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絵本紹介 - ヨシタケ シンスケさんが大人気なのはわかっているけど、それでも「それしか ないわけ ないでしょう」を紹介したい

以前ヨシタケシンスケさんの絵本を三冊ご紹介しました。

ヨシタケシンスケさんは世界的に人気のある作家さんで、今回ご紹介する絵本も当然知っている方は大勢いらっしゃるわけで、ここでさらにご紹介するのはおこがましい気はするのですが、それでもお伝えしたく、ご紹介してしまいます!

この絵本を本屋さんで見つけて読んだときには本気で「スゲーーー」ってなり「うんうん、ヨシタケシンスケさんの言う通り!」ってなりました。

これってまさに「人類の進化と生存本能によってもたらされる感情(反応)」や「可能世界」の話ですよね?(って思ったんですが僕だけでしょうか)

「人類の進化と生存本能によってもたらされる感情(反応)」なんて大人でも何のことやらと思ってしまう(僕の言い回しが下手なだけだということはさておき)テーマですし、「可能世界」だって言葉自体何となくは分かっても、じゃあ説明してと言われても上手く説明できないような概念です。

人間というのは脳の進化により、未来の出来事を推論する能力を得ました。

その能力自体は悪いものではないのですが、これに生存本能から生まれる負の感情が強く結びつきすぎると、心の在り方にあまりよろしくない影響を及ぼします。

今ほど科学技術が発達し、生活環境が整う以前、人間は食物を得るにも、居住、移動するにも常に危険と隣り合わせでした。

「これは食べられそうに見えるが人間にとっては毒かもしれない」「この先に進めばいい食料が見つかるかもしれないが猛獣に襲われて死んでしまうかもしれない」など、生死を分ける出来事と出会いながら学習、進化し、当然ながら恐怖、不安などのネガティブな感情も強くリンクされてきました。ネガティブな感情は生存本能に強く影響を受けています。

ですが今は21世紀です。食料もスーパーで安全なものを購入できますし、旅行に行って熊などに襲われる危険もほぼありません。交通事故や病気のリスクはありますが、大昔に比べれば死亡の確率ははるかに低いです。

現在数々の自己啓発書などでも「ポジティブ思考」が推奨されていますが、実際リラックスした状態の方が自由な思考ができますし、未来に対するワクワクした気持ちがあるからこそ前に進む原動力にもなり、新しい、クリエイティブな発想を生み出すことができます。

可能世界というのは無限に広がっており、どんな可能世界を選びとるかも私たち次第なのです。心の使い方次第です。

まさに「それしか ないわけ ないでしょう」です。

もちろんヨシタケシンスケさんは「それしか ないわけ ないでしょう」の中で生存本能から生まれる感情についてや可能世界の説明をされているわけではありません。

ですがこうした概念を踏まえたうえで、ヨシタケシンスケさんが提案された心の在り方が素晴らしいのです。

さらには至極平易なことばや例えで、大人にも子どもにもすんなりと受け入れやすいストーリーテリングとなっているところはさすがとしか言いようがありません。

ヨシタケシンスケさんのやわらかく可愛らしい絵が、読者をふんわりとやさしく包んでくれます。

世界中にヨシタケシンスケさんのファンがたくさんいるのも納得です。

ついつい難しく考えてしまう心の問題を、シンプルに真っすぐ、それでいて優しくひも解いてくれる素晴らしい作家さんです。

ヨシタケシンスケさんのシンプルな作品を素直にそのまま読めばいいのに、小難しくこねくり回す僕のこと、「すらい」ですか?



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