パズドラが面白かった時のこと

 もうかれこれ7年パズドラで遊んでいるんだけど(最近はすっかりログインゲーですが)、いまだにあの「ゼウス究極進化」を上回る興奮はなかったな、と思ったのであらためて書いておきます。

 僕がパズドラというゲームを見直す(えらそう)きっかけになったイベントで、たぶんパズドラが「7年続くゲーム」として覚醒したのもあの時だったと思うんですよね。このイベントにこそ「パズドラのすごさ」のすべてが詰まっていた、と言っても過言ではない。当時を知らないパズドラユーザーや、パズドラを遊んでいない人にも分かるようになるべく噛み砕いて書いてみたので、オッサンの与太話だと思って付き合ってくれ。

※実はこれ5年ほど前にも書いたんですが、今読むとところどころ情報が古かったので、ゲームライターマガジン用にあらためてリライトしてみました
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ゼウスとはどういうキャラだったか

 ゼウスというのは、初期のパズドラでめちゃくちゃ人気のあったキャラクターのこと。図鑑No.187、リーダースキルは「HP満タン時、全ての味方の攻撃力が3倍になる」

 ゼウスが初めて登場したのは、サービス開始(2012年2月)から半年ちょっと過ぎた2012年の10月のこと。当時はこの「HP満タンで攻撃力3倍」というリーダースキルは、ガチャ排出キャラを含めても文句なく最強クラスの性能で、初期はこのゼウスをリーダーに据えた「ゼウスパ」を完成させるのが、いってみればパズドラユーザーの「最終目標」だったわけです。

▲当時理想とされていたゼウスパがこれ(ゼウス、ヴァルキリー、ヴァーチェ、パールヴァティー、エキドナ)

 ここで強調しておきたいのが、このゼウスが「ガチャ排出キャラではなかった」ということ。

 ゼウスが手に入るのは「ゼウス降臨!」というダンジョンで、クリアさえできれば確定でドロップ。現環境最強のリーダーが、ガチャではなくダンジョンで手に入る。パズドラが当時「ぽかぽか運営」と言われていた理由の一つがこれでした(ただしめちゃくちゃ難しく、当時はコツコツ溜めた詫び石などをつぎ込んで、コンティニューでゴリ押しして取る人が多かった)。

▲めちゃくちゃ緊張した初ゼウス戦。緊張しすぎてパズルミスもあったりしつつ、なんとか数コンティニュー程度で取れた記憶


 しかし、そんなゼウスの天下にもゆるやかに終わりがやってきます。

 ゼウスを超えるガチャ排出キャラの登場や、先制攻撃を行うモンスター(要するに「HP満タン」潰し)の登場などによって、少しずつ「ゼウスでは苦しい」と言われる場面が増えていく。アップデートによるインフレと世代交代はスマホゲーの宿命なので、こればかりは仕方ない。一時はほぼゼウス一色だったフレンド欄も、1年も経つころには大半が他のリーダーに変わっていた。

 そんな時にやってきたのが「ゼウス究極進化」だったわけです。


「究極進化」で再び脚光を浴びたゼウス

 ゼウス実装から1年、公式ニコ生でこんな発表があった。

「ゼウスが究極進化します!」

▲ニコ生で初公開された究極進化ゼウスのイラスト(【パズドラ】ゼウスの究極進化イラストキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!11月に実装!?より)


 マジか!!!!!!

 “究極進化”というのは、アップデートで既存のモンスターに「さらにもう1段上」の進化が追加されること(要するにパワーアップ)。ゼウスの天下がまたやってくる! 自分もゼウスパを愛用していただけに、この発表には当時かなり興奮したのを覚えている。

 で、ここからがこの記事の本題です。

 究極進化には「進化素材」が必要になる。そしてその進化素材は、新たに実装するダンジョンで取れるようになるという。今までの究極進化では、素材はどれも既存ダンジョンで取ってこれたので、ゼウスが当時いかに特別扱いされているたかがよく分かる。

▲究極進化の素材は新ダンジョンで!(【パズドラ】ゼウスの究極進化イラストキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!11月に実装!?より)


 ところがこの新ダンジョン「ツインリット降臨!」が、ものすごいクセ者だった。


阿鼻叫喚で幕を開けた「ツインリット降臨」

  「ツインリット降臨!」実装直後のパズドラスレは、ちょっとした「阿鼻叫喚」状態だった。ラーや闇メタトロンなど、当時の最強パーティで乗り込んでいった人たちがことごとくボコボコにされて帰ってくる。クリア報告もちらほらとは見られたものの、「この編成なら行ける」という安定パーティがなかなか出てこない。

 それもそのはずで、このダンジョンで出てくるモンスターはいずれも、

バインド攻撃持ち(味方モンスターを数ターン行動不能にする。一度ハマるとバインド地獄で手も足も出せなくなる)
高防御力+即死攻撃(HPは少ないが防御力が高く1ずつしかダメージが通らない。一定ターン内で倒せないと即死級のダメージが飛んでくる)

 ――といったイヤな能力の持ち主ばかり。ドラクエで例えるなら「即死攻撃持ちのはぐれメタルが集団で出てきて回避不能のラリホーを連発してくる」ような状態で、パーティの強さに頼ったゴリ押しがまったく通用しない。こんな鬼畜ダンジョン、どうやったらクリアできるんだ……?

