The best woman,

Don't be a drag, just be a queen

Lady Gagaが嫌いな人ってあんまり見たことないけど、それはそれで凄い偏見なのかもしれない。

今回は別にLady Gagaをメインに語りたい訳じゃなくて、「drag」について書いていきたいなと思っている。

ドラァグ(日本語だと発音しにくいよね)について語る、というよりは最近見てる海外のバラエティ番組について書いていくという方が正しいかも。


突然ですがNetflixって便利ですよね。誇張とかじゃなく、本当毎日見てるんじゃないかと思う。

私はこの3年ほど全くテレビを持たないので、ああいう見放題サービスさえあれば生きていけるタイプの人間です。あの手のサービスの最も優れているなと思うのは、発信元の国籍を問わず色んなものが見れること。(今は各サービス会社が配給元になってオリジナル作品も面白いね)

なので私のNetflixの使い方といえば、洋画・海外のバラエティを見るかNetflixオリジナルアニメの見るかのほぼ二択。最近は前者の一択にすらなっている。


見るものなくてザッピングしては困ってませんか、Netflix。

月額最近上がったけど、ちゃんと映像消化しきれてますか。


どんな状況の人であれ、もし環境があるのなら絶対に見た方がいいと思う番組をひとつだけ紹介しておきます。

見所は死ぬほどあるから、まずはワンシーズン見てみるといい。騙されたと思ってシーズン通して見てってほしい。


「ル・ポールのドラァグレース」を。ぜひ一度はね。


昔、「TVチャンピオン」という番組があったと思うんですが。簡単にいえば、ああいうタイプのレース型バラエティ番組です。

内容はというと、ずばりタイトルがそのままで「ル・ポールが主催しているドラァグクイーン達のレース」ってだけ。アメリカで絶大的な人気を誇っており、放送は1シリーズが年に一回放映のシーズン番組。現在は10シーズンまで放送が終わっており、追加でオールスターレースが3シーズン。12/14からはオールスターの4シーズン目が始まろうとしている。(なので今これを慌てて書いてる)


ドラァグクイーンとは何か?という解説がもしかしたら必要かもしれない。女装家さんと言えば分かりやすいかなぁ。

とはいえアメリカは何でも日本より種類が多くて規模もデカいので、もっとド派手だし人口も全然違う。文字で書かれるよりはずっと分かりやすいと思うので、見た目で大体感じが掴めそうなYouTubeのリンクを貼っておきます。

装いが結構皆さん派手めなので、最初はドギツイ感じがあるかも。もしかしたら、見るに耐えないと感じてしまうかも。ただドラァグというものは本当に歴史が長くてな………という話もまた今度書きたいネタのひとつ。今回は割愛しておきます。


とにかく、再度説明すると「ル・ポールのドラァグレース」という番組は男性が艶やかできらびやかに変身してド派手にエンターテイメントをしていくレース型バラエティ。最初は半目で見てたんだけど、これが本当にマジでびっくりするぐらいハマるんですよね。信じられないぐらい面白い。なんなんだ。


想像に難くないとは思うが、こうやってドラァグクイーンをやっている彼女らの多くはいわゆるLGBTQに属する。その辺の議論がインターネット上でまだ散見されるからおすすめしたい……という訳では全然ない。むしろ興味がなくても楽しいからここまで流行るんじゃないか、と考えている。(とはいえ女装とかセクシャルマイノリティに対して嫌悪や負の感情しかない人には、絶対におすすめしない)

彼女たち各々には、暴力的とも取れるぐらいに力強い主義・主張がある。それ故に互いにぶつかりあってしまうこともあって、この番組ではそれがきちんと映し出されてしまっている。何故なら、目が痛くなるほどのゴージャスさを支えている舞台裏すら全部放映されてしまうから。衣装作りから、化粧から、あるいはチームで取り組むテーマの話し合いから、果ては口論し合う姿まで……全公開、おまけにコメンタリーも番組の構成にきちんと組み込まれている。そんな罵倒して平気!?と見てる側がハラハラしてしまうんですよ。みんなハッキリ物を言うんだけど、その度合いが。凄い。


とはいえ互いに憎んでいるかといえば、なんだかんだ最後はきちんと和解して互いに認め合う。だって結局、彼女たちもまた世間からは冷たい目をむけられることもあるだろうし。根本では「同じ批難」を経験してるだろうし。それを考えると、最後はなんとか折り合いをつけて協力していっちゃうんですよね。いがみ合ってても、いけすかなくても、どこかに同じ世界に属しているという意識が彼女らを「ファミリー」あるいは「シスター」足らしめてるのかなぁと思います。


見ているうちに分かるんですけど、この番組ってめちゃめちゃ少年漫画の読後感と同じものを得られるんですよ。みんなそれぞれが主人公で、友情・努力・勝利の要素が完全に織り込まれているので。面白くない訳がない。

各々が過去のトラウマであったり心に引っ掛かっている場面を吐露することなんかもあります。云わずもがな、それは彼女たちがゲイであることや女装で自己表現をすることによって生まれる軋轢がほとんど。(なのでこれらに嫌悪を感じる方にはマジでおすすめできない)

とはいえ、誰の人生にだって「認められたい」とか「好かれたい」とか「分かってもらいたい」って思うことは死ぬほどあるじゃないですか。例えその行動は分からなくても、気持ちは良く分かる。だから、たくさんの人に面白いと支持される番組なんだろうと思います。誰もがつまずく石ころを蹴飛ばして、きらびやかに返り咲く様を見ていてつまらん訳はない。


という訳で、長々と書いてしまいましたが。Netflixを持て余してる諸兄がおられましたら、きっと人生がちょっとだけ面白くなる「ル・ポールのドラァグレース」をぜひ見てみるといいよということが書きたかったのでした。

ちなみに日本版Netflixで見れるのはシーズン6以降。それ以外は版元で配信もされているけど……あわよくば字幕で見たいなぁ。日本でももっと流行して、全シーズン公開されたらなと密かに願っています。(ただし字幕のクオリティはちょっと微妙かなと思わなくもない)


これはクソ蛇足なんですが、シーズン5に参加したアリッサ・エドワーズというクイーンが大好きなんですよね。最高。そんな彼女が主人公のNetflixオリジナルドキュメンタリー、「ダンシング・ドラァグクイーン(邦題)」もぜひ。語彙力がなくなるほど素敵でしたのでおすすめ。(ドラァグに抵抗がなければ、他にもいろんなドラァグ関係作品が展開されている。Netflixは偉大だわ……)

以上です。

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