加減する毒

物忘れが酷い、から始まったここ最近の不調
病院にかかり投薬治療をはじめて早や二週間

投薬を始めてすぐに症状は劇的に良くなった
そこから完全回復とまではいかずも、耐え難い程の不調はなく
何事もなかったかのような以前と同じ日々

投薬以外は。


薬が効き症状は軽くなり一安心
のはずで
実際ほっとしてもいるのだけれど、

翻って恐ろしい。

自分では何とも知れず、見たところで確認もできないものを
初対面の人間の言葉を鵜呑みに体内に入れている。

随分と昔にかかった病院で
医師が話した事を思い出す。

診療中
前にもらった薬が残っていて、というような事を言うと
出された薬はきちんとのみきるように、用法容量使用期限をきちんとる守るようにと
ごく当たり前の話をされた

薬というのは
健康な人間の体には本来良くないものです
それを
体が平常ではない状態の時に量を加減して、逆に使ってやるのが薬なんです
本当はのまない方がいいに決まってるんです

薬というのは毒なんですから。


医師の口から出た 毒 という言葉がやたらと印象に残っていて
たしかに、と深く納得した話

いま服用している薬も諸刃の剣で
副作用を恐れて利用しない人も多いと聞く

身体の不調に耐えて鬱々恐々と日々を過ごすより
私は多少の毒と晴れやかに笑う方を選んだ

ありときりぎりすのおとぎ話のような顛末が分かるのは
まだもう暫く先のこと


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