「学び方」の質~小田嶋隆「超・反知性主義入門」感想~

僕はこの前、大学のある授業でこんな発言をしました。

「情報の得方にはそれぞれ質がある。」

やだエラそう・・・僕が言いたかったのは、学習するために多くの手段があるということです。例えば、社会で起こったある出来事について、SNSで知る方法と、大学の先生から解説を受ける方法があるとする。どちらが学習者にとって良いのかはわかりませんが、質の差はあるはず、ということ。

で、どのような方法にせよ、情報の提供者がするべきことは、その情報や意見に対する根拠の提示だと思います。さらに、受け取る僕らはそれを吟味する必要がある。正しいのかどうか。

僕がモヤモヤしているのは、特にSNSなんかだと、根拠の部分をすっ飛ばした情報・意見の提示がよく見られることです。さらに言えば、そのような情報が、SNS特有のレトリックなんかに拠って多くの人に信じられている気がする。具体例が挙げられないから、これも大した意見ではないけど笑

遅くなりましたが、小田嶋隆さんの「超・反知性主義入門」は、僕が最近抱いていた、特にSNSに対するモヤモヤをスッキリさせてくれる本でした。オススメです。

本書は、日経ビジネスオンラインで小田嶋さんが連載しているコラムを集めたものです。内容は主に、2013年から2015年にかけて報道されてきたニュースに対するものになっています。ジャンルは多岐に渡り、また、一回分がそれほど長くないので読みやすいです。あと、なんといってもおもしろい。これは重要ですね。小田嶋さんも本編で述べていますが、文章は楽しむために読むものだな、と改めて認識しました。楽しめる本です。

小田嶋さんは本編で、「露悪的な「本音」の増殖」と述べています。これは、インターネット、SNSの普及により、それまで狭いコミュニティで解消されていた「本音」を公開する機会が増えたということです。僕は、先ほど述べた学習の質の話と、「本音」の市民権獲得は、関係があると思いました。この点については、いつか詳しく書くかもしれません。

また、特に好きなコラムは「女子マネはおにぎりを握るべきか」と「ユーモアの大半はクズである」、「学力を精密に測定する(無)意味」、「貝殻が鳴らす音楽」です。特に「貝殻が鳴らす音楽」は、読んでいてなんだか泣きそうになってしまいました。

この国の現状を検討するというよりは、日本人の現状を検討する本だと思います。両者にどんな違いがあるのかは上手く説明できませんが、読んでいて、突きつけられている問題が僕自身の問題であるように感じられました。

これからも何度か読み返すことになる作品だと思います。

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