2019.2.21(THU)

六本木のお店の応援もあと2日。今日は他の人より30分早くお店に着いて、誰も鍵を開けてなかったので、こないだ教わった鍵の収納場所から鍵取ってきて、1人で準備してた。昼間も、配達仕事で、お店所有の電動アシスト自転車を借りて4回配達へ。生まれて初めて乗ったけど、アレ楽だね、電動アシスト自転車。ふた漕ぎぐらいしただけで、グンッと前に進むあの感じは凄い。そこそこキツめの登り坂でも、立ち漕ぎしなくても普通にスイスイ登れたしなぁ。

昼休みは、KANDYTOWNのNEETZのソロアルバム「Figure Chord」を聴く。こないだ聴いたVaVaのアルバムの衝撃が凄かったので、そこまで強い印象では無いけれど、これもアルバムを通して主役のキャラクターや世界観が通底してる感じがあって、とてもいい日本語ラップの新譜だと思った。KANDYTOWNのラッパーのソロが次々リリースされて、それにメンバーがお互いに参加してる感じは、00年代初頭のNITRO MICROPHONE UNDERGROUND周辺の感じに近い感覚があるな。あそこまでマス的にバズってる感じや、ファッション的なクロスオーバー展開はKANDYTOWNには無いかもだけど、東京ベースのソロMCの集まり感が似てる部分もあるなと。

そういえば、今日知ったトピックでとてもビックリしたのは、イギリスのバンドStereolabの90年代前半からの7枚のアルバムがWarpとDuophonicからの共同リリースで、リマスター&エキスパンデッドエディションでリリースされ、10年ぶりに再結成ライブもやるというニュース。Stereolabは、僕が20代前半だった頃の最も進歩的でイケてる楽曲派ロックバンドだったと思う。

90年代前半、まだ大学生だった僕は、毎週渋谷宇田川町や西新宿のレコード村(と呼べるくらい、当時の渋谷や新宿はレコード屋が溢れていた)を徘徊し、財布には家に帰れるギリギリの電車賃だけ残して、あとは全部CDやレコード・本を買って帰るような生活を送ってた。当時のサブカルかぶれの大学生なら、みんな同じ様な行動してたと信じたい。バイトの飲み会なんて、毎日会うメンバーとわざわざ外で金払って飲むの勿体ないと思って、4年弱も続けたバイト先でも、自分の送別会一回きりしか飲み会行かないくらいのケチケチぶりだったし、デート以外では外食すらもったいないと思って、極力自炊してたしな。

Stereolabの想い出を振り返る前に、自分の冴えないボンクラ学生生活の想い出に浸りそうなんで、ここら辺で切り替えますが、20歳くらいの僕は当時付き合ってた彼女の実家が工務店で、その事務所に業務用のコピーがあるのをいいことに、自分で買った輸入盤のジャケットを写真で撮影したものにレビューを書いたり、NMEやMELODY MAKERなんかの海外音楽誌の切り抜き写真をコラージュしたりして、いわゆるzineの様なものを作っておりました。当時の自分の趣向として、ヒップホップ/テクノ・ブレイクビーツ/ギターポップからオルタナ・ノイズなど、日本の音楽誌であまりレビューされていないアーティストや音源をピックアップするのを、なんとなく個性だと思い込んで作ってた気がします。

その中でも、まだほとんど日本盤がリリースされていなかったStereolabについては、彼らの自主レーベルDuophonicからリリースされる7インチや10インチも含めて、かなり初期からコツコツと集めていたので、彼らの代表作ともいえる「Emperor Tomato Kechup」のリリースのタイミングで、初めての来日公演が決まったので、これは!と思って、その時点までのディスコグラフィーみたいな特集号を作って、渋谷クアトロ初日にクアトロビルのエントランス付近でメンバーの入り待ちをして、昼過ぎにやってきたメンバーにそのzineを渡すことが出来ました。当時は、クアトロビルで入り待ちしてれば、そこそこの来日アーティストには会うチャンスがあったもんな。

彼らも初めての来日で、こんな東洋の片隅に物好きなファンが居たもんだとビックリしてくれたのか、とてもフレンドリーに対応してくれて、リハーサル後の楽屋に呼んでもらって、僕が手書きで書いてきたアンケート用紙に、直筆で回答してくれたり、レコードにサインしてもらったり、リーダーのティム・ゲインに、「安くサントラが買えるレコードに連れていって」と頼まれて、まだ公園通りにお店が残ってたハンターに行ったり、クアトロ近くのディスクユニオンに引率して連れて行った楽しい思い出があります。

ボーカルのレティシアにアンケートを書いて貰ってる時、レティシアに「あなたが私たちの曲で一番好きな曲は何なの?」と聞かれて、咄嗟に答えた曲が「French Disko」だったんだけど、初来日の夜公演でのMCでレティシアは「この曲をテツヤに捧げます」と言ってからFrench Diskoを演奏してくれたこと、ずっと忘れられない思い出だし、InstagramのWarpのアカウントで、今回のStereolabのリリースを伝える短いTeaser動画のバックでかかってるFrench Diskoを聴いて、そんなあれこれが一瞬にして思い出されたりもしました。

その初来日以降も、Stereolabメンバーとの親交は続き、バンドのマネージャー兼Duophonic運営のMartin宛に、初来日の写真やアンケートを載せたzineを送ったら、Duophonicのレーベル資料を送ってくれたりしたし、その後2回くらい来日する度にはライブに招待してもらって、毎回楽屋でメンバーと再会させてもらったのも楽しい思い出でした。ティムとレティシア夫婦に赤ちゃんが産まれた時、ちょうど僕も最初の就職先が子供服の会社だったこともあり、自分の会社のベビー服をプレゼントしたら、とても喜んで貰ったのも嬉しかった。

その後、バンドは不幸にもメンバーの1人を亡くしたり、ティムとレティシア夫婦も離婚したり、人生色々あるな、と思いつつ、ティムが新しいバンドでのキャリアを継続させてたり、レティシアも音楽活動を続けていることに、なんか遠い親戚の頑張ってる姿に励まされてる様な気持ちになっておりました。

今回の過去作のリマスター発売も、バンドの再始動も、どちらもとても嬉しいニュースだし、叶うならば新しいアルバムを作って欲しいし、また日本にライブに来て欲しいな、という気持ちに溢れてます。なんか書きたい事があると、文字数グイグイいくな。余裕だな。

毎日聴いた音楽についての感想を1日1枚ずつ書いています。日々の瑣末な雑事についてのメモもちょっと書いてます。