Trivial or grave?

Toastmasters にはいろんな資料があります。クラブが関係するものだけを考えても、Club Constitution、Addendum of Standard Club Options、Club Leadership Handbook、Club Success Plan、Speech Contest Rulebookなど、色々あります。それ以外にもミーティングのロールの効果的な担当の仕方をまとめた文書だとかクラブの運営のいろいろな側面(ミーティングの質の維持・向上のためのもの、会員獲得のためのもの、意思決定のプロセスに関するもの、会計に関するもの、など)を効率的・効果的に行うためのマニュアル的な文書だとか。

僕は、こうした文書はとても大事だと思っています。ま、実際に毎回のミーティングはこんなことを守らなくたって行えるんです。だから、trivial ととらえることもできます。でも、僕はこれって grave なことだと思っています。

話が抽象的過ぎて分からんですね(笑)。

すんごく細かい例を挙げると、いろんなものの名称なんかそうです。この記事で少し触れましたが、クラブの運営の中心になる役員を選ぶ過程で、会長が任命した Club Leadership Committee という組織が次期の役員候補を推薦することになっています。ただ、少なくとも僕の知っている関西のクラブの多くではこの委員会のことを Nominating Committee と称していると思います。ま、この委員会のことを他のクラブの人と話題にする機会なんて早々多くはないんですけど、その限られた経験で相手から Club Leadership Committee という名称を聞いたことはありませんでした。僕が Club Leadership Handbook や Club Constitution を読んで間違いに気づいて正しい名称を使い始めるまでは。

他にも、クラブ役員が集まってクラブ運営について話す会議(いわば国の閣議に当たるようなものですね。クラブの会員全員で最終決定する business meeting は国会に当たるでしょう。)のことも、ほとんどのクラブで Officers' meeting と呼んでいると思います。でも、Club Leadership Handbook や Club Constitution では Club Executive Committee meeting と規定されています。

Club Leadership Committee は次期のリーダーたちを推薦する委員会だし、役員会はクラブ運営を execute する人たちの会だし、それぞれの名称にはそれなりにそう名付けられた理由があると思うんですよね。

なのに、だれがいつ言い出したのかは分からないけど、nominating committee とか officers' meeting とか、勝手な名前で呼ぶのってどうなの?なんて思います。

もう少し本質的な例を出しましょう(最初から出しとけよ(笑))

おそらく多くのクラブでは、クラブには Club Executive Committee を含めて5つの常設委員会を置くことになっていることを認識していないんじゃないかと思うんですよね。(参考までに残りの4つは、Club Education Committee、Club Membership Committee、Club Public Relations Committee、Club Social and Reception Committte です。それぞれ、Vice President Education、Vice President Membership、Vice President Public Relations、Sergeant-at-Armsが議長を務めることになっています。)

でも、教育、会員、広報、そして会場関係の実務を役員1人だけが背負うのではなく、一般の会員も参加してもっと多くの人を巻き込んで行うことが Club Constitution に規定されているわけですよ。これ、単に名前をどうするかってことじゃなくて、運営の本質にかかわることです。クラブは役員だけが運営をするのではなくて、彼らを中心として一般の会員も committee member として関与した形で全員で運営されるべきもの。それが、民間企業が提供している話し方教室なんかとは性質を異にする Toastmasters の Toastmasters たるゆえんでしょ。自分たちのクラブをみんなで力を合わせて運営していく。その中でメンバー間で役割の依頼をしたりされたり、ある部分ではリーダー役になって別の分野ではフォロワーになって実践を通してリーダーシップの経験を積んでスキルを磨いていく。

Toastmastersってだてに100年近くも存続してないと思うんですよ(創設されたのは1924年)。各クラブが毎年違う役員(ま、役割を変えて役員にとどまり続けている人も当然いますけど)が運営の中心を担うような脆弱な運営体制でもこれだけの長い間にわたって存続し続けているということは、いろんな文書で規定されている仕組みというものがとてもよく考えられているからに他ならないと思うわけですよ。そのいわば先人の知恵ともいうべき文書や資料を無視して(というか存在すら知らずに)いい加減に運営していちゃ、会員が減ってクラブの勢いが落ちても全然不思議じゃない。

ま、名称自体は trivial かもしれないけど、その名称の裏に込められた意図、正式な文書や資料に記されている内容は grave やと思います。非常に重大。

Let’s do it the right way.

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