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【ポケモンSV】DLC環境下でのテラレイド用ポケモンについて


前置き

 長らくお預けされていたポケモンSVのDLC「後編 藍の円盤」がついに解禁され、発売当時の環境から色々と要素が増えました。
ここでは今作の特徴である「テラスタル」を取り入れたテラレイドバトルにおける、DLC環境下でのレイド用ポケモンについてはなしていきます。

あくまでレイド用ポケモンの構成を建てるうえの考え方紹介みたいなものです。個人的な解釈などもわりかし含みますので一応参考程度に。


DLCによる追加要素

まず更新データ及び前編と後編での追加要素について、レイドに関係するものを簡単に抜粋します。

DLC内容に応じた「テラレイドバトル」の追加

DLCで新たに追加されたポケモンを対象に新しくレイドバトルがそれぞれ追加されました。
スパイスが取れるレイド、難しいレイド、易しいレイドなど色々増えました。ただこれを面白くなったと考えるか、単にかさ増ししたと考えるか、はたまた逃げ道が増えたと考えるかは人によると思います。

「わざマシン」の追加

DLCそれぞれで多くのわざマシンが追加されました。
前作の教え技や新規技のわざマシンなど多数追加されています。

個人的には一番(主に青の円盤で)嬉しい要素でした。

内心

SVに連れていけるポケモンの追加

前編、後編それぞれのリリースに合わせて解禁されました。
発売当時の400+αから合計で大体350前後増えています。

あの子はいつ頃こっちに入国できるかな…

「タイプ:ステラ」の追加

「後編 藍の円盤」にて新しくテラスタル時限定で「ステラ」タイプが追加されました。
記事作成時点ではまだ数日しか経っていないため情報としてはまだ不完全な部分も多いですが、ある程度は出揃っているため軽く説明していきます。

まずテラスタル時に「ステラ」タイプに変化しますが、これは通常のテラスタルと違う点が多くあります。
まず自身の元のタイプが変化しません。
テツノブジンで例えるなら、「ステラ」タイプにテラスタルしても自身のタイプは「フェアリー/かくとう」のまま、ということです。
恐らくシステム的にはポケモンXDのダークポケモンと同じで「元のタイプ+ステラタイプ」という形になっています。

ステラタイプにおいては「技の威力上昇」でなく「ダメージ倍率上昇」が入り元のタイプに対しては2倍、それ以外のタイプには1.2倍の補正が掛かります。この補正は通常時においてテラパゴス以外には各技1回までという制限がありますが、テラレイドではその制限が解除されます。
以下は通常時の例となります。(ドーム内に戦えるトレーナーがいなかったためアカマツ君には犠牲になってもらいました。)

テラスタルする1ターン目
☆どの技も威力補正を受けられる
2ターン目
☆1ターン目で岩雪崩を使用したためこの技のみ補正が受けられない
4ターン目(2ターン目は岩雪崩を使用したため割愛)
☆3ターン目で地震を使用したためこの技も補正を受けられなくなる

次にテラスタイプに応じて変化する技「テラバースト」ですが、こちらはポケモンの元のタイプではなく「ステラ」タイプとして扱われます。「ステラタイプのテラバースト」の相性は「テラスタルしているポケモン」に対しては効果抜群、それ以外には等倍となります。
相性がXDのダーク技みたい。
威力に関しては100に補正される(+ステラタイプの1.2倍補正が入る)他、技の後にAとCが1段階下がります。以下は一例となります。

通常時
テラスタル時
相手のテラスタル解除時


なおAC下降に関しては「あまのじゃく」の適応範囲内に入るようです。

たまたま見かけたので捕獲ついでに検証

その他仕様については以下の参考元を参照してください。
ポケモンwiki


一部不具合と敵、味方AIの修正

発売当時は少し話に出ていた「じゃれつくバグ」が修正された他、藍の円盤リリース以降の味方AIの行動が修正されました。(ハラバリーが「ひかりのかべ」を使ってくれたり、サーナイトが「いのちのしずく」を使ってくれたり、オリーヴァが「しんぴのまもり」を今更やっと使ってくれるようになりました。)

あとはあまり知っている人はいないと思いますが、home解禁前後かどこかの更新データで☆5レイドの敵AIがしれっと修正されています。(たしか攻撃技の選び方が☆6準拠でなく☆4以前同様ランダム化に変更(変化技の優先度はそのままに)されています。ただ半年も前の事なのでちょっと確信が持てないです。)

