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【京都エッセイ】0.京を歩けば「?」にあたる

大仏がないのに大仏前交番。
天使はいそうにないのに天使突抜町。

京都を歩くと、なぜ?どうして?と頭のなかがはてなマークでいっぱいになる。京都好きの血が騒ぐ。「なぜ?」を考えずにはいられない。そこで、その考察を兼ねたエッセイを綴ることにした。頭の中が京都にまつわる疑問で今にもパンクしそうだから、思い切り吐き出したい。

このエッセイを読んだ人が、わたしと一緒になって「なぜ?」と頭を抱えてくれたらこれ幸いです。

「どうして京都はこの場所にあるのか」

という疑問がふと浮かんだ。
794年、都は長岡京から平安京、つまり今現在の京都の位置に移された。遷都の理由は「怨霊」。くわしい説明は今後綴る本編に譲るとして、さて、この遷都には疑問が残る。遷都の理由が怨霊であるならば、なぜ平安京遷都以降は遷都がなかったのか。
今では三大怨霊として数えられている崇徳上皇や菅原道真の怨霊。彼らの祟りは京の都に災厄をもたらした。朝廷は彼らを祀り鎮めるための神社を建立したのだが、遷都だけは行わなかった。怨霊を恐れて長岡京から平安京に遷ったのに、なんとも不思議な話だ。
結局、都はその後約1000年もの長い間そこに在り続けた。怨霊の恐怖に勝る魅力がその地にあったのか、はたまた怨霊から都を守る術を見つけたのか。一体どういう理由で都はそこに在り続けたのだろう。その理由がどうしても知りたいー。

以降わたしは、京都をあちこち歩くようになった。歩き回れば「どうして京都はこの場所にあるのか」を探り当てることができるだろう、と考えたからだ。が、甘かった。探り当てるどころか、歩き回っているうちに新たな謎がぽんぽん出てきてしまったのだ。「京都がこの場所にある理由」どころではない。
京都は歴史が長い。平安京に都が遷ってから今日に至るまで、およそ1200年。つまり、京都に詰まった喜怒哀楽と知恵は1200年分、ということだ。京の謎解きーこれは一筋縄ではいかなさそうだ。

京都の街は謎だらけ。
意味深な地名はあるし、東寺はあるのに西寺はないし、曲がり角や家の前には大きな石が置いてある。京都を歩けば、こんな調子で「なぜ?」「どうして?」が止まらない。分からないことがあると思考が全てそっちに行ってしまう性分なので、観光どころではなくなってしまった。せっかく観光を楽しみに来たのに困ったな…なんてうそ。全く困っていない。むしろ、京都の楽しみ方が増えたな、とにんまりたくらいだ。

京を歩けば「?」にあたる。
こうなったら、喜んであたりに行こうじゃないか。

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というわけで、【京を歩けば「?」にあたる】をテーマにエッセイを書いていきます。
今回の記事は序章。本編は次回から。京都エッセイはマガジンにまとめていきますので、よろしくお願いいたします。

京都たのしい!

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