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8年前の東京・九段会館での被災とトラウマ

千代田区の九段下に九段会館という歴史的な建物があります。現在は解体中で、2022年には地上17階建ての高層ビルが完成するようです。

2011年3月11日の東日本大震災の日、東京は震度5を記録し、7名の方が亡くなっています。そのうちの2人が、九段会館でお亡くなりになられています。その日、九段会館の一階大ホールでは、専門学校の卒業式が執り行われていました。当時この会場にいらした方のブログ(写真がショッキングです)をご覧いただくと分かる通り、天井がごっそり崩落しています。

この日、わたしは仕事の関係で九段会館の3階にいました。その時のことは以前のブログでも少し書いています。地震は、小林いずみさんの基調講演の最中に起こりました。九段会館3階の「真珠の間」の天井には、昔ながらの大振りのシャンデリアが吊り下げられており、地震の揺れで落ちてきそうでした。

参加者の多くは廊下に避難したり、テーブルの下にしゃがみ込んでいるようでした。わたしは、この建物から逃げなくては!と思い、3階から1階のエントランスへと階段を駆け下りました。床は地震による揺れで、ぐにゃぐにゃしているように感じられました。走りながら、わたしの人生はここで終わりかもしれない、という思いが頭をよぎりました。やっとの思いで1階についた後、建物の外に出て大丈夫なのだろうか(頭上から建物の倒壊物が落ちてくるのではないか等)という不安もありましたが、建物の外に避難することにしました。

外から九段会館を見渡すと、右の大ホール側が大惨事になっていました。あの時、大ホールにいらした方々は、いまどのようなにお過ごしでしょうか。同じく3階でセミナーに参加されていた方は、お元気でしょうか。みなさん、あの日、どうやって自宅までたどり着いたのでしょうか。

3月11日の夜、一晩避難させて下さった九段下の企業の方々にも、また改めて感謝の気持ちをお伝えしたいです。3月12日の朝、一緒に避難していた女性と地下鉄に乗って帰宅しました。また激しい地震が起こるのではないか、地下鉄の中に閉じ込められるかもしれない、という恐怖から、電車に乗っていた数十分が長い悪夢のように感じられました。

あの日以降、もしここで地震が起こったら・・・という予期不安から、いざとなったら非常階段を使う必要のある高層階や、長いエスカレーターなどの足場が不安定な場所に強い不安感を持つようになっています。(もともと高所恐怖症)そのため、行動にかなりの制限が出ていることも認識しています。こうした不安感はカウンセリングなどを受けて解消するべきものなのですかね・・・?

わたしの周りには、そこまで深刻な揺れを経験されていない人が多いせいか、わたしのような不安感を持っている人の話を聞くことがなく、自分が異常なのかと感じることがあります。今のところ、なんとか折り合いをつけて生活できているので、今すぐ治療したいレベルではありませんが、九段会館での地震を体験された方と、その後のトラウマなどについて改めて話をしてみたいと思うことはあります。

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