その他

他はレイド報酬として貰えるテラピースの数がほんの少し増える「きらめくおまもり」の実装や、育成環境に多少の緩和がありました。


レイド用ポケモンの構成

※サポーターに関しては触れません。

従来の環境(特に発売初期)ではとにかく自身の攻撃能力を上げてワンパンするという手法が採られており、現在でもテラレイド攻略に関しての情報発信元はこの手の攻略が大半を占めます。
その後は耐久ラインを上げて「かいがらのすず」や「吸収技」によってサイクルを作る、または耐久を上げに上げて倒れる前に倒す手法なんかも挙がりましたが如何せん下火となっています。

これらの攻略手法をとるポケモンの構成はある程度同じような形であり、ワンパン手法における構成は

①高火力技(反動技、条件付きなども含む)
②火力上昇用の変化技(剣舞/悪巧み/腹太鼓etc.)
③火力上昇用の変化技(嫌な音/嘘泣きetc.)
④その他補助技(挑発etc.)
◎持ち物:火力を上げられるもの
◎テラスタイプ:基本不問

となっており、他の手法をとるポケモンは

①主力攻撃技(連続使用に耐えるもの)
②火力を上げる技(剣舞/瞑想/アシッドボムetc.)
③耐久を上げる技(冷や水/鉄壁etc.)
④その他補助技やサブ攻撃技
◎持ち物:貝殻の鈴/隠密マント/メトロノームetc.
◎テラスタイプ:選出対象によって変わる

と大体このようになっています。(あくまで傾向なので場合によってこの構成から外れることも少なくはないです。)

話は変わりましてここからDLCによってどう変わったかといいますと、根本的には何も変わっていないです。
そもそもテラレイドの独自仕様全般がプレイヤーに向かい風となるものばかりのため、攻略方法が限定されてしまっています。(主に時間制限と乙回数仕様)
それでもいくつかの攻略手法があるというのは凄いことですが、基盤となる攻略手法そのものは変える余地がありません。ですのでそれ以外の部分から細かな改善を図っていく形となります。

前項を元に考えると技マシンと入国可能ポケモンの追加はシンプルに攻略適性のあるポケモンが見つかりやすくなるためかなり良くなっています。
不具合、AI修正もなんやかんやでプラスに働くため良し。


残るは「ゼロの秘宝モドキ」である「ステラ」タイプ。
結論から言えば扱い困る代物でした。

感想の代弁

良い所悪い所が明確なので一つずつ見ていきます。
まず「テラスタル時の元タイプ残留」についてですが、これはかなり良い要素です。通常のテラスタルの問題であった強制単タイプ化が解消されるため、相当条件が良くない限りできなかった「あるポケモン1体で特定のポケモンのレイドを全テラスタル分対応させる」事が簡単になりました。

分かりやすい例で言えば☆6レイドのパーモットです。彼は技が「かくとう」「でんき」タイプしかなく、「ゴースト/じめん」タイプで簡単に完封勝利を収めることができます。一応home解禁前でもシロデスナが該当していましたが完封するにはテラスタルしないことが条件であったため難しかったものの、「ステラ」タイプの追加により可能となりました。
そもそもハラバリーでなんとかなるのは内緒。

次に「ダメージ上昇補正」について、これもわりと良さげだと思います。通常のテラスタルではできない複数タイプの威力補正をダメージ上昇補正という形で複数のタイプに付与できしかもテラレイドにおいては倒れるまで永続するため攻撃技を複数搭載する旨味が増しました。

ここまでは良いです、ここまでは。
残るは悪い所ですが、実は1点だけです。しかしながらその1点のせいで「ステラ」タイプの扱いが厄介なものになっています。
それは「テラスタルシールド時におけるダメージ減少」です。

もっと分かりやすくいうと「通常テラスタルよりもバリア展開時のダメージが低くなる」ことです。

以下はバリアを展開した☆5水テラスゴルーグをテラスタル(でんき/ステラ)したスナノケガワの「10まんボルト」で攻撃したときのダメージ量です。
一応攻撃前に両者とも(CとDの)ランク補正なしの状態にしています。

