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競技から自己実現、コミュニティの課題解決まで──てんぷらがスマブラ平日大会「スマパ!」を開く目的

こんにちは、てんぷらです。
前回投稿から二ヶ月開いちゃった、、、

普段は『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の平日ユーザー大会「Weekly Smash Party〜スマパ!〜(以下 スマパ)」を開いています。

簡単に大会の紹介を。
スマパとは、現在月2〜3回主に月曜日に32人のダブルエリミネーション大会をメインイベントとした、見学&フリー対戦者を含めた70〜80人によるスマブラSPの大会&フリー対戦会イベントです。
17時開場、19時トーナメント開始、23時完全撤収です。

募集・大会進行・配信等全ての運営は有志のスタッフで行われています。
設営や撤収を始めとして、スタッフ以外の参加者もたくさん協力して大会を作り上げています。
機材は主に会場RedBullGamingSphereTokyoから、その他は参加者とスタッフの持参で成り立っています。

実況・解説席の様子。
特に右のオムナオト氏は強豪ファルコ使いでありながら、スマパではほぼ毎回マイクを握り名実況・名解説を残していく実況・解説者としても志の高い男。筆者のクソリプを無視する。

さて、直近の「スマパ」を一緒に運営するはまちさんにこんなことを聞かれました。
「てんぷらさんがスマパを開く目的って何なんですか?」
これを機に自分の考えが言語化でき、多くの人に知ってもらおうと思い立ち、記事を書くに至りました。

はまちさんのnoteはこちら。熱い男です。
https://note.mu/giantskwlwton/n/na074c853d1e6

今回の記事では、一ユーザー、それもトッププレイヤーでもない私が「何の為に」大会を開くのかをお伝えします。

一点だけ但し書きを。ここでいう目的とはあくまでてんぷら個人の目的であって、スマパという複数の運営者からなる団体の目的・各運営者の目的・各参加者の目的とは分けられたものです。みんなで作るのがユーザー大会だからね 。

この記事のアウトラインです。
参加者、運営者、そしてスマブラコミュニティそれぞれに焦点を当ててお話しします。

・導入
・参加者にフォーカスする──「Smash Party」としてのスマパ
・運営者にフォーカスする──「手段」としてのスマパ
・スマブラコミュニティにフォーカスする──「課題を解決する場」としてのスマパ
・終わりに


参加者にフォーカスする──「Smash Party」としてのスマパ

都内には、スマパの他にも数多くのスマブラ平日大会・対戦会が存在します。
中でも最もトーナメントの規模が大きくレベルが高いのは「闘龍門 極」でしょう。
「モチモチモチモチべ」の至言で知られるトッププレイヤーの一人「takera」氏が自ら対戦の機会を求めて開催した「闘龍門」では、そのモチベと闘気に当てられたスマブラーが集い毎週ハイレベルな対戦を繰り広げています。

一方スマパはというと、私が一からスマパを開いたわけでは無いので、私が主催を引き継いだ時には既に出来上がっていた雰囲気がありました。
大会のレベルは高く緊張感がある一方で、広いくてクールな会場のお陰で幅広いプレイヤー層の対戦・交流の場としても使われているようでした。
参加者層は実際に広く、下は高校生から上は社会人10数年目まで、そして毎回1割程度の海外勢、時にスマブラコミュニティ以外からも参戦しています。

これを踏まえ、この「Smash Party」を開くに当たって大事にしていることがあります。
「Smash」、つまりスマブラの大会である以上、メインイベントの競技性は最上位勢が十分に実力試しをできるようなルールにしています。またもし負けてしまったり、トーナメントに参加していなくとも十分にフリー対戦をする機会を作っています。
「Party」、つまり交流や社交の場としても成り立つよう、スマパがスマブラ勢の1つの居場所となって欲しいという思いもあります。実際にそう機能しているかは分かりませんが……。普段大会でしか合わないような友人と会える場所。新しい友達と出会える場所。そうなっていれば嬉しいです。
以前、あるプレイヤーが「秘密の部活みたいだ」と言いました。なるほど、と思ったのを覚えています。

大会はたくさんあるので、集まるプレイヤー層や会場の雰囲気・設備でコミュニティにおける大会毎の役割も変わってきます。うまく役割分担してより多くの人が幸せになれるといいですねぇ

運営者にフォーカスする──「手段」としてのスマパ

運営者、つまりスタッフは参加者とは異なるコミットの仕方をします。
というのも、スタッフは大会当日に設営、受付、大会進行、撤収、配信等を行うのに加え、会場予約から募集フォームの準備、名札の準備やそのほか大会毎に出る反省点を議論しています。

また考慮すべき点として、スタッフは無償でで運営をしています。あっても交通費等必要経費の補填程度です。
前回のnoteで書いたのですが、私の理念として

「(大会運営で)割りを食う人間を作らない」

というものがあります。

【自己紹介】スマブラコミュニティを愛する男てんぷら
https://note.mu/tempra_chan/n/nebe97eedc8da

一部スタッフはスマブラもせず無償で働いている以上、スタッフに何か得るものや益となるもの、そして楽しさが無いとその運営は私の理念に反します。

そこで、私は現在10人程度いるスタッフ一人一人に「どうしてスマパスタッフやってるの?目的は?」と聞きました。
一時期は取り憑かれたように聞いて回ってたと思います。
これを読んでくれてるスマパスタッフは覚えがあるかも、、
スタッフになると優先的にトーナメントに参加できるのですが、それを目的としてスタッフをする人もいれば、イベントを回すのが好きでスタッフをする人、運営技術を学びたい人、プレイヤーに付加価値を付けたい人などその目的は様々でした。

