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『CMO Path 2019』レポート〜CMO置くだけで4.7%増収効果!?〜

2019年7月24日16:00-18:00渋谷ソラスタコンファレンスにて、株式会社CINC主催の『CMO Path 2019』に参加させていただけたので、その振り返りをしたいと思います。株式会社CINCさんは、オウンドメディア「MarketingNative」でも有名でもあります。

https://marketingnative.jp/

『CMO Path 2019』の概要

テーマは、「CMOになるために必要な資質、キャリアパスとは」というもので「2つのテーマのセッションを設け、次世代CMOを目指す人や、マーケターとして次なる一歩を踏み出そうとしている人が、キャリア形成について考えるための機会といたします。」というのが趣旨でした。


「そもそも、CMOとはなんぞや?」というのを調べてみたら面白かったので紹介します。

CMOとは、Chief Marketing Officer、最高マーケティング責任者のこと

「マーケティングに関わる要素を横断的に見ること」「その上で組織全体の未来ビジョンを描けること」というのが、大きな役割だと認識しています。つまり、マーケティング全般と付随して関わる領域を統括するゼネラリストであり、未来ビジョン・ブランドを描ける人材ということです。

(『ビジネスモデル革新について 』- 経済産業省)

日本においては、CMO設置率がアメリカと比べてかなり低い水準にあることが指摘されています。この要因としては、日本では企業よりもブランド製品の方が強いことがあり、マーケティングという横断的な部門に対しセクショナリズム(なわばり根性)が働きやすいことがひとつ挙げられていました。

ただ、CMOを設置している企業とそうでない企業には有意な差があるということも論文で発表されていました。(日本マーケティング学会『日本型CMOの現状と展望』)そのレポートによると、

・日本の上場企業において,広義の CMO(マーケティング担当役員,マーケティング部長,マーケティング本部長)を設置している企業は 11.3%であり,狭義のCMO(役員レベルのみ)では,7.9%である。
・業種別にみて,CMO を設置していない業種が設置している業種よりも倍近く多い。
・CMO 設置あり企業は,設置なし企業よりも企業規模が大きい傾向がある。
・CMO 設置あり・なしは,企業の 2 年間売上伸張率に正の影響があり,CMO 設置は 4.7%の売上増収効果をもっている。
企業規模が小さな企業ほど,CMO 設置あり条件が売上変化率により大きな影響を与えている。

ということが、分析されていました。CMO 設置は 4.7%の売上増収効果がある・企業規模が小さな企業ほど効果が大きい、というのは面白い結果ですね。

長くなりました。。イベントの振り返りに戻ります。

セッションⅠ『企業の成長を加速させるCMOの重要性』

平尾さん

・メディア事業は大きく、「集客力」「その上で人をどう動かすか(コンバージョン)」の2つに分解できる→この後者、コンバージョンを科学するのがマーケティングの本質にある。コストセンターではなくプロフィットセンターとしてのマーケティングは、PMFを含めリクルート時代に学んだ。じげんは、「グロースさせるマーケティングカンパニーを創る」ことが原点にある。

・PL責任を負うマーケター、経営者目線を持ち、自身が企業価値をいかに上げたかという指標で語れる人材を育成している(縦と横の責任を負う、ゼネラリストを育てている)。→6年くらいやると実際に数十億円の事業部門長になれる(実際例として)→育成は、研修より事例、OJTで、実践的な痛み、データ量が膨大にある中で、失敗成功体験を積むことが成長の一番のドライバーになる。

川鍋さん

・経営そのものがマーケティング。顧客創造がスタート(本当の意味での顧客理解が大事で、セオリーや数値化できるものに従属されてはいけない)→計測されていないところへの感度、ゼロからデザインできるマーケティング。泥臭く調査できる人材であることが大事。

・CMOとCOOの違いは、事業開発意識の違い


セッションⅡ「最前線で活躍するマーケターに学ぶCMOに必要なキャリアパス」

前半に、山口さんから「マーケティング組織図×マーケターとしてのキャリアステージ」の説明があった。登壇者のキャリアもこのフレームワークに当てはめて説明されていた。前提の共有が上手で、ファシリテーターとしてもとてもお手本となる方でした。マーケティング組織が各ブランドを頂点に、4Pに基づいてセグメントが切られているのがわかります。

藤原さん

・ジュエリー 営業部→手を挙げてEC(新しいことをやりたかった)→オンライン全体(市場が伸びたのもあり)→マーケティング統括(10年目の部長の時に全てを見れないと成果が出ないという実感から、全てやらせてくれと申し出た)。最初はシステム管理で、そこから広告、オンラインオフライン統合まで)→人と違うものを出す・考えることで社内での差別化を図っていた。その上で、自分のやりたいことをやり通す覚悟(やれと言われる前に、やってしまう。言われてからやるのは疲れるから)。

リュウさん

・p&Gでアシスタントブランドマネージャー(誰もやりたがらないブランドの部署に配属され、割り当てられたリソースも少ない中で、ステージ1が4の仕事をやる(アシスタントの立場で、ブランドのPLの責任をとる)。そこで、自分でやるのではなく社内を巻き込んでいかに行うか、いかに失敗し各上司にどんな話をすれば刺さるか科学したのが成功要因だった。→ブランドマネージャー/カテゴリーマネージャ ECの立ち上げ 勝手に仕事をとり結果を出した→カウントリーヘッド(31歳、台湾、J&J)入った当初はオールドファッションなマーケティングしかしていなかったから、デジタルマーケを任された→金融フィンテックのCMOにチャレンジ→これまでのキャリアで印象的だったことは、「上司に言われたことを全て遂行し活躍していると自負していたが、B評価しか出してくれなかった。なぜかと聴くと、“結果が出てないから”B評価までしかあげれない」と、上司に新卒2年目に言われた時だった。

佐藤さん

・バリュークリックジャパン(ライブドア事件で問題になった) 起業とIPO→トランスコスモスに売却とCMOになった、 BtoBのCMOになった(競合が居ない)→CMOになるには、起業しろ。CFPLも見る必要がある。失敗しても評価される社会。→やったことないCXOを作れ、もともとあるポジションはリプレイスの戦いになる。課長クラスでもCXOになれる
・「自分に価値をつけろ、タイトル(肩書き)に生きるな」「起業はマックのバイトより楽」


振り返ってみて

「1時間じゃ、、足りない、もっと聴かせて欲しかった!」というのが本音でした。笑

ただ、CMOとしてのあり方というのが今日1日でだいぶ具体像を帯びて捉えることができるようになりました。マーケターは、スキルドリブンではなく結果ドリブンでいかに行動を起せるか。その結果あるいはビジョンのために、いかに他部署を巻き込んで近づけるか、という視点でデザインできるそんな人物像が見えてきました。そのために、自身の関心領域や定式化領域に囚われず、広くアンテナを張ることは今後も続けたいと思いましたし、入社後には「多部署の人と月に何回ランチに行ったか」を自身のCMOpathKPIとして設定するっていうのはどうかな、と思ったりもしました。平尾さんがこのことを聞くと、「え、それどんな結果を見込んでその指標にしたの、ランチだけじゃPV数と同じで(リード獲得)、コンバージョンを反映した指標になってないでしょ」なんて言われそうですが、、、笑


最後に、今回のイベントをまとめていてくれていた方がいらっしゃったので、紹介しておきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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