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延辺大学70周年なので、知っておきたい中国朝鮮族の祖国観

1949年スターリン劇場前で開校式をした中国朝鮮族の民族大学「延辺大学」が創立70周年を迎えていました。
初代学長は延辺朝鮮族自治州初代州長の朱徳海氏。朱徳海氏に関しては中国朝鮮族の歴史で重要人物だと聞いているので只今はりきって勉強中です!

そしてたしか延辺大学は中国の少数民族の中で唯一の民族大学だったかと覚えているんですが、あってたかな。でもまあ確かそうだったかと。
他にも少数民族が集まる中央民族大学という大学があるらしいのですが、そこに関してはまったく知識がないのでわかんないということで今回はスルー。

さて本題。
創立70周年を迎えた延辺大学に関連するある記事の中で「これからも延辺大学は祖国とともに…」という見出しを見つけた際に、中国朝鮮族にとって祖国は中国なのか朝鮮半島なのかという疑問を持っていて聞きまわったことがあるのを思い出したので、今回は中国朝鮮族の祖国観について改めて簡単にまとめてみようと思います。

ひと言で中国朝鮮族と言っても、東北三省に移ってきた時期も理由も様々なのでひとくくりにできないことは大前提のうえで、傾向としてこんな感じなんだと思ってもらえるとちょうどいいと思います。なおかつまだまだ大勢に聞けているわけではないのですが、せっかくなのでぜひ参考として読んでください。

まず自分たちにとって祖国とは中国だそうです。
自分たちは中国人だという誇りを持っているし、知識として朝鮮半島出身だということは知っているが、それが朝鮮半島をもう一つの祖国だと思っているだったり、朝鮮半島に帰属意識を持っているということにはならず、なんなら朝鮮族を下に見ている韓国社会については反感さえ持っているようでした。
※韓国社会における中国朝鮮族に対する意識は別のnoteで書いたので参照してください。

韓国社会における中国朝鮮族に対するイメージにもつながる話ですが「知らない」ということが全ての負のパワー(恐れ、嫉妬、嫌悪)の源だと考えているので、普遍的な話ではあるけれども「知ることが第一歩」だということで、善のパワー(好感、親近感、共感)に置き換えていかなければいけないと思っています。

またこの祖国観は世代によっても違いがあるようで、親世代や祖父母世代になると韓国や朝鮮に帰属意識を持っている人もまだ少しいるそうで、上の世代にも聞きとりをしてみることで、中国朝鮮族のもつ祖国観についてもう少し多様な情報を共有することができるかなと思っています。

なので今回は軽く触れてみましたが、移動する歴史の中で変化する中国朝鮮族の祖国観について少し知ってもらえたら嬉しいです。

日本に10万人も在住しているにもかかわらず、まだほぼ認知されていない中国朝鮮族という優秀な人たちについて、多民族国家日本に住んでいる多様な人たちに少しでも知ってもらうために、溜めにためてしまっている下書きのテキストたちをちゃんと書き終えたいと思ってはいます…はい…本当です…。


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