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2018.9.14 Ital Tek / Bodied

昨日に引き続き、割とゆるめな1日で仕事を追えて、ほぼ定時退社。8月末に出た某アイドルのシングルCDの事前予約分の引き取り期限が今日までなのに、昨日気づいたので、3店舗予約分がある渋谷へ銀座線で向かう。

学生時代から、ほんの数年前までは週に何度も通っていた渋谷が、再開発でどんどん変わっていく度、ノスタルジーというよりも、街のリズムが変わっていく感じに違和感を抱く。山手線内の乗り換えの多い駅で、繁華街が近い街でも、たまに行く新宿や池袋ではそんなに居心地の悪さを感じないし、仕事場や帰宅ルートに近いので日々利用している秋葉原や上野も人は沢山居るけど鬱陶しい感じよりは、なんとなく落ち着くホーム感すら抱いているから、かつて一番通って、ずーっと遊んでいたかった街「渋谷」が、今はなんとなく一番居心地が悪く、用事が済んだらすぐにでも帰りたくなる街になってしまうとは...今、唯一渋谷で落ち着ける場所は、東急本店の上のジュンク堂書店だけかもな。

名前を伏せることもないけど、お世話になっている人も多々いる某CDチェーン店のメガストアにも寄ったけど、当日は今48系や坂系以外では、最もセールとライブの集客があるであろう某アイドルグループのメンバーのイベントがあるらしく、館内のいたる所にそのグループのマーチャンダイズに身を包んだ老若男女がウロウロ。ほんの数年前までは、自分もそんな中の一員だったことも多いはずだし、今でも、たまには本当に数少ないお気に入りのグループの(できるだけ人が少なそうな)イベントに行くこともある。だからこそ、わざわざ1〜2ヶ月前に来た際の予約イベントの回収の為だけに、他に用事の無いこの街に来ているわけだけど、ちょっと距離を置いてみると、「ああ、こういう風に見えるんだな」って客観視できるし、同族嫌悪とはまたちょっと違う感情も産まれる。

思い返せば、7〜8年前に今のアイドルブームの走りみたいな時期に、何かワクワクするような現場感を感じて、毎週の様に色んな現場に通い出して、色々と刺激をもらってた日々は、自分が今夢中になっている対象についてガーッと熱が上がっていたと思うけど、その前まで付き合いが深かった「ノンケ」な音楽好きの知人からは、今僕が抱いてるみたいな感覚を持っていたのかな、と思ってみたり。

何が言いたいって結論があるわけではないけど、なんとなくモヤモヤっと思ったことをnoteにメモりながら、帰りの空いている銀座線で聴いた今日の一枚。Itak Tekの新譜の涼しげでクールな音像に、気分をリフレッシュされた。

アルバムの解説については、ディスクユニオンの商品紹介ページより引用します。こういうダンス・クラブ系でカテゴライズされる新譜について、アーティスト名・アルバム名で検索しても、日本語で書かれたテキストは本当に数少ない。だからこそ、個人の印象批評崩れでもいいので、聴いた新譜に対しては、何かしらの感想とテキストを残しておくことに意味があるんじゃないかと思ってる。

英・ブライトンが産んだ鬼才Ital Tekの新作がµ-Ziq主宰の大人気レーベルPlanet Muよりリリースされました。
優れたジューク/フットワーク作を多数リリースしている同レーベルですが、今作は前作同様、デビュー時にみせたジューク/フットワークを一度解体し、シンセサイザーによる幻想的なサウンドスケープと壮大なドラマチックな一大アンビエント作へと昇華させています。

音に関しては、この解説の通り、ダンストラック的なフォーマットの曲はほとんど無くて、リズムがあってもインダストリアルなノイズに塗れたグシャグシャのそれっぽいものがポツポツ鳴っているだけ。らしい単語を並べ連ねてみれば、アンビエント/ドローン/インダストリアル/ゴシック/音響、って感じ。ひとつひとつの音色が研ぎすまされていて、耳にしているだけで気持ちいい。個人的には、アメリカの暗い音楽よりも、ヨーロッパの暗い音楽の方がしっくりくる性質なので、こういう清廉なアルバムはきちんと覚えておきたい。

「Blood Rain」のMVが、コンテンポラリーダンスを踊る美女2人を映画的に撮っただけという、どんな言葉よりもその音の世界観を正確に表現している気がしたので、貼付けておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=sXaRvZdJvDY


毎日聴いた音楽についての感想を1日1枚ずつ書いています。日々の瑣末な雑事についてのメモもちょっと書いてます。