▲ほとんどの場合、1Fでバインドされまくって詰む(左)か、2Fで倒しきれず即死級ダメージを受けて死ぬ(右)(【パズドラ】ツインリット降臨スタート!みんなの反応より)

▲ボスの「エンジェリット」と「デビリット」。これも高火力で押し切らないとやはり即死級のダメージが飛んでくる


まさかの「最適解はゼウス」

 ところがそんな阿鼻叫喚の地獄絵図の中、こんな書き込みが注目を集めることになる。

「ゼウパ(ゼウスパ)でノーコンいけたぜ」

 え……? まさかゼウスで??? 他の廃課金パーティが軒並み手こずっているのに、今や周回遅れのゼウスでどうやって……。しかも道中には、ゼウスの天敵とも言える「先制攻撃」を撃ってくるモンスターもいる。

 しかし、その書き込みをきっかけに、「ホントに行けた」という「ノーコン報告」が少しずつ増えはじめる。「たしかにけっこういけそう」「おいこれ正解じゃね?」「これが原点回帰か」――。

【パズドラ】ツインリット降臨スタート!みんなの反応より


 攻略のポイントは、敵の攻撃を遅らせるスキルを持つ「エキドナ」を2体入れることと、1Fでモンスターを1体だけ残して「スキル溜め」をする(敵を倒さない程度にドロップを消し続け、味方のスキルが溜まるまでターンを経過させる)こと。2F以降は溜まったスキルを順番に開放していき、ボス戦では全力パズル。ね、簡単でしょう? パーティもゼウス含め無課金キャラだけで組める。

 自分でも試してみたが、「モンスターを1体だけ残してスキル溜め」の部分でちょっと運が絡むものの(ドロップを消しすぎるとオーバーキルしてしまう)、確かに2~3回に1回はこれでノーコンクリアすることができた。

▲ゼウスパによる攻略方法。1Fでモンスターを1体残せるかが最大のポイント


 実際やってみて分かったのは、どうせ高防御力の敵ばかりでダメージは全部1なんだから、先制攻撃でゼウスの「HP満タン」を封じられてもまったく問題ないということ。しかもボスのエンジェリットに至っては逆に「先制回復」でこちらのHPを全快させてくれるから、道中でダメージをいくら受けていても、ボス戦では勝手に「HP満タン時、攻撃力3倍」が発動する……。

 他のパーティでも似た戦略はとれなくもないが、やはり一番安定するのはゼウスだった。何度か試すうちに、うっすら「もしかしたら」と思っていたことが、はっきりと確信に変わる。

 このダンジョンは、ゼウスが最適解になるように設計されている――!

 もはや役割を終えたと思っていたゼウスを、こんな形でふたたび輝かせてくれるとは……。「ゼウスでノーコン可能」の情報は一夜にして広まり、翌日にはフレンド欄が久々にゼウス一色になっていた。パズドラ運営チームの粋なはからいと、見事すぎるダンジョン設計の手腕に、僕は心から「すげえ」と感心したのだった。


「下地が良い」のと「継続して楽しさを提供できるか」は別

 パズドラというゲームはリリース初期からかなりよくできていたんだけど、先日サービスを終えたテクテクテクテクのように、「下地が良い」のと「継続して楽しさを提供できるか」というのはまた別の話なんですよね。

▲テクテクテクテク、復活待ってます……


 パズドラにはストーリーというものがほぼないので、アップデートと新ダンジョン・新キャラクターの実装で話題を提供していくしかない。そんな中で、このイベントでは、キャラクターを使った話題作りといい、ダンジョンの設計といい、全てが完璧に噛み合っていた。特にダンジョン設計については、特に新しいギミックを入れたわけでもなく、出現モンスターや、防御力・HPといった細かなパラメータの調整だけで、ここまで劇的なドラマを作り出せるのかと感動した。

 それまでは「スマホゲーの中では面白い」くらいの認識だったパズドラを、「いやこれ、ゲーム全部ひっくるめても相当面白いのでは?」と思いながら遊ぶようになったのは、間違いなくこのイベントがきっかけだった。

 さすがにあれから6年も経って、ゲームバランスや運営方針も今ではだいぶ変わっているけど、変わらなければ終わってしまうのがスマホゲーなのでそこはそれ。この先あと何年パズドラが続くかは分からないけど、せっかくサービス開始当初から遊んでいるんだし、ここまで来たら最後まで付き合ってみようと思っています。


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