ゾゾロゴこめんと

ZOZOのマーケティングトレース①概要と事業モデルと、EC業界の解説

初#マーケティングトレース になります!

株式会社ZOZOのマーケティングトレースをしてみました。

私が同社を知ったのは、水玉模様のライダースーツ...もとい、採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」を着たユーザー画像がTwitterを回ってきた頃からでした。

トレンドを見ると、2011年のZOZOTOWNアプリのリリース時と2012年の上場時、2018年のプライベートブランド 「ZOZO(ゾゾ)」を販売開始時に話題になっているみたいですね。今回は、そんなZOZOについて取り上げていきます。

株式会社ZOZOの概要

創業は1985年。2007年に東京証券取引所マザーズ市場に上場。2012年には東京証券取引所市場第一部に上場し、2018年10月に株式会社スタートトゥデイから現在の「株式会社ZOZO」に改名。

『代表の前澤友作がバンド活動のかたわらで始めた、輸入レコード・CDのカタログ販売をきっかけに事業が始まる。2000年にインターネット通販に切り替え、アパレル販売を中心に会社は成長。2019年3月期の商品取扱高は3,231億円、年間購入者数は813万人となっている。

ブランド名「ZOZOTOWN」の由来「創造(ローマ字表記: souzou)」と「想像(souzou)」のふたつの「zo」』(Wikipediaより引用)

ZOZOの事業について

5つの事業部に分かれています。ただ、売上1184億円のうちZOZOTOWN事業が96.3%を占めています。

ZOZOTOWN事業は、さらに3つの部門に分かれており、

「受託ショップ」部門は、ZOZOTOWN内にテナント形式で出店する各ブランドの商品を当社の物流拠点で受託在庫として預かり、受託販売を行う事業形態。ZOZOTOWNで決済された商品代金のうち、各ショップから当社に対して支払われる受託販売手数料相当額が売上高となります。
「買取ショップ」部門は、複数のブランドから商品を仕入れ、自社在庫を持ちながらZOZOTOWN内の当社運営ショップで販売する事業形態。ZOZOTOWNで決済された商品代金が売上高となります。
「ZOZOUSED」部門は、個人ユーザー等から中古ファッション商材を買取り、自社在庫を持ちながら、ZOZOTOWN内のショップ(当社子会社である株式会社ZOZOUSEDが運営)で販売する事業形態。ZOZOUSEDで決済された商品代金が売上高となります。

...「受託ショップってなんぞや?」というと、商品の販売に関わる全てをZOZOが代行してくれるサービス、と考えていただければと思います。つまり、出品者としては商品開発だけに専念でき、売ることと商品を送ることはZOZOに任せ考えなくて済むのです。そして、この受託ショップ部門での収益が、株式会社ZOZOの全体売上を作っているといっても過言ではないです。

EC業界について

ZOZOからすこし話がそれますが、

一般的にEC(ネットショップ)事業というのは、大きく2つに分かれます。

1つは、ショッピングモール型でAmazon、楽天、Yahoo ショッピング、ZOZOはこちらに分類されます。これらのショッピングモール型は、ネット上での集客力があるので、「商品できた!これから売っていくぞ!」という無名の出店者であっても、はじめからある程度認知を得ることができます。例えるなら、銀座にまったく無名のタピオカジュース店を立てても、“銀座”という場所の集客力で、人がたくさん店の前を往き交い認知がとれますよね。

ネット上で出品ができる(ネット上に自分の店を持てる)、ということは4社共通ですが、受け持つ業務内容によって2つに分類することができます。

フルフィルメントタイプ:テナント出店+物流業務代行。入荷注文が入ってから荷物を届けるまで、の物流業務も受け持つECサイト。具体的には、「検品」・「棚要れ、商品保管」・「コール業務、受注処理」・「ピッキング」・「検品」・「梱包」・「発送」までの物流を受け持つ。ZOZOはブランド(出店元)の代わりに委託販売をするため、物流だけでなくさらに商品の撮影や問い合わせ、販促も基本的にZOZOが行なっています。

2社の金額的な面を比較してみます。

Amazonは、月間登録料(大口のみ4800円)+販売手数料(商品カテゴリによるが15%)+カテゴリー成約料(成約個数ごとに約140円)

ZOZOは、明確な数値は公表していないのですが、商品取扱高と受託ショップの売上から受託手数料率を求めると、2966億÷826億=0.27869...つまり約28%がテイクレートであると言えます。出品者は、商品開発のみに専念できるものの、売上の3割近くはZOZOに支払っていることになります。また、ZOZOとしては販売の委託をされているだけで在庫を売り切る必要がなく、上手く在庫リスクも回避したモデルで高収益を挙げていると言えます。

テナント出店のみタイプ:楽天やYahoo ショッピングはこちらに該当します。例えば、楽天ではネット上でのテナント出店のみ、を受け持つのでブランド自身(出品者自身)で商品画像を用意しなければならなかったり、出店者が自ら販促・納品・発送しなければないけません。

楽天は、ページビュー数は34億PVと抜群の集客力を持ち、かつ出店者にECコンサルタントがつきフォロー体制が厚いのが魅力的です。しかし、業界の中でも料金は比較的高額で、初期費用6万円+がんばれ!プラン19500円(最安プラン)+売上手数料3.5~7.0%+ポイント・アフィリエイト費用1%(ユーザー側に付与されるポイントは、出店者負担です)というようになっています。

一方Yahoo ショッピングは、初期費用も月額費用も無料で出店できます。費用としては、成約ごとにポイント2.5%+アフィリエイト分の1%と合計で3.5%になります。ただ、その分出店数が数多く集客力はあっても競争が激しいのが実情です。また、Yahooショッピングには「PRオプション」というものが存在し、これは「成果報酬で自分が設定した料率を支払うと、検索結果の上位に上がりやすくなる」ものです。出店者は商品別または全商品に対して、0.1%刻みで1~15%の料率を設定できます。

2つめは、自社サイト型(ASP(Application Service Provider))でBASE、STORES.jp、カラーミーショップなどがこちらに該当します。メールアドレス・パスワード・販売アイテム写真を用意すれば、すぐにストア開設ができますが、オンライン上での集客力は自前で築かなければなりません。ただ、月額1万円以下、決済手数料も5%ほどとなっています。以下に挙げさせていただいたサイトで比較されているので参考にしてみてください。


ちなみに、集客力という点で比べてみるとアマゾンと楽天の2強状態であるのがわかります。利用者数なので的確な比較はできませんが、ZOZOは年間購入者が812万人であるのが公表されています。


ZOZOTOWNの事業まとめ

ZOZOTOWN事業を図解すると、以上のようになります。そして、ここまでのことをまとめると、

・売上の96%以上をZOZOTOWN事業が占める
・ZOZOTOWN事業は、ネットテナント出店+販促+物流業務を手がけている。その分、受託販売手数料が3割と高額になっている。


それでは次から、財務分析・マーケティングトレースをしてみます。


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