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D1の前期を振り返る回

昨日中間発表が終わり,便宜上は夏休みという区分に突入した院生です,こんばんは,こんにちは.
博士後期課程に入学して濃密なゼミを行い,意見交換をして調査や色々と今期行なってまいりましたが,中間発表を終え,D生として本当に大丈夫なんだろうか不安になる程自分の勉強不足が身に染みた(元々自覚はあったけれど)のでとりあえず修士との違いというか,振り返っておこうと思います…

・入学後のゼミ
・専門用語
・「研究」と「好きすぎる趣味」の違い

について大まかに書こうかな〜という感じです.

入学後のゼミ

 入学と言いましても,博士前期課程(以降Mと記述)と同じ研究機関,大学院なので継続のような…でも入学手続きもしているし学修番号も変わったり1年生になるのでちょっと気持ち的にもシャンと背筋が伸びる感じでしたね.
 研究室もお引越しをしたので,いくら副査の先生として私の研究をMの時からご存知とはいえ今度は自分で進めていかなければいけない研究ですし,ほぼ進路は自分で決めて,航海士も乗組員も自分という感じでしょうか.それを指導教員はたまに私がコンパスのズレに気付かなかった時においおい,と軌道修正なり,本当にこっち行くの?とかそういうことをしてくださる立場にあるような気がします.こっちに行く理由は?とか.
 とっても楽しいです.研究室の形態として進捗報告ではあるけれど意見交換に重きを置いているので前ラボと違いがあり新鮮であったり,単純にディベートのように言い合い(いい意味での)ができたからだと思います.前ラボが悪いということじゃなくて,多分人数の関係やゼミの進め方の違い,そして博士後期課程(以降Dと記述)の生徒としてやってるからだと思います.

 昨日発表したことに関しても,コミュ障なので最初助教が意図していたスライドの順序や副査からの羅列される質問事項に追いつけないこととかこれから直していかないといけないことはたくさんあるのですが,それ以前になんだか…自分の勉強不足は自覚していたものの,露呈して終わった感が強いですね.何だろう,先生にどんだけ知識ないんだとか思われていそうなレベルで勉強不足だと思ってます,自覚症状として.今年掲げた「自己肯定」という今年の目標は何処へやらという感じです苦笑

専門用語

 前項に引き続き勉強不足の話になりますが,一番これが勉強不足の原因だと思いますね….私がやろうとしてる研究の史学的な部分に関して指導教員は専門なので当たり前ですが,知識は膨大で,恐らくDなら知ってなければならないような事も私が知らないケースがゼミ中度々あったと思います.指導教員に対してこんな生徒ですいませんとか思いながら本買ったり,あ,本はDになってからめちゃめちゃ買いましたね,読みながらって感じで少しずつですが読んでます.
 あとはD卒の助教からの「ディシプリン」という言葉が毎度毎度引っかかっており,なら早く調べろって話だったのですが,前ラボの指導教員からMの研究の時には「切り口」や「視点」という言葉で言われていたのでなんとなく「領域」的な意味合いで捉えていて,助教が「私の研究がどのディシプリンに所属するのか」と問う度に,なんとなく領域として考えてました.昨日ググりました.(遅い)
 世の中にはやはり私のようにディシプリンという言葉に戸惑ったという他分野の研究者がいらっしゃいまして,やっぱりいるのねという謎の安堵と同時に,その方も書いておられたようにMの時点で知っておくべきだったというか,知っておかなければいけない言葉だったという自分の知識のなさというか無知さに溜息しか出ませんでしたね.
 やりたい事,極めたい事はこれ!というものはあるしわかっているのですが,今は膨大すぎてふわっとした研究発表になってしまったのも,このディシプリンやあとは自分の研究の立ち位置,そしてその中で議論される専門用語(例えば私の場合はデザイン史の中でも印刷史や公告史の用語でしょうか…)がゼミ中の議論で「使える」状態にない事が原因としてあるんだと思います.一言で勉強不足と言っても,研究の調査内容や文献とかの話ではなく基礎的な勉強の話です.

「研究」と「好きすぎる趣味」の違い

 もちろん研究は好きなことを知りたくて掘り下げてやっていますが,知見を得てそれを世の中に広めることが必要です.オタクや単純に好きで集めたり好きでたくさん知っている,ということとの最大の相違点は,それを明言化し論文として世の中の人にその知見を広める広報活動をしないといけないことです.そしてDでは特にその分野についてエキスパートにならないといけないわけで,ただ身内で情報交換をしているのとはわけが違います.
 もちろん私は大正時代が好きで,デザインが好きで,色が好きで,グラフィックに興味があって,それでデザイン科の大学に入って勉強してきました.ただ,それを利用して何かを作ることや絵を描いたりすることは私にとって「趣味」です.色が好きなのでレジンを使って色標本を作ったりしていますし,Photoshopのスキルを磨いたり維持したりするためにグラフィックを定期的に制作したりしています.ただそれは好きでやっている趣味のことで,研究かといったらそうではないと誰もがわかる筈です.それと同じなのですが,私が好きで大正期のデザインについて研究に取り組んでいる以上,制作して検証という手段を取ることはできますが,それを論文に纏めて学会で発表したり知見を広めたりする必要があります.そしてそのことをやっぱり一番知っていなければいけないし,知りたいと思うのになんで知らないの?という変な現象が起こると思います.
 難しいのは,今やっていることに対して自分が没頭型ということを知った上で,自分のスケジュールを自分で組み立てコンスタントに研究をして,自分がどうやったらこの分野においてナンバーワンなんですと言えるようになれるのかということで,常に自分の研究の立ち位置を考えさせられています.好きな分野を掘り下げて知りたいという自分の欲求と,皆に知ってほしいという思いと,そのために明言化するライティング能力,色々なものが必要になってきます.好きを生業にする以上必要なスキルもあるということです.
 私は好きが強いのでまだその他の能力や知識が至っていない点は本当にたくさんあります.D生になって,もっと専門的な話をしていくゼミになっていったことで自分の未熟さ,本当に研究者の卵とも言えないくらいまだまだだということを実感しました.
 他大のM生と話していても別分野なのになんでそれ知ってるの!?とか思うことはよくありましたし,その度にうう…とかなったりもしますが,とりあえずもう一度「自己肯定」を掲げ直して,自分が未熟であるという自覚を持ちながら素直に生きていこうと思いました.

 今回の中間発表や前期の活動や出会った他大の方や学会の先生方との交流によっても考えさせられましたし,昨日の発表後には,副査である前ラボの指導教員に本当に好きなことをやりなさいよ〜と言われました.「ああ,伝わってなかったなあ」と思うと同時に,「私がやりたいことって博士研究のメインじゃなくてこんな補佐的な立ち位置にいていいのかな」と思い直し,また考える毎日の始まりとなりました.
 夏休みと言えど,学生としての夏休みはMでおしまいと決めていましたし,Dの生活では常に夏休みのように「時間」があることが魅力なので夏休みというよりかは毎日と同じですね,年に二回学内発表があるだけで過ごし方や研究への取り組み方は普段と変わりません.
 もっと精進しなければならないですし,今一度,発表後の質疑で指摘されたことも含めて今何を考えなければいけないのか,自分はどう進めていきたいのか熟考することを発表が終わった翌日の自分への戒めとして,記録として,ここに書き留めておきます.

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