でんきテラス時
ステラテラス時

半分近く減るというのは割と致命的で、それすなわちバリアを解除するのに必要なターンが通常のテラスタル時と比べて格段に時間が掛かるということになります。マルチで使用する分には大丈夫だとは思いますがソロでは時間制限がかなりキツくなる仕様となっています。

ちなみにこれは独自仕様というわけではなく、単に「テラスタイプと技のタイプが不一致の場合ダメージが低くなる(30~40%)」という従来の仕様と同じ形です。まぁデメリットとしては十分だと思います。

これらを踏まえたテラレイドバトルにおける「ステラ」タイプは相当なタイプ相性の有利や火力上昇手段の豊富さを持っていない限り採用しにくいものといえます。
一応使えないこともないですが、元々単タイプのポケモンや火力上昇手段に乏しいポケモンなんかは通常テラスタルでいいと思います。あくまで2タイプ持ちのポケモンが使えるかもしれない手段として考えたほうが良さそうです。

話をまとめると、DLCによってレイド攻略に対応できるポケモンは増えたためいくらか環境は良くはなったが、ステラタイプも通常テラスタルの代替品としては微妙で根本的な解決になってはいない。
という状態だといえます。

ただ確実に以前よりもレイド攻略は簡単になりつつあるためなんやかんや楽にはなっていると思います。


ステラタイプを用いた構成の考え方

前項より「ステラ」タイプがテラレイドにとって扱いの面倒な代物であることを説明しましたが、全然使えないというわけではないため最後に登用例と考え方について話していきます。

まずテラレイドにおける「ステラ」の最大の武器は「元のタイプの残留」と「通常の一致テラスタルと同じ倍率を元のタイプへ常に適応できる」の2点となっています。
基本「ステラ」タイプを登用する場合はその強みを十分に活かせることができる状況想定及び使用ポケモンのポテンシャルが重要となってきます。
が、字面以上に難しいものとなっています。

以下がその例です。

例1:パーモット完封用ゴルーグ

他のレイドに出したら即地雷と化します

これは「元のタイプの残留」を活かした構成であり、☆6パーモットでは全てこの子で完封することが可能です。通常テラスタルではないため火力減少が目立ちますが、それを高火力技とメトロノームにより補うことができます。
ただしこの構成は☆6パーモット対ゴルーグにおけるタイプ相性における完全完封(無傷)を行えるからこそできる芸当であり、他での流用はかなり厳しいです。


例2:ヤバソチャメタ用アヤシシ

こっちも他レイドで出すと地雷と化します

こちらもゴルーグと同じタイプ相性を活かすことを軸としていますが、AIの変化技の優先度と認識できない「そうしょく」を利用し、常に「ステラタイプのテラバースト」をデメリットなしで使えるようにしたものです。
「ステラ」タイプにおける無効タイプは現状存在しないため、通常時の「ノーマルタイプのテラバースト」の相性補完を兼ねて「おどろかす」のみを採用しています。(他はほんとに要らないです。)
ただし、これも実質的な完封(NPCオリーヴァの「しんぴのまもり」で完封が解除される以外)が可能であるためできる芸当です。


例3:汎用サーフゴー

使い方としては1番汎用かもしれない

他のポケモンに流用する場合、恐らく一般的な「ステラ」タイプの構成になると思います。
これは上記2体と同じように「元のタイプ相性を活かす」という軸は変わりませんが、通常テラスタルと同じ程度の火力補強ができないデメリットがあります。それを補完するため、タイプ一致の「ラスターカノン」などの通常技ではなく「テラバースト」を採用しています。
テラレイドでは終始相手がテラスタルの状態であるため「ステラタイプのテラバースト」の抜群補正を常に受け続けることができます。ただし、ACダウンを考慮しないといけないため、「つるぎのまい」「わるだくみ」などの自身のACランクを上昇させる技の採用が必須となります。
またテラスタルするまでは受けと回復のサイクル化が安定しないため慎重なポケモンの選出が必要となります。

ちなみにムクホークやキラフロルはこの子で完封できるようになります。


以上が取り敢えず「ステラ」タイプを採用できそうな構成例となります。
まだ数日しか経っていないので改善の余地は大有りですが、取り敢えず後々の基盤を書いておかないと忘れそうなので書かせて頂きました。

末尾

後編も配信され、ようやく色々とレイド用ポケモンを具体的に詰めることができるのは個人的に嬉しいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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