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003 素敵な雑貨に出会う旅〜盛岡〜

1)なぜ盛岡へ?
去年知った「北のクラフトフェアMORIOKA」の存在。2回目となる今年は行ってみたいなと年の初めに手帳に記しておいた。クラフトフェアに足を運びたい理由の一番は仕事のネタ探しのためであり、ライフワークバランスが尊ばれているご時世に逆行する行動だが、雑貨好きなので問題なし。金曜日に有休をいただき、一泊の週末旅。(土日に出かけ、翌日仕事というパターンは業務パフォーマンスが落ちるお年頃になってきたので、無理せず有休という選択肢をとらせてもらった。)まぁいいよね、社会人になって何十年も有休ほぼ取らずに働きづくめだったから・・・と勝手な自己弁護。
東北新幹線乗るのは初めてで、行く前からちょっとワクワク。新幹線と宿がセットになったお得なプランを予約し、秋のみちのく旅が始まった。

2)王道のグルメプラン
親しい友人が岩手出身なので、事前におすすめスポットを教えてもらったのだが、「ちいたんたん」とか「べつから」とか初心者にはハードルが高そうな単語が並び、これは何か難しい流儀が盛岡にはあるのか?果たして一人で大丈夫だろうか?なんて思いながらおそるおそる友人が教えてくれたおすすめ店を巡ったが、全くの杞憂に終わり、どの店も大満喫。

【白龍】駅隣接の支店へ。
看板の後ろのじゃじゃ麺リピートの装飾がほっこり気分に。
ピークタイムを外したので、店前に並ぶこと5分ほど。
カウンターに通されたので、調理の様子を間近で観察できた。
友人が言っていた「ちーたんたん」の正体!
これ、もしや「スープを飲む」という中国語では?
おいしく味わいながらそんなことを考えていた。
【福田パン】朝から本店は長蛇の列。根性で並んでゲット!
なんといっても「あん・バター」が定番だが・・・
本店はお惣菜パンが注文できた。川のほとりで朝ごはん。
パン生地もおいしく、このパンを食べにまた盛岡に行きたいくらいハマる。
【食道園】老舗の風格を感じる暖簾がたなびく。
友人から、上ロースは絶対食べてねと言われてたので素直に注文。おいしいーーー
透き通る汁、ツヤツヤした麺!おいしすぎた。
なお、「べつから」とは、キムチ添えの意味だとここで判明。
盛岡は冷麺の名店が色々あるけど、友人は昔からここ一択とのこと。

3)盛岡はカフェの街だった
友人から教えてもらっていたおすすめ店や光原社の有名な可否館はあいにく時間が合わずに行けなかったが、適当に見つけてたまたま入った店がどちらも個性的で素敵だった。もちろんコーヒーのお味も◎。

【羅針盤】階段を登り、ドアを開けると別世界へ。左下、
工事現場でよく見かけるのは赤だが、白で、店名が書いてあるところがお茶目。
丁寧に入れていただいた珈琲を飲みながら、手帳タイム。
【ふかくさ】こちらも店の内と外で雰囲気がガラッと違う空間。
外の景色をのぞけてとても気持ちよかった。
ドイツの名陶「ビレロイ&ボッホ」の「バスケットガーデン」で飲む。
クラシカルなランプとの相性もバッチリ。
素朴で温かみを感じる看板。オーナーさんの心づかいが伝わるよう。
これが看板に書いてあった川原のベンチ。

4)街歩きが楽しい
大本命のクラフト市は土曜日に。前日の金曜日は街をぶらぶらしつつ、雑貨屋さん巡り。バイヤー根性がいくつになっても抜けないせいか、歩く、歩く、歩く。そして素敵な店やモノにときめくのだった。写真に載せた以外にも、南部鉄器やカゴのお店など、どれもこれも見て回るのが楽しかった。

