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3776 Extended『即興曲集第一集』を聴かない理由があるとすれば

富士山ご当地アイドル3776(みななろ)が2017年始から"受験休業中"の3月に、過去にLIVE録音されたExtended名義のインプロヴィゼーション集をCD2枚組でリリースしました。
シンセ類、ループマシン、エレキギター/ベースを駆使してリアルタイム展開されるバックトラックに井出ちよのがマイク1本で即興を演じた記録、いわば"ドキュメント"です。

大抵リリースされて暫くするとSNS上に聴いた人のCD評が一言ふたことから長文まで多数UPされるのですが、今回は感想が極端に少ないように思います。 Amazonに投稿されているレビューはなかなか熱のこもった良い感想でオススメです。

私が何度か聴き重ねての感想は「聴き込むと色々発見があって面白い」です。またCDリリース以前に公式/非公式含めYouTubeで編集前音源は聴けたし、いくつかはLIVE会場で生で見ましたが、その時の印象は「散漫としていてイマイチ」な傾向でしたが、Editによってまとまり感が出来て、一聴に値する作品集になっていると思います。

しかし考えてみてください。与えられた楽曲と歌詞を指示通りに歌うことしかやったことのないソロアイドルを、ステージ上に放り出して「MCだけで即興してみいや」って滅茶ハードル高いでしょ?マイク一本でインプロと言うと近年若年層にかなり浸透したラップがすぐ想起されますが、3776は一切ラップしていません(!)。単に出来ないのか、石田PからExtendedの内規として禁止されているのか真相はわかりませんが、何れにしても非ラップMCで即興出来るパフォーマーが日本のポップミュージック界にいますかね?アッチに行けば灰野敬二御大とかいますけどね。
更に言えば、DISC-1後半以降とDISC-2全編を占める「水曜元気広場」のステージは、毎回ピックアップした地元商店を宣伝するという縛りもありました。これを隔週で平日夕方18時30分から半年ほど続けていたわけで、石田監督による千本ノック状態。私はこの即興曲集での結果よりも、千本ノックによって井出ちよののパフォーマンス能力、コミュニケーション能力がかなり鍛え上げられた点、そして地元商店、市民との繋がりを一層強めた点に注目しています。その富士宮市との繋がりを強固にした結果が、2017年5月3日「3776復活ライブ」を富士宮市民文化会館が全面バックアップする形態(市民文化会館 自主事業公演)につながったのでは?と想像した次第。一度切れた地元自治体との連携が、草の根的活動(水曜元気広場)を通じて自然と再開したとしたら美談じゃないですか?

そんなこんなで、3776 Extended『即興曲集第一集』を聴かない理由があるとすれば、、、喰わず嫌いなだけですよ^_^

余談)

3776 Extendedの誕生は2015年2月8日(日)下北沢モナレコードでのLIVEでした。その時点から「3776 Extended」というユニットは井出ちよのをMC、石田彰プロデューサーも「助っ人」などと称しメンバーとして紹介されており、石田Pはここにおいては黒子ではなくプレイヤーの1人です。

音源から少し話がそれますが、私が2015年2月8日の初Extendedを現場で見た時、いくつかの外的要因で失望しました。
まず1点目が主催の学園祭学園というバンドが糞だったこと(苦笑)。曲が云々以前に(以下ry
2点目は当時リリースされて間もなかった『ラブレター』から一曲も披露しなかったこと。この日3776現場が2度目だった私は、前月Trash-Upイベントで初現場を経験しブチ上がりつつも「温暖湿潤山ガール」が披露されなかったのでそれを楽しみにしてて、まぁ肩透かしですわ。
3点目は会場がクソ狭くてフラットなので後ろの方からは殆ど何も見えなかったこと。この日広島で仕事を終えて直行しギリギリ間に合いラッキーだったのですが、ツラかった...
見終わった後はもう何か敗北感いっぱいで帰路ついたのをよく覚えています。
でも最近になっていぬびのさん撮影の当日の動画を見たら「全然良いじゃん!」と思いました(笑)
https://youtu.be/3ntgOsWCrtI

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