アイツ恐怖症

自分の目下のストレスについてお話ししたい。
というか聞いてほしい。
頼む。
誰か聞いてやってくれ。

一人暮らしを始めて3年目。
ホームシックにかかることもなく、家事もほどほどにやり、寒い季節に少しの寂しさは感じつつ、誰の目を気にすることもなく自由に楽しく過ごしてきた。

だが引っ越ししてから、たびたび、悩まされていることがある。




そう、だ。



※本記事に虫の画像は一切出てこないので安心してほしい。そもそも私自身がそういった画像を取り扱えないし直視できない。


うちは築浅のアパートで、部屋の中はほんと綺麗なのだが、オートロックなどないし、外が剥き出しタイプの玄関だ。
近くに森があるからか、夏になると比較的虫が発生しやすい。

幸いにもGが出たことはないが、個人的にGよりもダメなやつに何度も出くわしている。






…アイツだ。(どいつだ)





※すみません、クモです。

正直なところ書くことすら迷った。
なぜなら、できるだけ触れたくないワードなのだ。
だがここ2週間くらいで何回も玄関付近でアイツに出くわしすぎて、家に帰るのと朝家を出るのがストレス過ぎて本気で困っている。

ちなみにきっとみなさんが予想しているようなサイズ"ではない"にも関わらずだ。
(枝豆1粒くらいのサイズか、米粒くらいのサイズにしか出くわしたことはない)

けれども遭遇したら、「ギャッ」という可愛げの無い声とともにすかさず距離を取る。
外だったら、ダッシュで逃げる。
家の中だと、そのまま1時間くらい動けない。

急いでる時は本当に困る。

先日仕事で出かける時、家の鍵を掛けようと思った瞬間に、ドアノブ近くにアイツが突然飛んできて、本当に死ぬかと思った。
だが鍵をかけないまま家を空けることはできないので、持っていた傘をバタバタして風を送るとどこかへ行ったので(どこかへ行ってしまったこともそれはそれで怖い)、なんとかかんとか鍵だけかけて、ダッシュでその場を離れたのだった。

アラクノフォビア

アラクノフォビアというワードは聞いたことがあるだろうか?
実は趣味のクイズをしている時に問題文として出てきたのだが、「アイツ恐怖症」のことを指すらしい。
(この記事ではもう金輪際奴の名前は出てきません。)

恐怖症といえば、高所恐怖症、閉所恐怖症などが有名だ。
自分にはそういった恐怖症と呼ばれる症状はないと思っていたけど、よくよく考えたらこれなんじゃないか。

例えば。

アイツの実物ではなくとも、文字として認識しただけで背筋が凍る。
(だから今回も書きたくはなかった。)

できるだけ文字を見たくないので目を背ける。
特に漢字表記がえぐい。
ゆえにアイツや奴などの隠語を使っている。

雲は見るのも漢字も好きなのに、「雲」と打とうとすると、漢字変換のたびにアイツも出てきてビクッとしてしまう。

周りの人へ「奴が苦手だ」と話すと、私の異常な怯えっぷりに、何か対策をした方がと言われることが多い。
だが、対策するにも、奴が何が苦手かとか、殺虫剤にはこんなのがあるとか、調べること自体が怖くてできない。
あと殺虫剤に名前や絵が書いてあるので、家に置いておくこと自体嫌になる。
(アレまじでなんとかなりませんか?!!!絵は描かなくても分かってるから!!嫌いだから殺虫したいのだから!!メーカーさんデザイン設計よろしく頼んますー!!)

家の中でたまに出くわしてしまった時も、そもそも苦手なので近づけない。
近づけないからヒョイっと外へ逃がすことも殺すこともできない。
だが目を離してどこか知らないところへ行かれるのも怖いので、基本的に動きをずっと見張ることになる。
この間家に出た時は、リアルに2時間ほど見張り続けていた。
(友達が家に来てくれる用事があったので、外へ追い払ってくれた。ありがとう友よ。)

見た目もダメ。
動きもダメ。
巣もダメ。
なんならカニも見た目がダメ。
(味は大好き)

映画『ハリーポッターの秘密の部屋』の中盤で、死ぬほどでかいアレ(アラゴグ的なやつ)が出てくるのだが、その場面は終始手で目を塞いでいたから、全くストーリーが頭に入ってこなかった。
一緒に見ていた友達に「画面からいなくなったら教えて!」と言ったのに、「いなくなったよー」と言われて目を開いたらまだいるじゃねえか嘘つきいいいい(涙目)となった記憶がある。

思えばあれからハリーポッターの続きは見ることができなくなった。

切ない。






トラウマ

なんでこんなにダメなんだろうと考えると、多分あれかなぁと思うことがある。

幼き頃。
お婆ちゃんちはめちゃくちゃ田舎で、割とボロかった。
田舎のせいか、ボロいせいか、死ぬほど虫が出た。
極め付けは、お風呂の天井の四隅に、手のひらサイズのアイツが、守護神のごとく常にそこにいた。
おばあちゃんも、おばあちゃんちへ遊びに行くことも楽しみだったが、とにかくお風呂に入ることが苦痛だった。
(ちなみに脱衣所にも奴がいるので、基本的に服を脱ぐ〜髪や体を洗う〜浴槽に浸かる〜風呂を出て体を拭く〜という一連の行為はすべて下を向いて行われる)

あれで精神的苦痛を味わい、心に刻み込まれたのではないかと思う。

※今では取り壊されたので、守護神はどこかへ消え去りました。安心。







願い

ということでいろいろと救いようも無い状況なのですが、こうなったらいいなぁと思うことを挙げてみる。

□虫が平気になる催眠をかけてもらう

□虫を自動的にやっつけて乾燥させて粉々にしてくれるAIロボットを作ってもらう
(乾燥式の生ごみ処理機をイメージ)

□虫が平気なご近所友だちを作り、困った時は退治してもらう







え?引っ越せば?





…実家、帰ろうかな。。。

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