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パズドラが好きすぎるのでパズドラを語る:「ゼウス覚醒」の思い出 後編


パズドラとゼウスの話のつづき。

前半を読んでない人は先にこちらを読んでね。

ゼウス実装から1年、さすがのゼウスパでも力不足を感じることが多くなってきたある日、それはやってきた。

ゼウスの究極進化である。

究極進化というのは、アップデートで既存のモンスターに「さらにもう1段上」の進化が追加されること。プレイヤーからすれば、もう限界だと思っていた手持ちモンスターが突然強化されるわけだから嬉しくないわけがない。ゼウスはもともとかなり強かったこともあって究極進化は後回しにされてきたが、とうとうその順番が回ってきた。


究極進化ゼウス――その名も「超覚醒ゼウス」が手に入れた新スキルは、「HP満タン時、攻撃力が3.5倍になる」

「HP満タン」という発動条件はそのままで、攻撃倍率が3倍→3.5倍に変わったわけだ。

たかが0.5倍アップと言っても、フレンドと掛け合わせれば12.25倍。攻撃力だけなら最近の高火力リーダーとほぼ並んだ。「HP満タン」という条件をキープできるダンジョンは限られるが、これなら十分現役クラスの性能を手に入れたと言っていいだろう。やったね、おじいちゃん!!!!


――と言いたいところだが、本題はここからだ。この先の話がしたくて、ここまで長々話を引っ張ってきたんだから。


究極進化には「進化素材」が必要になる。今までの究極進化素材はどれも既存ダンジョンで取ってこれるものばかりだったが、ここでパズドラ運営は新しい手を繰り出してきた。

「ゼウスの進化素材がドロップする新ダンジョン(激ムズ)を実装します!」

な、なんだってーーー!


ゼウスの究極進化には、新ダンジョン「ツインリット降臨!」の最深部で手に入る素材モンスター「エンジェリット」が必要だった。ツインリット降臨の難易度は「超地獄級」と、ゼウス降臨と同じかそれ以上。進化させたかったら、さらなる高難度タンジョンに挑戦しクリアしてみせよ、というわけだ。

が、この「ツインリット降臨!」がものすごいクセ者だった。


「うおおーオレのラー様(5色同時攻撃で攻撃力36倍)が火を噴くぜ!」
「とりあえず闇メタパ(現行最強の廃課金パーティ)で行ってくるわ」

――と、並み居る猛者たちが自慢のモンスターで突撃していってはボコボコにされて帰ってくるという始末。当時のパズドラ本スレでもなかなか安定攻略できるパーティが報告されず、「これクリア無理だろ」「地獄絵図wwww」とクリアを絶望視する声も少なくなかった(【パズドラ】ツインリット降臨スタート!みんなの反応)。

苦戦するのもそのはずで、このダンジョンで出てくるモンスターはいずれも、

高防御力(HPは少ないが防御力が高く1ずつしかダメージが通らない)
バインド(味方モンスターを数ターン行動不能にする。倒しきれないとバインド地獄で手も足も出なくなる)

――といったイヤな能力の持ち主ばかり。

ドラクエで例えるなら、「はぐれメタルが集団で出てきてラリホーを連発、一定ターン内に倒せないと即死ダメージを撃ってくる」ような状態で、パーティの強さに頼ったゴリ押しがほとんど通用しない。ボスや単体のモンスターの強さはそれほどでもないが、ちゃんとフロアごとに対策を考えていかないと、廃課金パでさえ余裕でボコボコにされるのだった。

↑大抵バインドされまくって詰む(左)か、
即死級ダメージを食らって死ぬ(右)
【パズドラ】ツインリット降臨スタート!みんなの反応より)



ところがそんな阿鼻叫喚の地獄絵図の中、ある書き込みが注目を集めた。

「ゼウスパでノーコンいけたぜ」


え、まさかゼウスパで!? ほかの廃課金パが軒並み手こずっているのに、今や時代遅れのゼウスパでノーコンだと……!? しかも道中には、ゼウスパの天敵とも言える「先制攻撃(HP満タン潰し)」を使ってくるモンスターもいる。

しかしその書き込みをきっかけに、「ホントに行けた」という「ノーコン報告」が少しずつ増えはじめる。「たしかにけっこういけそう」「おいこれ正解じゃね?」……マジか、マジなのか!

