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sheaffer | Targa (#1)

みなさんいかがお過ごしでしょうか。てるぺんです。今回はシェーファータルガの紹介をします。自分が万年筆好きとして本格的にのめり込む要因になった1本です。万年筆収集という趣味が自分の人生を変えたという点を考えれば、人生を代表する万年筆といえるかもしれません。今回はそんな万年筆について紹介します。書き連ねていたら長くなってしまったので前後編に分けて投稿することにしました。最後までお付き合い下さい。

シェーファー社の概要

シェーファー社はロナウド・レーガン氏などの歴代のアメリカ大統領や、吉田茂氏がサンフランシスコ講和条約で使用したことでも知られているアメリカの老舗筆記具メーカーです。日本のセーラー万年筆と業務提携をしていた時期もあり、まさにアメリカを代表する筆記具メーカーでした。1912年、アメリカの宝石商であったウォルター・A・シェーファー氏が創業。世界恐慌や第二次世界大戦といった混乱の時代を生き残り、戦前戦後を通して万年筆の普及と発展に貢献しました。1970年ごろには最盛期を迎え、パーカーやモンブランなどとともに万年筆業界をけん引しますが、1980年ごろからシェーファーの成長に翳りが見え始めます。1976年には今回紹介するタルガなどを発売し、健闘こそしていたものの、1997年、BIC社に買収されたことにより、大部分のモデルが廃番となります。2014年のクロス社の買収を経て、現在はインドの会社であるウィリアムペンPvt.Ltdの子会社という形に落ち着いています。

シェーファーの万年筆たち。

ホワイトドット

シェーファー社の特徴の一つにホワイトドットというクリップ部の装飾があります。ホワイトドットは戦前の1924年に初採用、その後はほとんどのモデル(PFM1など一部無搭載モデルあり)で採用され、万年筆黄金期に他のメーカーとの差別化を図るといった意味で大変役に立ったといわれています。ホワイトドットには高品質の証という意味、シェーファー社としても品質にかなり自信があったということが伺えます。

タルガについて

タルガはモントリオール五輪が開催された1976年に発売され、シェーファー製の有名な万年筆としてはかなり後期のモデルになっています。タルガはシチリア島のパレルモという所で行われていたオープンロード耐久レースであるTargaFlorioにちなんで名付けられたと言われています。また、Targaにはイタリア語で盾という意味があるそうです。タルガには数えきれない程種類があり、軸の素材も当時の定番である金張から、スターリングシルバー、ステンレス、真鍮、クローム、漆、ブライヤー、変わったものでは革巻きなど多種多様な素材が用意されていました。

自分のものはスターリングシルバー軸

軸の種類が大変多いため国内外問わず、コレクターが多いモデルとなっているのも頷けます。ニブはシェーファー万年筆に多く採用されたインレイニブ。14kとステンレス、限定で18kが用意され、軸径の同じモデルは当然ながら互換性があり、もしプラスチック部分が割れてしまった際などに交換が可能となっています。安いモデルでは5,000円程度から購入できるタルガは比較的補修のためのパーツ取りもしやすく、整備が容易であることなども人気の理由となっているでしょう。

後編に続く…

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