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#74 手まり「音の鳴る土台」作り方

#手まりの作り方 #手まりの土台作り #音の鳴る土台



振ると音がする土台


古い手まりを振ると、カラカラ音の出るものがあります。
今回は音の鳴る土台の解説をします。


古い時代、中に入れる物のいくつかは決まっていました。
天蚕(野生の蚕、ヤママユガ)の繭に、
いくつかの木の実や穀物の種などを入れたそうです。
残念ながら、私はこれ以上の情報を聞くことが出来ませんでした。


今、木の実の種類を知っている方がどれだけ居るのか?
まったく不明です。
木の実の種類も決まっていたと聞いたことがあるのですが
もっと詳しく聞くことが出来ず、非常に残念です。


またある方から教えていただいたお話では
姫様が他界する前に、親しかった人に手まりを贈ります。
自分がこの世を去ったとき、その手まりを埋めてほしいと伝えます。
そして、手まりを埋めると植物が芽吹き、姫様を偲ぶそうです。


このお話も、手まりを贈られた方からお聞きしましたが
彼女が植物に詳しくなかったので、
どのような物が生えたのかは不明です。


祖母が作っていた手まり


祖母が作った手まりの中にも、音が出る物があります。
祖母は王冠(瓶の蓋で、金属製の物)を2つ合わせて
中にボタン等を入れて、音を出す仕掛けを作っていました。


古いテキストなどでは、身の回りの物
ペットボトルの蓋や、その他の小さなケース類
これらを使うように書かれた物もあります。


その中で、紙箱の中に鈴を入れるように書かれた物もあります。
しかし、その方法では、音は出ますが鈴らしい音が消えます。
母はこの方法を試し、いい音が出なかったので
プラスチックのカプセルに、
ボタンやクリップを入れる方法に変えました。


私は今の鈴入りの手まりを作る前は
小さな小瓶にプラスチックビーズを入れていました。
この時の音は、波の音が出ました。


オルゴール入りの手まり


昭和の一時期(昭和50年ぐらい?)
オルゴール入りの手まりが作られたそうです。
専用の土台を購入し、
その上にリリアンなどで模様を作ったようです。


私は手まりのテキストの記述から、
そのような土台があることを知りましたが、
実物を見たことはありません。


なぜなら、手に取って模様の糸の感じなどを楽しむものであり
オルゴール入りとなると飾り物になります。
また球体の中に、音の鳴る仕掛けを入れるために
音の出方が変わるのです。


オルゴールの音がどのように変化するのか?
オルゴールらしい音が消えてしまうのでは?
そのように感じたために、当時、
私も母も関心がなかったのです。


今思えば、ほんの一時の物だった故に
後学のために見ておけばよかったと、少し残念に思っています。


鈴の音色のする手まり


今回、私が解説する方法になります。
これは全くの偶然で、手法を知ることが出来ました。


知り合いと話をしていましたら、その方の知り合いが、
鈴の音色のする手まりを、昔入手したそうです。
音の出る方法を知りたくて、壊してみたそうです。


紙箱の中から鈴が出て来たとのこと。
しかし、ただ紙箱に鈴を入れたのでは
鈴の音色は出ません。


箱の中心に鈴が固定するように
糸で止めてあったというのです。
その方法であれば、鈴らしい音色を出すことは可能です。
私は早速、試してみました。


音の確認方法


手まりを作るのに、土台の作り方や材料は
いくつかの方法があります。
私はもみ殻をビニール袋に入れて
糸を巻いて成形します。


つまり、音の出る仕掛けを作り
手まりの中に入れたとき、
製法上の問題で音が変わってしまうのです。


どのような音になるかは、仕掛けを作った後
バスタオルなどで包み、それを振ってみると
おおむね似たような音が再現できます。


しかし、成形している最中に周囲から圧力が加わるので
箱がひしゃげたりして、音が変わる場合も多いです。
木箱なども使用しましたが、鈴の大きさに対して
糸の遊びをどうするのか?
音色がどう変化するのか?
このような事を考えていくと、理想の音を出すには
やはりまだ経験が足りないと感じています。

普通の土台を作る方法は以下で解説しています。



土台のサイズ


音の仕掛けを作る都合上、
あまり小さい作品には不向きです。


母や祖母は直径10cmくらいの物から
音の出る仕掛けを入れていました。
私は2022年からプラ鈴を入れています。

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読んでいただきありがとうございます。 アトリエを無事引っ越すことが出来ましたが、什器等まだまだ必要です。 その為の諸費用にあてさせていただきます。