東京駅を彷彿させる赤煉瓦の立派な旧岩手銀行。街のアイコン。
2012年まで営業していたそうだ。一階はちょうど翌日に控えた展示の搬入作業中。
現在は公開施設館で見学することができた。金庫があった場所なども見られて
興味深かった。館内のビデオも視聴して盛岡の歴史の理解が深まったかな。
【shop+spaceひめくり】一つ一つ丁寧に選びとられていると
感じられる雑貨が並んでおり、どれも見ていて楽しかった。
【光原社】ここは思っていたとおり素敵だった!来られたことに感謝。
【光原社】中庭の様子。自然と建物の調和が美しい。
【光原社】敷地内には緑が多く、“イーハトーブ“という単語が
頭の中をぐるぐると駆け巡る。
【草紫堂】以前、友人からいただいたこちらの絞りのふくさが忘れられず、
奥ゆかしい店構えで暖簾をくぐるのにちょっとだけ緊張したけど立ち寄ってみた。
中に入ると店員さんが畳に座っており、そのレトロな雰囲気と丁寧な接客に
ノックダウン。友人へのお土産にコースターを購入。次回は自分用にも何か買いたい。
雑貨店巡りの合間に南部せんべいを購入。色々な味をバイキングできるのが楽しい。
ホームスパンハウス盛岡店で買ったブローチ。
とても安いのに、友人へのお土産分のラッピングは立派な仕上げに。
店内にある全てのアイテムに品格が漂っていた。
いつかこちらの洋服が似合う人になれるだろうか?

5)北のクラフトフェア
「北のクラフトフェアMORIOKA」は盛岡城跡公園で開催されていた。これが今回の旅の一番の目的。今回は、初訪問地×一人ということで地の利のよい駅近のホテルを取っていたので、会場まで少し距離があったが、20分ほどの道のりを散歩がてら、ぶらぶら歩いたら到着。まずまずの規模で、東京近郊で開催されているクラフト市には出ていない作家さんたちもちらほら見られたので、収穫がそれなりにあり、来た甲斐があった。昔から盛岡には民藝の精神があるせいか、クラフトフェアがとても似合う。

会場の入り口。天気に恵まれ、快晴。食やDJブースなども出ていて楽しい雰囲気。
「オーガニック」と素朴な手書きがなんか、いい。
お客さんものんびり、ゆっくり丁寧に、見ていた。
布物も背景の緑と調和し、美しかった。
公園内に突如現れているトーテムポール。フェアを見守っている守護神か。

6)旅のおわりに・・・宮沢賢治の精神を感じる街
ニューヨーク・タイムズ紙が選んだ2023年に行くべき街の2位に選ばれた盛岡。その報道を知った時、この街にどんな魅力があるんだろうか?と行く前からワクワクしていた。
行ってみて、ぼんやりわかった。わかったといっても京都のようにどこを歩いても名所だらけっていう街ではないので、うまくいえないのだけれど、ふとした拍子に映る景色がとてもいいんだ。もちろん地方の人口減問題がこの街にもあるということは歩いていてひしひしと感じるのだが、立ち止まった時に見える景色の一つ一つがなぜか心を落ち着かせてくれる。小さな満足が積み重なっていく感じ。ありのままでいいんだと感じさせてくれる感じ。宮沢賢治が提唱した“イーハトーブ”とはこんな感じなのか?
盛岡初心者にはその真髄はまだまだ到底掴みきれていないが、でもまた訪れて、宮沢賢治の世界観に触れてみたいと思える旅だった。🧳

私にとって“小さな満足”を感じられ景色の一つ。
北上川はけっこうな勢いで力強く流れていた。
パーキングも宮沢さん。
石川啄木の新婚の家。ここでこの詩を見るとじわーっとくる。
街のオブジェも宮沢賢治繋がりだった。
光原社の前の道路で開かれていた市で購入し、大事に持ち帰ってきた。
後日、クラフトフェアで購入したガラスプレートを使っていただく。

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