天高く災いふる

荒れた風景に胸が痛む

荒れた庭崩れた壁水没した田畑
繋がらない電話既読のつかないLINE
気遣うも知れない安否

肩を落としながらも
瓦礫を片して困ったような顔で笑う姿

災害派遣の幕を張った大きな車
見慣れないナンバープレート
頼もしさと畏怖

繰り返される
その度ごとに思う
人間は敵わないのに

明日の天気は分単位で分かる御時世
それならそれでそのもとで
雨を避け雪を踏み
流れるように暮らしていれば
天も地もこんなに怒らなかったのか

ひとの小さな手が掘ったり裂いたりちくちくザクザク
我が物顔で荒らさなければ
あちらも
まだやさしいかおをしていたのだろうか

それとも
人の所業などなんの関係もない
ただの大きな時間の中で決まっている流れのとおりなのだろうか

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