東南アジアで活躍し始める日本人エンジニア - その1

昨年2018年にエンジニア事務所の運営を進めていく過程で、東南アジア現地で事業をされている経営者の方々や、現地に移住されたエンジニアの方々とお会いする機会が多かったです。

この記事では企業側・エンジニア側、色々な方とお話しして感じた「海外拠点の企業の変化」と、「エンジニアの変化」について2部構成でまとめます。(なお、以下の内容は11月に日経新聞社様の社内イベントで登壇した内容とほぼ同じです。)


今回の登壇の話をまとめると以下の2点です。

・東南アジア進出日系企業側の変化として、日本人エンジニアの採用が加速してきている

・エンジニア側の変化として、海外に飛び出すエンジニアが増えてきている

具体的に企業側・エンジニア側両面から感じた近年の変化について紹介します。今回の記事その1では企業側の変化についてです。その2ではエンジニア側の変化について書きます。


東南アジア進出日系企業側の変化として、日本人エンジニアの採用が加速してきている

- オフショア開発離れ→日本人に依頼する会社が増えている

オフショア開発で代表的なベトナム人エンジニアの単価は年々上がってきています。数年前までは日本人エンジニア1名に対して、3名くらい雇えるような価格感でしたが、今は1.5-2名という感覚。大抵のケースで、日本のクライアントと海外チームの間に入るブリッジエンジニアのような存在も必要になってくるため小規模プロジェクトだとそこまで安くありません。

オフショア会社も利益率の高い大きめのプロジェクトに対して提案をするような動きもあるため、現実日本の大手クライアント以外はオフショアを依頼するよりも日本人に開発を依頼する現象に戻るオフショア離れが起き始めています。

また、そのオフショア離れが起きている原因は、単に価格が高くなったからという理由だけでなく、品質感覚の違いもあるそうです。

元々日本は生まれながらにして、生活の品質が高い環境であるため、日本人のクライアント様の品質感覚とベトナム人のエンジニアの方の品質感覚は根本的に異なります。また、日本人同士であればうまくいくような空気を読むような指示を出しても、外国人だとうまくいかない、という不満も聞くことがありました。例えば、「ここのこの色変えておいて」と指示したとしても、ベトナム人エンジニアの場合、本当にその一箇所だけ変えて仕事を終える。お願いした日本人の担当者は同じ色を使っている他の部分も変えてくれるのが当たり前だと思ってお願いしていたため、再度全ての変更箇所を指摘して、お願いし直すことになったとのこと。このようなことが起きるのは文化の違いもあるため発注側・開発者どちらが悪いとは言えないと思います。ただ、日本人が外国人エンジニアに依頼を出す場合、予想しないコミュニケーションコストが発生し、最終的に日本人にお願いした方が楽だと判断する方も増えてきているようです。

日本人のエンジニアは近年単価は上がっているものの、世界的に見るとまだ単価水準は低いです。それでいて、品質が高いアウトプットを出せるため、世界でもっともコスパの良いエンジニア人材となってしまうのでは?と考えられる経営者の方もいます。

海外の人々から日本人は英語が苦手という世界からの認識がありますのが、その印象を払底した際には、世界から逆にオフショア開発を依頼される国となってしまう可能性も十分にあり得ると思います。


- 東南アジア現地にいる日本人ソフトウェアエンジニアの価値

私はGAOGAOというエンジニア事務所をバンコクに拠点を作ってみて気づいたことがあります。

それは東南アジア現地の日系企業から開発の依頼が凄く来るということです。特に東南アジアの日本人コミュニティは狭いもので、口コミなどで一時期は依頼のほとんどを断るくらい来ていました。どうやら現地法人担当者は新規でプロダクト開発が必要になった時に、以下の図のように開発人材を獲得しようとするからでした。

