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LA POESIE EST DANS LA RUE chapter.10 Death Cab For Cutie 『When We Drive』

「これから不透明なこと、不安なことがたくさんあるでしょう。だけど私たちは共感、理解、優しさ、安心を表現し続けます。思い合い、守り合い、助け合うために」


2016年11月。ドナルド・トランプが大統領選に勝利した直後にDeath Cab For Cutieが発信した声明です。


1998年のデビュー以来、透明な歌声と文学性社会性の高い歌詞、それを引き立たせるアレンジワークでアメリカのみならず世界中の孤独なベッドルームのブルーな魂を包み込んできたDCFC。


メンバーの脱退を乗り越えてデビュー20周年の2018年にリリース、見事各USチャートのNo.1を獲得した『Thank You For Today』で一際輝きを放つ一曲が『When We Drive』です。


D、G、Bmのシンプルなコードを叙情的なシンセで彩るヴァース、Emのアルペジオを奏でるアコースティックギターが胸を締めつけるコーラスに乗せて詩的に綴られる、アメリカの広大なランドスケープに重ねられるプリミティヴな感情。


「後ろでしばらく眠りなよ/ハンドルは僕に任せて/行き着く場所が夢見た場所さ」


それはバンドメンバーへの思いでもあり、不寛容に満ちた不安な時代を共に生き抜こうとする同士たちへの思いでもあるのでしょう。


『When We Drive』 Death Cab For Cutie

君には正直さとか
命果てるまでの信心なんか求めたくない
ただ親友でいてほしいんだ
深紅の空の下に沈んで行く
ダコタの夕焼けみたいに
ずっと傍にいてほしいんだ

When We Drive
When We Drive

君と僕は大きな流れのなかで生まれたから
生き抜くためにはあまりに長く
1つの場所にとどまっていられない
君の髪のクセが好きだ
君の腕の日焼けが好きだ
いつも窓を開けっ放しにしているから

When We Drive
When We Drive

後ろでしばらく眠りなよ
ハンドルは僕に任せて
行き着く場所が夢見た場所さ

君には正直さとか
命果てるまでの信心なんか求めたくない
ただ親友でいてほしいんだ
エンジンがイカれるまで
タイヤのゴムが外れるまで
傍で微笑んでいてほしいんだ

When We Drive
When We Drive

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