各々の目的がわかると、主宰としても仕事が振りやすくなるのが利点でした。
各スタッフが「スマパを通じてやりたいこと」に沿った仕事を主宰がお願いし、スタッフがそれをすることで自己実現をし、その結果として大会が回る、という形を作れるので。

こういった形で、私個人として、各運営者の自己実現の「手段」としてスマパを使ってもらう構図を目指しています。

それにしても、まだまだ得るものに対してスタッフの負担は大きいんじゃないかと思ってるのですが……。よく付いてきてくれています。感謝。

スマブラコミュニティにフォーカスする──「課題を解決する場」としてのスマパ

最後に、スマブラコミュニティの中で平日週大会スマパが果たせる役割についてお話しします。

週大会の特徴として、他の大きな大会に無い一番大きいものは「頻度が高い」ことが挙げられます。
当たり前ですが。
人と人が顔を合わせる機会が多いので、その分大会のあり方が参加者に与える影響もそれなりにあるでしょう。
また、運営として色々な事を試すことができます。フィードバックを得るのも改善する機会も頻繁にあるので。

そんな週大会スマパが果たせる役割として、スマブラコミュニティが抱える課題解決のパイロット実験の場になることを真っ先に思い付きました。

パイロット実験とは、大規模な本実験を実施する前にその実験方法が効果的かを評価するために行う小規模な実験のことを指します。

例えば、700人近くの参加者を抱えるメジャー大会であるところのウメブラでまるっきり新しい仕組みを始めようとすれば、その変更は参加者の分だけ大きな影響を与えます。
一方スマパは多くて80人程度で、月に2〜3回開催しています。
失うものが少ないといえば言い過ぎですが、最低限大会として成り立たせながらスマパで新しいことを試し、大規模大会で運用するときのためのデータとすることはリスクリターンが合ってるんじゃないかな、と考えています。

スマブラコミュニティでは、日々日本各地で様々な問題が起こっています。
持ち込み機材のトラブル、無線爆弾の問題、実力差のある参加者がそれぞれに満足する方法とは、競技ルールは如何にすべきか……。
これらを解決するきっかけとして、何かスマパが参考となる例、あるいは反面教師を提示できればと考えています。

この考えは、私を含め数人のスマパスタッフがウメブラを始めとする他の関東のスマブラ大会を兼ねていたり、別タイトルの大会に通じていることから来ていると思われます。

また、こうして作られるものは運営側のルール・仕組みづくりに限りません。
スタッフ以外の参加者が頻繁に参加者同士・参加者スタッフ間で顔を合わせコミュニケーションを取ることで、スマブラ勢がより洗練され、大会の形も良くなって(運営が楽をできるようになって)いけば良いな、という思いもあります。
そういった意味で、「文化」を作ることが週大会の使命であるとも考えています。

とは言っても、参加者もスタッフもそれについて何か気張る必要はないんですけどね。
文化は自然にできていくものだと思うので。

ただ私がこんなことを書くまでもなく、参加者もスタッフも自主的かつ協力的に大会をより緊張感がありつつ楽しい場にしようと活躍しています。ほんとに人に恵まれています。いつも来てくれてありがとね

終わりに

ここまで読んでくださりありがとうございました。

プレイヤーと運営者どちらにも向けて書いたつもりだったんですが、最近プレイヤーとしての魂を失いかけているのでどうしても後者よりの記事になってしまいました。すみません

失いかけているとは言いましたが、最近自分がプレイヤーとしても動けるように周りの友人達が動いてくれたり、自分としてもトレモと熱帯はしているので近いうちにスマブラ始めます。だれかフリーやりましょう

まとめに入ります。
この記事で言いたいことを一言で表せば、「プレイヤーも運営も、『スマパ』をいいように使ってくれ」に尽きます。

スタッフには実際よく言っていますが、参加してくれるプレイヤーにも言いたいことです。
相当ヤバいことじゃなければ、人員と時間が許せば実現できると思います。
実際に、より多くの実力帯の参加者が満足できるような大会開催形式の案は運営内で上がっており、もう少し人がいれば実現できるような段階にありました。

最後に。
いつも来てくれてありがとう。
まだ来たことがないあなたは、来てね!
スマブラしようぜ〜


毎週違うスマパに気付いてるかな?

告知用Twitter: @WSPsmapa

[てんぷら 2019/03/08]

追伸
最近、もしドラ読みました。
本題は「もし野球部の女子マネージャーが『ドラッカー』のマネジメントを読んだら」です。
運営の参考になればと思って読んだのですが、めちゃ面白かったです。
組織としてやるべきことに名前がついて与えられ、やるべきことがはっきり見えてくる感がありました。
同時に、自分の運営方法はそこまで的外れじゃなかったかもしれない、と確認できて安心しました。
ライトノベル調なのでオタクなら一瞬で読めると思います。オススメ。
もしドラの「ドラ」の部分も読み始めました。面白いことあったら共有します!

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