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一番手の役割~DJ雑感 2023年3月26日

東京のクラブシーンで長年活躍されているTKDさん、そして推しからもヲタクからも愛されるなまづさん他精鋭がオーガナイズするDJイベント「きみにおちるよる」。前回2022年12月30日から3ヶ月経った2023年3月26日(日)に渋谷・頭バー(ZUBAR)でvol.5が行われました。お呼ばれするのは前回で最後かなと思っていましたが、ありがたいことに今回もお声がけいただきました。
今回はTKDさんから「一番手でよろしく」とのご指定。これは責任重大だな、と一瞬緊張しました。午後6時開場と同時にプレイを始めるトップバッター(18:00~18:30)のDJとして何を想定したどうプレイしようか?

  • 開場と同時に駆けつけてくれるお客さんが聴いてくださるのでひたすら感謝!

  • せっかく早く会場入りしたのに、くそつまらない音楽が流れていたら帰ってしまう、他現場へ移動してしまう…etc かもしれない

  • まだ夜というには早いし、アルコールも入っていないし、耳もまだ平常モードだったから、”身体”はまだクラブモードになっていない

  • トップバッターDJのプレイ(30分)は、基本みな途中から聴くことになる

以上を想定したうえで、

  • どの曲も「通常なら1曲目にもってきそうなトラック」

  • ダルいというよりはアッパーめなトラック

でいこう、と。会場入りした時がその人にとっての1曲目だしね。昼間何かしら”通常モード”(褻)で時間を過ごしてきた人が”ハレ”に移行する橋渡しの時間と空間。そこで鳴らす音楽。
ってことで、以下のような内容でした。実際上記は後付け理由で、当日は頭とラス2、ラストだけ決まっていて残りはレコード、CDを多めに持って行ってその場で、という感じでした。しかも、わりとかけたかった1枚を自宅に忘れてしまった(苦笑)。

プレイリスト(2023.3.26)

1. Little Green Men(Flex-Able)Steve Vai
2. Deutschland Has Gotta Die! intro(single)ATARI TEENAGE RIOT
3. おるすばん(single)アマリリス
4. Deutschland Has Gotta Die!(single)ATARI TEENAGE RIOT
5. マーチング(single)にせんねんもんだい
6. Pistol(10' album「ed '79 LIVE」)FRICTION
7. 温暖湿潤山ガール(ラブレター)3776
8. シュガーシスター[ダウナーズミックス](ANGEL IN DOPE VOL.1+ (改造人間盤))ぼんやりアイドルくるみん
9. 駅前[original "Four Enclosed Walls" remix](A song for XXX)HYPER GAL
10. 宣戦布告 (live)[original 2023 remix]("POP COLLECTION" live at 日比谷野外音楽堂 1980.5.25)LIZARD
11. note(おやすみホログラム[1st])おやすみホログラム
12. KIDS/BABYLON ROCKERS outro~ 月光価千金 intro(邪都戦士~Babylon Rocker)LIZARD
13. 月光価千金(ナット・キング・コールをしのんで ひばり ジャズを歌う)美空ひばり

■当日の音源(28分11秒)

【トラック解説、うんちく他】

1. Little Green Men(Flex-Able)Steve Vai
前回の1トラック目のCornelius「Audio Architecture」同様、何となくスタートする感じでこの曲が脈絡なく思い付いて。フランク・ザッパ期のエッセンスをふんだんに盛り込んだソロ初アルバムのこの感じは、以降今日に至るまで再現されなかった(全部チェックしてないけど)。余談ですが、長年聴いていたのは初CD化ディスクで、25周年と35周年にそれぞれリマスタリングされていました。音質のヌケが数段向上していてびっくりしました。この日は35周年盤を使用。

2. Deutschland Has Gotta Die! intro(single)ATARI TEENAGE RIOT
3. おるすばん(single)アマリリス
4. Deutschland Has Gotta Die!(single)ATARI TEENAGE RIOT
アガるトラック、「ATARI辺りが一番手にはいいんじゃない?」とピックアップ。アマリリスのテレグラフからリリースされた1stシングルは、この前日に松山市のモア・ミュージックで入手したのが嬉しくて強引にブっ込みました(汗)。アマリリスはアガらないか、失礼しました。

5. マーチング(single)にせんねんもんだい
アガるトラックといえば、で思い出してピックアップ。自分がにせんねんもんだいを追っかけ状態で足繫くLIVE現場に通っていた2002~05年の末期、まだミニマルに走る前、目黒ファーストステップで公開収録された7インチEP盤のA面。当日狭いスタジオにぎゅうぎゅう詰め。オープニングに田口さんのインプロ演奏を経ていざ本番。1stテイクは1コーラスが終わった辺りで何とブレーカーが落ちてしまい(=停電)演奏中断。そっちのテイクの方が前のめりな勢いはあったので惜しかった。

