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自分で靴を補修した話_わたしと銀の靴


わたしと靴

自問自答の活動と引越しの準備を重ねて、いろいろなものを片付けています。この一連の中で片付けたいもののひとつが、たくさん持っている靴。
靴好きな父を見て育った私は気がついた時にはすっかり靴好きで、大学生で初めてもらったアルバイトの給料はドクターマーチンのチェリーレッドの8ホールになったし、今の夫と付き合いだした初めてのプレゼントはアディダスオリジナルスのでっかいマークがついたスニーカーで、社会人になってからのボーナスはunited nudeやTOGAの靴に消えました。
「百足(むかで)になって、靴を百足(ひゃくそく)履けたらいいのに…」が口癖だった私。だけども転職して職場が変わって、子どもが生まれて、ライフスタイルが変わっていくにつれて、履く靴がだんだん固定されてきた。もちろん靴が好きなことに変わりはないし、コレクションとして大事にとっておきたい靴もある。もう惹かれないもの、傷んでしまってるものとはお別れしようかな、と整理を進める中でどうしても引っかかる一足。

Dr.Martens 2017AWコレクション

画像の真ん中にある、3ホールのドクターマーチンです。色形共にコーデに合わせやすく、一時期スタイリング最強だった一足。しかし自身の内股が災いしてつま先がボロボロ剥げてしまい、長らく戦線離脱させていたのでした…。このままでは履けない、持ってても仕方ない、でも、出来ることならまたこれを合わせてみたい。

わたしと銀の靴

そもそも私は、銀色の靴というものがずっと好きだったんですよ。
覚えている最初の一足はアディダスオリジナルス。シューレース以外に足首にベルトがあって、大学生活の中でクッタクタになるまで履き潰した。
次はtricot COMME des GARÇONSのストラップシューズ。つま先にメダリオン調の飾りが入っていて、何かのお祝いに百貨店で買ってもらった。これも擦り切れて輝きがなくなるまで、履いた。
社会人になってドハマリしていたunited nudeではlo res pumpのグレーシルバーを買った。これは今でもここぞというオケージョンシーンで引っ張り出して履く。ポリゴン調のモダンさと11cmヒールがどんなドレスも尖らせてくれて最高な一足。

そうやってカジュアルなものからモードなものまでシルバーの靴を履いていって、辿り着いたのが件の3ホールでした。
そして、ここでようやく気付くわけです。シルバーの靴、どんなに可愛くても大事にしても愛しくても、傷むペースがあまりに早い。
歩き方のクセが悪いとか、2〜3年履いたら潰れて当然とか、色々あると思います。それでも、自分の靴を可愛がって楽しむペースと、傷んでいってしまうペースがどうにも噛み合わないなぁと、この3ホールを最後にシルバーの靴からは遠のいていたのでした…。

どうせなら“補修”してみよう

そんな訳で話は冒頭に戻ります。結局この3ホールは「大好きだけどもう履いてない」ので、普通に考えたら手離していいはずです。でも、やっぱりなんか気になる。
もちろんプロに修理を相談したこともありました。ややこしい有名ブランド靴の修理実績をたくさん紹介していて、クチコミも高評価なお直し屋さん。それでも「シルバーはお断りしています」と返されて、諦めた。

で、手離す靴を片付けながら、思ったわけです。
ど〜〜〜せ捨てるなら、ダメで元々自分で補修してみたらいいんじゃないの?と。
それでどうにも見てらんないようなクオリティだったら潔く捨てよう。そうと決めたら準備をして、金曜の夜、娘の寝たあと玄関でせっせと作業しました。
玄関が狭くてすべての写真にベビーカーの影が入ってるのは御愛嬌ですスミマセン。

これが最初の状態
つま先以外は割と綺麗なのがまた惜しい
左も右も、シルバーが落ちて黒が露出してます

プロセスとしては以下の通り。トータル1時間もかからなかったです。
①靴の汚れやホコリを落とす
②マスキングをする
③薄い布や指で補修剤を塗る
③10分乾かし、薄いところに重ね塗り
④完全に乾いたら少し擦って馴染ませる

コバの上(というのか?)をしっかりマスキング
イエローステッチが汚れたらマーチン的に悲しいので…
補修剤はこれを買いました
Amazonで4日くらいで届いた
2度塗ったあと
マスキングを取った

仕上がり、うーん、どうでしょう。あと1シーズンは一緒に遊んでくれそうかな、という感じです。
正直もっと上手にできる方はたくさんいると思うし、自分でも「あっ、これゴールドも買っておいて調色したらよかったな?」と塗り出してから思った。あとは剥げたところの地の色が黒だったので、割とクリームから透けがち。ベージュだったら結構違うと思う。
それでも3ホール自体のボリューム感や形状で影になったりする場所なので、現物は写真よりもう少し気にならない仕上がりになってます。デパート行くのはちょっと気が引けるけど、職場や外遊びなら全然履いてくぞって感じ。
仕上がりのクオリティよりも、自分が好きだったものと向き合い「で、これからどうする?」ってもう一度考える時間的猶予を作ることが出来たのがよかったな。そういう意味で、やってみて良かった〜と思います。

この春もう一度3ホールと外に出て、わたしにはやっぱり銀の靴が必要なのか、そうじゃないのか、じっくりのんびり考えてみます。

おまけ
つま先以外に目がいくと良いかもと思って
リボンのシューレースを買ってきた

春はこれでコーデしてみようと思います🎀


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