まず、経営者・立ち上げ担当者の方はまずは自社でエンジニアを採用しようとします。しかし、任せられるようなスキルのあるエンジニアの方が日本から海外に飛び込んで自社に就職してくれるのは難しいと気づきます。とりあえず、エンジニアリングの知識をそこまで持ち合わせていない現地担当者がwantedlyなどに求人を出してみますが、なかなか良い人材は獲得できません。

そこで、東京でリモートで開発をお願いする前に、現地でオフラインでコミュニケーションをとれる開発者を探します。

結果、GAOGAOのような現地で開発できる人材がいる事務所に開発の依頼・採用の相談をします。それでも獲得できなければ、リモートで日本のエンジニアに開発を依頼するといったフローで判断をしているケースが多いです。

つまり、ソフトウェア開発もオンラインで完結できる現代においても、まだまだ現地でオフラインでお願いできることの価値を強く感じている経営者・事業責任者の方が東南アジアには多いです。


- 現地立ち上げ時のエンジニア採用の相談

ソフトウェアエンジニアを必要としている東南アジアに拠点を置く日系企業には大きく2つのタイプがあります。

・日本にある既存サービスの拡大のために現地に支社を置くケース

・東南アジア向けに新規サービスを提供するスタートアップのケース

前者のケースではエンジニアを現地で採用する必要ないんじゃないかと思われますが、例えば、企業向けのニュースサービスを提供している企業の方からタイで顧客獲得を進める際にローカライズした開発を進めていきたい、と要望があり、現地でエンジニア採用を行うケースもあります。

そのような立ち上げ担当者から、どのようにエンジニアを獲得できますか?と相談を私はしばしば受けています。そのような時はまず「必要な状況でエンジニアの採用方針は変わります。」とアドバイスをします。

立ち上げフェーズ際には、基本的にはビジネスサイドと意思疎通をきちんとでき、それを開発に落とし込むことができるCTO的な存在をまずは獲得すべきです。いきなりタイバンコクにあるローカルの開発会社にお願いしたり、外国人エンジニア2, 3人集めて進めるのはきちんとマネージメントできる自身のある方でない限りオススメしません。

上のtweetは半分冗談で半分事実です。事業の創業CTOをどのように獲得すれば良いかはしばしば議論していますが、長くなりそうなので割愛します(別記事でまとめます)。

- エンジニア採用における経営者勘違いあるある

また、ビジネスサイドに関わってきた経営者で、エンジニアとこれまで接点がない方は以下のようなエンジニアにまつわる勘違いをしているケースがあります。以下、少し大げさですが代表的なものを紹介しています。

上の図で紹介しているのは嘘のようで本当にある経営者の発言です。経営者は経営者都合でエンジニア採用をしようとする傾向があります。一方、エンジニアはその会社の経営者・経営方針以外のものを見ている場合が多いです。

エンジニアが転職する際に判断基準とする項目は多岐に渡りますが、私のこれまでの多くのエンジニアに対するヒアリングの結果として、「チームに強い(尊敬できる)エンジニアがいるかどうか」この要素は大きいです。また、ビジネスドリブンすぎず、技術チームに発言権限・裁量が大きいかどうかも重要なポイントです。

強いエンジニアとは、技術力があって発信力もあるような人物のことを表します。そのようなエンジニアが在籍する企業はエンジニアに裁量がありそうな会社という目でも見られるため、良いエンジニアをさらに集めやすい傾向にあります。エンジニア採用をこれから始めようと思っている経営者の方はこの点を少し気にかけると良いのではないでしょうか。


まとめ

今回の記事では主に東南アジアの経営者・事業責任者の方のプロダクト開発やエンジニア採用に関する相談を受けて感じたことをまとめました。

今現在東南アジアに住んで2年経つ筆者ですが、年々現地で日本人エンジニアを採用したい企業が増えているような肌感があります。また、海外へのチャレンジの第一歩として東南アジアに移住を決めるエンジニアが私の周りに増えています

次は、「海外に飛び出すエンジニアが増えてきている」というトピックで続編記事を書く予定です。よろしければフォローお願いします。


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Takuya Tejima

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