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【今月のトークテーマ】「発売日にゲームを買わない」という提案

 あやうく月が変わってしまうところだった。7月のトークテーマは「ゲームライターの情報の収集方法とゲーム購入の基準」だそうです。なかなか書くことが浮かばなくて、ずるずると月末まで引っ張ってしまった。

 というのも、今はゲームライターというよりすっかりニュースサイトの人になってしまったので、そこまで真剣にゲームの情報集めたり、発売日にすぐゲームを買ったりしなくなっちゃったんですよね。でも、よくよく考えてみるとこの「発売日にすぐゲームを買わない」っていうスタイル、そんなに悪くないかも……と思ったので、代わりにそのことを書きます。

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発売日に買わなくても意外と困らない

 「発売日に買わない」と言っても、自分の意思でそうしようと思ったわけではなくて、環境とか嗜好の変化で自然にそうなっていったという感じ。具体的には、三十代後半くらいからだんだん「発売日に買う意欲」が減衰していって、そのうちとうとう「発売日に買わない気楽さ」に追い越されてしまった。単純に、仕事が忙しくて発売日に買ってもなかなか開封できなかったり、あとゲームの好みが変わって、雑誌などで特集されるようなビッグタイトルよりも、変わったインディーゲームなんかを中心に遊ぶようになったのも大きい。

▲これとかも結局半分くらいしか組み立てられてない(いつかちゃんと書きたいけど、Nintendo Labo自体は超面白いと思っている)

 で、いざそうなってみると、発売日にゲームを買わなくてもそんなに困ることってないよな、と思ったわけです。

 はじめのころは、「話題の作品をいち早く触らないなんてゲーマーじゃねえ!」という後ろめたさもあったんだけど、こればかりはまあ、買っても時間がないんだから諦めるしかない(遊ぶ意欲はバリバリある)。あと、発売日にゲームを買うのって「まわりと一斉にヨーイドンでスタートして会話に加わりたい」というのが大きくて、ただ自分が今いるのは非ゲーム媒体なので、そういう「一緒にゲームで盛り上がる人」がまわりにあんまりいないんですよね……あれ……目から水が……。

 それともう一つ、最近のゲームってボリュームが膨大なので、新作が出ようが出まいが、常にユーザーは何かしらのゲームで遊び続けてるような状態なわけです。昔は「もう遊ぶゲームないから早く新作出て!」ってずっと思ってたけど、今はゲームの方が供給過多なので、そこまで新作を渇望しなくなってしまった(あと自分は完璧主義者なので、「新作が出たら今遊んでいるゲームを中断してそっちを遊ぶ」というのがわりとストレス)。このエントリを読むような人ならたぶん、既にSteamのライブラリには一生遊びきれないほどのゲームが入っているはずで(偏見)、それならいっそもう「新作が出たら遊ぶ」んじゃなくて、「自分が遊びたいタイミングで遊ぶ」でいいんじゃないかとも思うんですよね。テレビ番組を「リアルタイムで見る」んじゃなくて、「オンデマンドで後から見る」みたいな。

「冷静に評価を見てから買える」というメリット

 それから、発売日にゲームを買わないことによる「明らかなメリット」もある。発売から時間がたてば当然価格も下がるし、何より自分の場合は「発売後の評価を見て作品を探せる」というのが大きい。

 誤解がないよう書いておくと、僕は気になるゲームだったらレビューの点数とか世間の評価とかはまったく気にしないので、ここでいう「評価を見て探す」というのは、例えば「発売されてはじめて盛り上がるような、メディアの情報だけでは埋もれそうだった作品を見つけられる」という意味ですね。特にインディーゲームの場合、リリース前~リリース直後のタイミングではそれほど話題にならず、しばらくたってから口コミで評判が広がりはじめる、といったケースがけっこう多い。最近だと「Dota Auto Chess」とか。あと「SEKIRO」も、出るまではあくまでダクソの延長だと思っていたので、発売後の評判を見て「あれ、これやった方がいい?」と思って買ったら大当たりだった例。

▲SEKIROはネットの評判を見なかったらたぶん買ってなかった


 僕ももういい大人なので、クソゲー1本掴まされたくらいで「金返せ!」ってなったりはしないんだけど、逆に大人になったことで「時間返せ!」と思うケースが増えてきた。社会人には金より時間の方がはるかに貴重なので、面白いかどうかわからないゲームで遊ぶよりは、はじめから面白いと分かってるゲームで遊ぶ方が精神衛生上よろしいのは間違いない。

 でもなー、そういうのがゲーマーとして「日和った」ムーブであるという思いは相変わらずあって、まあそういうのとうまく折り合いを付けていくのも社会人スキルなんでしょう。僕だって時間さえあれば、面白いかどうかわかんないゲームにガンガン突撃したいよ。クソゲーを遊ぶのって、実はすごくリッチなゲーム体験なんじゃないかと最近思う。

どんなゲームなら発売日に買う?

 あと、もちろん発売前から楽しみで楽しみで出たら速攻で遊ぶ! というタイトルも年に何本かはあって、そういうのはちゃんと発売日に買っています。そりゃそうだ、発売日に遊びたいゲームがあるんならそれにこしたことはない。遊ぶ時間があるかどうかは別として。

 ビッグタイトルや期待作とか以外だと、hororoさんも書いてたけど「オンライン要素が重要なゲーム」はやっぱり発売直後から遊んだ方が圧倒的に楽しいですね。あと重大なネタバレがあるやつとかも、とっととクリアして「クリアした側の人間」に回った方がムーブとしては楽しい。

 最近失敗したなーと思ったのは「スマブラSPECIAL」で、発売日に買ったけどうっかり多忙にまぎれてしばらく放置していたら、始めたころにはオン対戦が猛者ばかりになっていて心が折れた。対戦ゲームは買ったら多少無理してでもすぐ遊びましょう。

ガチで面白いゲームは自然に目に入ってくる

 最後に、自分が今どうやって買うゲームを選んでいるかというと、ゲームニュースサイトで目についたゲームとか、Twitterで見かけた面白そうなゲームを買ったりとか、そんな程度です。ただ仕事柄、普段からかなりネットは見ているし、そもそも話題になるほどスゴいゲームならこれで大体目に入ってくるんですよね。「どうぶつタワーバトル」もTwitterで見かけて紹介したゲームだけど、メディアで紹介した中ではうちがたぶん一番乗りだったと思う(違っていたらすいません)。

 結局「すぐに捕捉したい!」ということにこだわらなければ、今のインターネット時代、誰でも自然に面白いゲームには辿り着けるんですよ。ということで、僕がオススメする情報収集方法は「あえて発売日にゲームを買わず、自然にゲームの評判が入ってくるまで待つ」でした。(なんとかテーマに無理やり着地させてごまかした)


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