僕も半信半疑で試してみたところ、確かに行けた。ノーコン安定とまでは行かないが、2~3回に1回くらいはクリアできる。もっと慎重にやればもう少し精度は上がるだろう。

ポイントは「威嚇」スキルを持つエキドナを2体パーティに入れること(通常のテンプレゼウスパはエキドナ1体)と、1Fでモンスターを1体だけ残して「スキル溜め」をすること。これさえ成功すれば、2F以降は溜まったスキルを順番に解放していくだけでクリアできる。

↑ゼウスパによるツインリット攻略
1Fでモンスターを1体残せるかが最大のポイント


実際ゼウスパで行ってみて分かったのだが、どうせ高防御力の敵ばかりでダメージは全部1なのだから、先制攻撃で「HP満タン」を封じられても大して関係ないのだった。しかもボスのツインリットは先制回復でこちらのHPを全快にしてくれるから、道中でダメージを受けていても、ボス戦では勝手にゼウスのスキル「HP満タン時、攻撃力3倍になる」が発動する……。

間違いない、このダンジョンは、ゼウスパが最適解の1つになるように設計されている――!

あらためて強調しておきたいのは、この「ツインリット降臨」が登場したころには、ゼウスはもうかなり時代遅れのリーダーだったし、ゼウス以上のリーダー候補はいくらでもいたということ。しかし実際行ってみると、そのどれよりも「時代遅れ」のゼウスパの方が安定するのだ。

他にも手持ちの課金モンスター含めていろんな構成で挑戦してみたが、結局、無課金で組める「エキドナ2枚入りゼウスパ」が、少なくとも僕の手持ちでは一番安定してクリアできた。


「ゼウスでツインリットノーコン可能」の情報は一夜にして広まり、翌日にはフレンド欄がひさびさにゼウス祭りになっていた。

スクリーンショットを撮っておけばよかったと今になって後悔しているが、かわりに翌日、こんなことをツイートしていた。


中にはすでに究極進化を終えて「超覚醒ゼウス」になっていた人もいたし、まだ究極進化前で、おそらく今まさにゼウスでツインリットに挑戦している真っ最中なんだろうな、という人もいた。やがて時間が経つと、進化前だったゼウスが少しずつ「超覚醒ゼウス」に入れ替わっていくのが分かった。進化した「満タン3.5倍」のリーダースキルは、ツインリット攻略でもさっそく役に立ってくれた。

もはや役割を終えたと思われたゼウスじいちゃんを、こんな形でふたたび輝かせてくれたパズドラ運営チームの粋な計らいと、見事すぎるダンジョン設計の手腕はもっともっと評価されていいと思う。

――というのが、僕がずっと書いておきたかった、パズドラの「ゼウス覚醒」事件なのであった。

せっかくなので、ついでにここでパズドラの産みの親・山本大介プロデューサーのカッコイイ名言貼っておきますね。


その後の話もちょっとしておくと、「超覚醒ゼウス」は今でもまあまあ現役で、フレンド欄にも常時数人はいる状態。無課金ユーザーにとっては相変わらず最強クラスのリーダーだし、課金ユーザーでもスペシャルダンジョンの周回などに使っている人は多いようだ。

「ツインリット降臨!」はその後ちょっとバランスを調整されて、「金曜ダンジョン 超地獄級」として曜日ダンジョンの1つに追加された。今ではより安定して攻略できる組み合わせも複数見つかっているが、無課金ユーザーでも組めるゼウスパはいまだ攻略パーティとして健在だ。

あ、そういえば「超覚醒ゼウス」実装と同時に、別属性の暗黒覚醒ゼウスという分岐進化も追加されたのですが、こちらはスキルが玄人向けすぎて現状ほとんど使われていないため、ここでは「いないもの」として話を進めさせていただきました。

ごめんよ、闇じいちゃん……。



パズドラとゼウスの思い出、おわり。













赤ちゃんのおむつ代にします。