6. Pistol(10' album「ed '79 LIVE」)FRICTION
前トラックのにせんねんもんだいのディスク紹介文に「FRICTION」が引き合いに出されているのを多くめにする。ならば、と自分がFRICTIONの最高傑作の1つだと思う限定10インチアルバムから。並べたら良さげでした。盤は以前、超音波清浄済だったこともあってか針への音のノリがこの日一番良かった気がする。このLIVEは21世紀になってから別ソース音源でCD化されたが、ピッチが狂っているのと、音は綺麗かもしれないがエネルギーが失せていてダメだった。

7. 温暖湿潤山ガール(ラブレター)3776
3776で(自分が)一番アガるトラック。RSD限定リリースのアナログ盤を使用。CDやハイレゾ版はイントロに直前のナレーションが繋がってしまっていて、かつケツは次トラック「デジタル・ネイティヴ」に繋がっているが、アナログ盤はトラックごと分かれているので、DJがこのトラックを使うにはアナログ盤はありがたい仕様。ミキシングはCD、ハイレゾ、アナログで微妙に変えている。
ちなみにこの日#2~#7が6トラック連続でEP盤中心のアナログ盤でした。盤の差し替えでワサワサしていました。

8. シュガーシスター[ダウナーズミックス](ANGEL IN DOPE VOL.1+ (改造人間盤))ぼんやりアイドルくるみん
この日、イベント中盤にあの「みゆゆんfrom春日井アイドル」のLIVEが設定されていたので、せっかくなので自分が春日井界隈で一番好きなぼんやりアイドルくるみん(BIK)の一番好きなトラックを持ってきました。アガる!最初のカセットと後日リリースし直したこのCD-Rにしか収録されていないヴァージョンだったかな。当時一聴してクラフトワーク「電卓」を想起したが、それよりももっと重めのビート。活動期間は短かったなぁ・・・。

9. 駅前[original "Four Enclosed Walls" remix](A song for XXX)HYPER GAL
数年前「今度ヤバいのが出るよ」とオススメされてLIVEを見たのが石田小榛(Vo.)と角矢胡桃(Dr.)で構成される大阪の2ピースデュオ、HYPER GALだった。その時物販でメンバーから購入したのがこの1stアルバム。2ndアルバム「PURE」はサブスクでも配信中だが、やはり初期衝動な1stが良い。角矢の無骨なドラミング、ひたすら同じフレーズをリピートする石田のVocalが癖になる。アルバム収録のスタジオver.はRECレベルがかなり低くゲインも低いのでスネアの音をいじって、かつPublic Image Limited「Flowers of Romance」収録のあの曲のリズムをサンプリング。時々東京でLIVEをやるので情報を見たら要チェック。5月下旬現在はLIVE予定は未定。

10. 宣戦布告 (live)[original 2023 remix]("POP COLLECTION" live at 日比谷野外音楽堂 1980.5.25)LIZARD
今年1月に逝去した不世出のベーシスト、ワカさんこと若林一彦氏追悼でLIZARDのレアトラック。9月にリリースされる2ndアルバム「邪都都市~Babylon Rocker」のレコーディングをほぼ終えて、5人のリザードの演奏がもっとも結束力を持ち鋼のパワーを持った短い期間の貴重な記録。アルバムの1曲目をかざるスタジオver.に比べてリズム隊もギターもかなり力強い。最強ラインナップのLIZARDはこの後1ヶ月せずにギタリストを失いフォーメーション変更を強いられる。なおこの曲は有頂天がLIVEでカヴァーしており、LIVEアルバム「Search For 1/3 Fin」に収録されている。

11. note(おやすみホログラム[1st])おやすみホログラム
今回絶対に外せないトラックがあるとしたらコレ。数日前に何のきっかけもなかったが普段滅多に聴かないおやホロを聴き直していたら「こんな良い曲だったっけ?」と感動。いつかの特典CD-Rで2014年のデュオ編成になった直後のLIVE音源を聴いてたらエモまってきた。1stアルバムの破壊力はすごい。

12. KIDS/BABYLON ROCKERS outro~ 月光価千金 intro(邪都戦士~Babylon Rocker)LIZARD
13. 月光価千金(ナット・キング・コールをしのんで ひばり ジャズを歌う)美空ひばり
戦前から訳詞で歌われてきたジャズのスタンダードナンバー。LIZARDは前述の2ndアルバムで波島貞による訳詞でエノケンver.をカヴァーしており、その前奏のみ繋ぎで使って、ラストトラックの美空ひばりver.へ落とし込む。

時間はまもなく午後6時30分。徐々にお客さんが入り始めたころかな。

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