芸能ビジネス

芸能はB to BビジネスからB to Cビジネスに変わることでイノベーションが起こる

テクノロジーの発展によりこれまでなかった職業が生まれたり、これまで脚光を浴びなかった方が日の目をみるようになる、というのは歴史が証明していると思います。

我々のような芸能ビジネスにおいても、これまでは大手芸能事務所に入り、マスメディアでの仕事にブッキングしてもらい、認知を上げるというのが唯一といっていい道でしたが、インターネット(動画メディア・SNS)の発展と浸透により、自分で企画・出演・撮影・編集をして動画をアップしていくYouTuberのような職業が生まれました。

これまでの芸能ビジネスにおいては、芸能事務所がマスメディアとどのくらいの繋がりがあるか、例えば人気のテレビ番組にブッキングできる、有名な雑誌の専属モデルにできるなど、企業間(B to B)のリレーションがある事が競争優位性となっていました。

そこはいわゆる芸能村であり、新興企業や若手が参入するのは難しい分野となっており、イノベーションが起こりづらい状況が続いているのではないでしょうか。

B to Bビジネスの疲弊

アーティスト・タレント側への負担と、ファン・消費者側のニーズの変化という2つの側面から、既存の芸能ビジネスの金属疲労がうかがえます。

まず、アーティスト・タレント側への負担ですが、直近では 企業側から見たローラの辺野古発言「スポンサーからしたら大迷惑」のように、タレントが広告ビジネスに収入を依存している場合、自分の意見を自由に表明していくのが必ずしも正解とは言えない場合が出てきています。

次に、ファン・消費者側のニーズの変化ですが、スマホ・SNS普及前は情報がマスメディアからの一方通行に限定されていたため、それに従って趣味嗜好が出来上がっていたと思いますが、スマホ・SNS普及後は個人の消費者の率直な情報や、インタラクティブなやりとりが行われるのが一般的であるため、「それがリアルか?」が厳しく求められるようになってきているように思えます。リアルでないものへの白け感が強く、テレビの情報よりもInstagramで調べた情報を信じる、というのはその一例だと思います。

B to Cビジネスの優れた点

一方、新しい芸能の形では、ファンのエンゲージメントが高まりやすい、長期的な視点でのモノ作りができる、テクノロジーにより相性のいいファンを見つけやすい、という主に3つのメリットがあると思っています。

まず、アーティスト・タレントとファン・消費者がSNSで直接コミュニケーションすることにより、ブラウン管の向こう側のスターではなく、身近な存在として認識されています。Twitterでいう、「いまからリプ返します〜」などですね。これにより、ファンのエンゲージメントが高まり、そのアーティスト・タレントについて考える時間が増えるため、マインドシェアを獲得できています。

次に、ファンから直接収入を得ることにより、間に入っていたB(広告主・広告代理店・マスメディア)の意向だけに囚われる必要がなくなり、長期的な目線でものを作れる体制を整えやすくなります。モノ作りは続ければ続けれるほどクリエイターとしてのスキルは上がっていきますし、信用残高も溜まっていきます。サブスクリプションビジネスのように積み上げ式の収入となり、「読める活動」が可能になるでしょう。

最後に、SNSやテクノロジーを用いることで、自分に最適化されたファンを見つけられたり、エンゲージメントの濃度に応じて課金のグラデーションを作ることができるようになるはずです。こちらはまだ進化途中だと思いますが、テクノロジーにより自分の価値を正当な価格として正しく反映させることができるようになると思います。

まとめ

新興企業や若手は、今までなかった価値を生み出していくのが社会的意義だと思っているので、弊社もB to Cビジネスの新しい形を成立させて、一般に普及させたいと考えています。

ただ、逆に言えば、価値をだしていないタレント・アーティストにはファンがつかない真の実力の世界が広がっているため、身を引き締めないとも思っています。

芸能事務所、レコード会社、インフルエンサー事務所の方へ

次世代のエンタメを作るティーンスピリットsalonのメンバーを募集しています。4月13日時点で64名すでにおり、毎日エンタメの議論をしたり、ほぼ毎月オフ会を実施しています。ご興味のある方はこちらからお申し込みください!

いつもnoteをご覧いただき、ありがとうございます。皆さんからのご支援やコメント、励みになります!