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『ねとらぼ』の「見出し」の特徴を探らんとす

(少し前の分析ツールで)『ねとらぼ』の「見出し(タイトル)」を分析してみた。

この約1年、『DANRO』というメディアから仕事をもらっている。

『DANRO』の記事は、多くがYahoo!の「ライフ」カテゴリに配信されている。Yahoo!では読者のコメントが付けられるので、自分の書いたものにたいして「どんな反応があるのだろう」と、見ることがある。

しかし、「ライフ」カテゴリは、ランキングのほとんどを『ねとらぼ』の記事が埋めているせいか、コメント自体があまりつかない。(もちろん僕の力量不足もあるだろうが、ここではそれを置いておく)。

『ねとらぼ』の記事には、思わず読みたくなる=ページを開きたくなるような「見出し」がついている。(もちろんそれだけでないことはわかっているが、それもここでは置いておく)。

そこで、『ねとらぼ』のこの半年の「見出し」だけを集めて、テキストマイニングツールで分析してみた。

以下、すべて「僕調べ」なので、優しい気持ちでお読みください。

上が9月27日~11月30日(2149記事9万9997字)、下は7月20日~9月26日(2193記事9万995文字)の「見出し」だけを分析したもの。「単語の大きさはどれだけ特徴的であるかを表しており、色は品詞を表して」いるという。

本当は1年分でやりたかったのだが、使ったツールでは、1度に10万文字までしか分析できないため、このようなやり方になった。ちなみに『ねとらぼ』では、2018年1月1日~12月12日までで、1万1072本の記事があった。見出しだけで50万字を超えていた。

『ねとらぼ』の見出しの特徴は「方向づけ」することにある。
読者の側に立った見出しを付けて、「この記事はこう読んでほしい」という方向性を示すのだ。「かわいい」が際立っているが、ほかにも「楽しい」「やばい」「すごい」「懐かしい」と、形容詞を多用している。これは他のメディアではあまりやらない(と思う)。「声」は、「〜の(=という)声」として使われているようだ」。

なお、「かわいい」は「猫」や「登場」との結びつきが強い。

例)
巨大ニャンコが抱っこされてご満悦 腕の中でリラックスする赤ちゃんみたいなデカ猫さまがかわいい
めっちゃかわいい ピカチュウとモンスターボールのドーナツがミスドから登場

上が9月27日~11月30日、下が7月20日~9月26日の「共起キーワード」。「出現数が多い語ほど大きく、また共起の程度が強いほど太い線で描画」されるという。

個人的に『ねとらぼ』の見出しといえば……のイメージがある「すぎる」もちゃんと登場していた。「ありがとう」「おめでとう」「うお」「えええ」なども、同様に「方向づけ」の役目を果たしている。

このあたりまでで、ちょっと『ねとらぼ』見出しの練習を。

「〇〇を食べる猫ちゃんのかわいすぎるショットにTwitter民から『ありがとう』の声が集まる」

……なんだかよくわからなくなった。話をもとに戻す。

『ねとらぼ』は見出し自体が長いことも特徴だ。

SEO(検索エンジンに引っかかりやすくする)的には、「見出しは30字前後がいい」と聞いてきた。しかし、以前イベントで池谷副編集長が話していたように、SEOはまったく意識していないようだ。

下の画像は、見出しを字数の多い順に並べた表だ。

英字や連載タイトルなどが「見出し」に入るものは、まあ字数も多くなるだろうなという感じだが、それに当てはまらない「『つらい時は何でも良いから紙に書いてごらん』→長女、母への不満をまさかの書籍化 『オニ化してたよ』『子どもの本当の声、ココにあり!』などパワーワード全開」に、76字が使われていて、笑ってしまった。

調べてみると、『ねとらぼ』2018年1月1日~12月12日までの記事、1万1072本の「見出し」で使用されている文字数の平均は「45.31字」。他のメディアが意識しているであろう30字より、かなり多いことがわかる。無理に30字を意識するよりも、見出しに入れ込む情報量を増やしたほうが得という考え方なのかも知れない。

ちなみに、同じ期間でもっとも短い見出し(10字)は、コレだった。

この話、ほかにもいろいろできるのだけれども、さすがに朝からひとつも仕事をしていないことがバレそうなので、いったんこのへんで。

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