人より少し頭が良い人

自分が、人より少し頭が良いと思う人は、以下、読まない方が良いかもしれません。痛いことを書きます。

人より少し頭の良い人は、人が傷つくことを知っていて、棘がある言葉をわざと選ぶ時があります。ブラックジョークと同じような気持ちかもしれないですし、相手がそれに対して反撃しないと思っている(相手を見下している)からかもしれません。相手から「あなたの今の言葉、棘がありますね」と、指摘されないと思っているはずです。でも、間違いなく、相手は、そう思っています。

普段、理屈で話さない人は、怒ると怒鳴り、分からないと騒いで、言葉に裏はありません。裏を考える癖がないのです。私の母がそういう人です。

だからこそ、母は、よく私に言います。「今私のこと、お母さんってダメねって目で見たでしょ!」思ったことを口に出すので、こちらが幾ら違うと言っても聞き入れません。それはそれで困りますが、普通は、思っても口にしません。そして、心の中で、あの人って嫌な言い方するのね、そう思います。

それが一度や二度で、しかも勘違いだと分かれば問題はありませんが、そのようなことが積み重なれば、その人の印象は、「棘のある事を言う人」で定着します。

ビジネスでも、また、家族くらい親しい間柄でも、それは変わりません。ビジネスでも家族でも友達でも恋人でも、棘のある言葉を、時々口にする人に対しては、そういうレッテルを貼ります。

そして、何かのきっかけ、喧嘩や口論で、それはふと心から表面に浮上してきます。「いつも思っていたんだけど、(いつも言おうと思っていたんだけど)、棘のある言い方するよね。」この、「いつも」は、文字通りの「いつも」ではなく、「自分が相手を嫌だなと思った時」という前提であるのに、なぜか「いつも」になる点が怖いところです。

つまり、人より頭が回る人は、小言や文句、不平不満などを、それとなく普通の言葉にサンドイッチして相手に話して、それで少しずつストレスを解消している時があります。実際、「小さく言い返す」というような、ストレス発散の方法や書籍もあるくらいで、口に出して相手に言うことで、ストレスを溜めない工夫にもなるそうです。

ですが、これは、やめた方が良いです。相手には、しっかり届いています。そして、相手が言い返して来ないのだとしたら、確実にそれは少しずつ蓄積しています。

夫婦喧嘩、痴話喧嘩等は、こういう積み重ねも多いと思われます。「そんな服年に似合わないよ」「最近また太った?」「そんなの出来ないに決まってるからやめとけよ」

でも、常に相手の顔色を見て言葉を使うのは疲れます。そういうことではないのです。相手に媚びるとか、そう言う話ではなく、「自分から見て」相手を傷つけると「知っている」言葉を慎むだけで良いのです。

「わざとか、わざとではないか」は、分かりやすいものです。だって、相手は「人より頭の良い人」なんですから、人より、何が人を傷つけるかも、分かっています。

それを、素知らぬふりをして、人が傷つく言葉をそっと普段の言葉に混ぜて話したとしたら、相手から見れば、それはどれほど、わざとらしく見えるでしょう。

気を払うべきは、相手の顔色ではなく、自分の、いぢ悪な心の出没です。そして、そういう言葉は癖になります。何となく口にするようになってしまいます。それさえ気付けるようになれば、相手の顔色など見なくても、自分らしくいられるようになります。

人より少し頭が良いと思っている人は、自分の頭が、たまに勝手に、小さなやり返しを思いついて実行していないか、振り返ることも必要です。

とても頭の良い人達は、小さな人間関係であってもそれらが後々影響することになるので、けっして波風は立てません。普段から色々な人に声かけし、小さな頼み事をしたり受けたりすることで、浅く広いコミュニティを広げていく能力があります。

そういう人は、決して言葉に棘などないことは言うまでもなく。目指すのは、そういう人でありたいと思っています。

母から、色々考えさせられる日々です。

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