、子育てをしながら新しい仕事をつくる流れの、人事マネジメントシステム作りが喫緊の課題です。
現在はまだわたし、北原自身のの経験値と直感での人材登用となり、システム化までには至っていません。法人全体の収支と、適正な給与・報酬、本人のやる気を引き出す評価と点検システム、スキルアップとステップアップを提供できるリーダー研修など、費用と投資のバランスを検討しながら、「人」をどのように生かし育成していくのか、システム化することができれば、「地域の女性たちによるエコ仕事づくり」が加速していくのではないかと考えています。

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