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kaweco | v16

皆さんどうもこんにちは、てるぺんです。今回は久しぶりに筆記具の紹介をします。紹介するのはオールドカヴェコのv16という万年筆です。とても小さい軸なのに吸入式という面白さのある万年筆です。それでは今回もよろしくお願いします。

概要

1883年にドイツのハイデルベルグで産声をあげたカヴェコ。つけペン工場として創業しますが、当時はカヴェコという社名ではありませんでした。改名のきっかけになったのは1889年、ビジネスマンのハインリッヒ・コッホとルドルフ・ウェーバーが生産を引き継ぎ、ハントシュースハイムという町に移転したときでした。コッホとウェーバー、この2人の頭文字をそれぞれとって、カヴェコという社名になりました。その後、1976年に経済的に困窮していたカヴェコ社は廃業。一旦はその歴史に終止符を打つことになりますが、1994年、カヴェコ製万年筆に惹かれたマイケル・ガットバーレット氏が新たにカヴェコを自社の商標として登録、これによりカヴェコ社の第二の人生が幕を開けることになり、今日まで続くカヴェコ社として復活しました。今回紹介するv16は1972年のオリンピックミュンヘン大会で公式筆記具として採用されたという歴史を持っています。v16には現在まで続くシリーズ名にもなっているスポーツという愛称がありますが、オリンピックの際、選手でも携帯しやすいサイズということから、この愛称がつきました。また、驚きなのが全長11cmというサイズでありながら吸入式であるということです。

最近はセーラー万年筆からショート軸用のコンバーターが販売されていますが、50年以上前にここまで精巧な万年筆が販売されていたのが驚きです。ドイツ製品がいかに高品質、高精度かを伺うことができます。ニブは14Cのものを搭載しており、コンパクトながら高性能となっています。(フィルムカメラで例えるとすればRollei 35といった感じでしょうか。)

セット品について

v16にはセットで販売されていた619というボールペンがあります。デザインはv16に類似しており、統一感があります。

しかし、万年筆は持ち運び時には短いながらも、キャップをつけると軸が長くなり、使いやすくなるのに対して、619は軸が伸びず短い状態のため、あまり使いやすいとは言えません。

リフィルも特殊なアウロラのテッシーなどで使われているタイプ(俗にいうテッシー芯)であり、使いにくいため、自分はばねでボディーに負荷がかからないように、リフィルとばねを抜いています。またこれらを入れるための革ケースも付属しており、カヴェコ社としてもかなり力を入れていたということが分かります。

純正革ケースも優秀で、口が開いている状態でも落ちないように工夫がされており、万年筆もさることながら革ケースにもモノづくりに対する情熱が感じられる一品になっています。

実際に使ってみて

実際に使ってみると、日本のエリートなどに比べても、かなり小さくて軽いため万年筆を使っているという充実感などは残念ながらあまり感じられないです。

一方で、筆記具としてはかなり優秀でつくりは非常にしっかりしているのはもちろん、軽く取り回しがしやすいので軽いペンが好きな人に向いてるのではないかなと思います。ニブも硬いため現代のボールペン、さながら手帳用ボールペンのような感じで使うことができます。軸にはモンブラン製品によく使われているプレシャスレジンのような樹脂が使用されているため、見た目の高級感はかなりあると言っていいでしょう。構造上壊れやすそうではあり、重く質実剛健といったような万年筆が好きな自分には合いませんでしたが、軽くてマイナーな高級万年筆を探している方にはお勧めできる万年筆と言えます。

最後に

今回はカヴェコのショート軸万年筆、v16を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。久しぶりに筆記具の記事を書いたので違和感ある箇所があったかもしれませんがお許しください。さて、次回は自分が万年筆にハマるきっかけとなったシェーファーの万年筆を社史を交えて紹介します。ご期待ください。今後しばらくは検定受験のため、休止することになりますが、5/1には再開できるよう、頑張ります。今回はここらへんで終わりにしたいと思います。長い文、拙い文にも関わらず、最期まで読んでいただき有難うございました。

撮影機材

Canon EOS 80D

Minolta W.MC Rokkor 28mm

参考資料


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