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自分が一番だと思うこと,自分は常に正しいと思わないこと

大学院の修了式で先生から,「皆さんは今,自分の分野については,誰よりも自分が一番知っているんだ,というくらい研究されてきたと思いますが」とお話いただきました。

確かに,そのくらい研究しましたし,そうでなければ修士号の名にはふさわしくないと考えます。大きく頷いた人も,私だけではなかったはずです。

しかし,私はそれと同時に,自分が常に正しいと思わないことも大切だと思っています。

自分や自分たちの意見が正しく,それと反する意見を持つ人や,行動をする人を,正しくないと決めつけることは,自分にとっても利にはなりません。

それは知識や向上心においてもそうですし,また,外面的な話でもいえることです。いかに正しいことを言っても,他人の意見を聞かない姿勢は,多くの人から認められるものではありません。

そして,それはTPOについてもいえることだと思います。どんなに素晴らしい話でも,勤務時間中に執務室でしていたらどうでしょう?為になる話でも,電車の中で話していたらどうでしょう。それがましてや,人の評価の話や噂話だったらどうでしょう?

自分のしていることや考えていることが,いかに自分にとって正しくとも,それが常に他人にとっても正しいかどうかは分からないのです。ですから,少なくとも,TPOに応じて口にしない,書かない,という判断ができるかどうかが重要になります。

それは表現の自由だからとか,又はビジネスだからとか,そういう問題ではないような気がします。最近は,何かにつけて「ビジネス」と耳にする気がしますが,日本語訳は「営業,事業,業務」でしかありません。つまり,自分は利害関係(お金関係)を大切に考えているのだということを示したい時のイディオムとして使われている気もします。

そういった言葉は,相手に「何かしらの影響を与えたい」ために使われる言葉のように感じます。「俺の父ちゃん国会議員なんだぜ」的なあれです。まぁ,だから?と,一般的には思われるという話で…でしたら,自分の印象を悪くしないためには,口にしない方が良いということも,外面的にはあり得ますよね。

自分が一番だと思うくらい努力して成果を出すことは大切ですが,自分が正しいとは思わないようにする。それが両立するからこそ,人は成長するのだと思います。



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