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「未来を考えていまを生きていく②」とお知らせ

 「テンテン@白血病」を投稿していたものの妻です。

夫は2024年1月14日午後7時4分に息を引き取りました。34歳でした。

2度目の移植後、悲寛解状態とわかり、せめて残された日々を家で過ごすことを目標に、前向きにリハビリをしていました。

しかし、亡くなる5日前に昏睡状態となり、同日目を覚ましてからは記憶障害となり、肺炎が悪化し、亡くなりました。

記憶障害になった時は自身が白血病であることなど、ここ3年ほどの記憶がところどころなく…そんな中でも家族それぞれに感謝の言葉をたくさん伝えてくれました。

お通夜も葬儀もたくさんの方が訪れてくださりました。

葬儀では夫の友人とバイク屋さんがバイクを手配してくれ、お越しいただいた方を愛車が出迎えてくれていました。


夫がこのブログで伝えたかったことは

急性リンパ性白血病について

「今後治療される方やそのご家族などに役立ててもらえれば」といつも言っていました。

「治る人も増えているが、命を落とす人、治らない人がまだまだ多くいることを知ってほしい」と。

そして「自分という人間がいたことを忘れないでほしい」という想い。


入院中病院でお世話になった方々などにもお伝えしましたが、このブログを通して支え、励ましてくれた皆様。

夫の命をここまでつないでくれてありがとうございました。

夫がnoteに遺していた下書きを発見しましたので下記にて掲載します。


 前回の記事があまりにも文字数が増えてきてしまったので2つ目の記事に続きを書いていこうと思う。お手数でなければ前回の記事から読んでいただけると助かります笑 前回の記事の末尾に書いた『これまでの人生観のままでその100年を生き抜いていくのは難しくなる』と記したが、今回はその部分の説明と、その中で自分たちが考えるべき未来について記事を進めていきたい。
 これがどういうことなのか、できるだけ簡潔に説明してみようと思う。拙い文章になると思うので、わからなかったらぜひ同書を読んでもらいたい笑


↓↓↓前回の記事はこちら↓↓↓


▶これまでの人生を支えてきた『3ステージ』のライフサイクル

▷3ステージのライフサイクル

3ステージのライフサイクル

 これまでの多くの人の人生は大きく3つのライフステージに分けられる。『教育』『労働』『余暇』である。高校教育(人によっては大学等の高等教育)を経て企業に就職し、一般的にはその企業で定年を迎え、その後の人生を余暇として楽しみ最終的には死んでいく。これは日本の義務教育制度や企業の終身雇用制度、定年後の年金制度など、日本が築き上げた多くの良質な制度や、高度経済成長による企業の成長などをバックボーンにして根付いた文化だと思う。程度の差はあれど諸外国も似たようなライフサイクルの人が大多数を占めていると考えられる。

▷従来のライフサイクルの限界

 しかし令和も5年が経過したいま、そのライフサイクルにも限界が見えてきている。IT革命、AI技術などによって引き起こされた生活・労働スタイルの変化や、超高齢社会、少子化、平均寿命の増加などがその要因と考えられる。

 生活に目を向けると、自分が生まれた平成初期、主な連絡手段は固定電話、ポケベルだったりしていたそうだが、現代の若者はほぼ1人1台のスマートフォンにより見知った友人だけでなく、SNSを通じて世界中の人とシームレスに交流を図ることができる世界となった。紙の地図に線を引きコンパスで方位を確認していたバイク乗りも、スマホをバイクにくっつけておけばスマホナビが目的地まで最短の道を案内してくれる時代だ。
 労働に関しては戦後~高度経済成長期、国内では農林水産業などの一次産業や製造業が盛んであったが、インターネット技術の発達、普及が進むにつれ、ITを活用する通信業界、ならびにそれらを扱うサービス業の比率が一気に高まった。
 この急激な変化は恐らく人類史の中でもまれにみる速度で現在も進んでいる。昨今ではAI技術の台頭などにより、現在の人の仕事の50%が機械により代替可能であるという研究さえも見受けられる。

 加えて、世界でも日本で特に顕著であるといわれているのが超高齢化社会の進行である。これまでの日本人の老後の年金制度を支えていたのは増加を続ける労働人口とその労働によって生み出されたお金である。ところがいま、日本の高齢化率は約30%ともいわれ、その割合は年々増加し続けている。国内総人口が減少を始め、高齢化率が増加しているということは、単純に労働人口が減少してきているということである。
 そしてそこに被さってくるのが、少子化である。2022年の合計特殊出生率は1.26と世界でも最低水準であり、現時点でこの数値が改善される様子はまだ見られず、今後も低下を続ける可能性すら考えられる。
 つまり、これまでは多くの労働力で1人の老人を支えていた状態だったが、今後は少数の労働力で支えていく必要がある。状況によっては1人で複数人を支える可能性さえもあり得る。そうなってくれば日本の老後を支えていた年金制度は崩壊してしまう。すでにその兆候として年金の受給額は減額の一途を続けている。

 そしてそこに並行してもうひとつ問題を複雑化させているのが、平均寿命の増加である。3ステージのライフサイクルでは60歳(現在は65歳まで?)からは基本的に労働のステージを終え、年金やこれまでの貯蓄を消費する余暇のステージに入る。平均年齢が80歳の時代であれば余暇期間は約20年、潤沢な年金制度と退職金、40年間の終身雇用制度で貯めた資産を用いることで余暇を充実させることができていた。

 だが現在、年金受給額、企業からの退職金は減少し、現役世代の賃金も30年前とほぼ同水準と言われ、国内で30%以上を占める非正規雇用での賃金ともなれば、余暇に充てることのできる資産は確実に目減りしていく。そこに平均寿命の増加で余暇の期間が延びれば、『余生を楽しむ』と言えるような状態で生活ができるのかどうかも怪しい。実際に国内の相対的貧困率は高齢層になるほどに高まっており、70歳を超えても何かしらの仕事に就いている割合も20%弱となっている。(一点補足をすると、この割合が高いのは貧困だけが問題だけでなく、社会とのつながりを持っていたいといったポジティブ要素から労働に従事している場合も含まれている)

▷そもそも40年も『その仕事』が続けられる?

 そこに加えて考えなければならないのが、『今の仕事(就きたいと思う仕事)』をずっと続けていることができるのか?という点である。前述のとおりこの30余年で自分たちを取り巻く世界は大きく様変わりを続け、労働事情も同様に大きな転換期に差し掛かっている。

 例えばアナウンサーという仕事、記事を読み上げることがその主たる仕事であればAIによる音声読み上げサービスで代替が可能であり、現に活用しているメディアも少なくない。2023年9月にはAIキャラクターがアナウンサーを務める24時間365日ニュースを配信し続けるというサービスが始まった。AIであればこんな異常な労働時間でも問題なく、最初はイントネーションや読み間違い等が発生しようとも、膨大なデータを取り込む中で修正を進めていくことも可能である。

 もう少し身近な例をあげると、コンビニのレジ業務や品出し、銀行や公共機関の受付窓口などもAIによる代替が十分に可能であると思われる。コンビニのような店舗に至ってはAmazongoのように無人で営業する店舗すらすでに存在する。

 こういった時代の中、果たして5年後、10年後も今の仕事がそのまま続けられるのか、安易な断定はできないと思われる。そしてこれまでのライフサイクルに従って生きていく場合、この激動の時代を生き抜くための教育の期間はたった20年前後。そこで学んだことだけ(もちろん就職後も学ぶことは多いが)で長い人生を歩んでいくことができるのだろうか?

 そこで同書『LIFE SHIFT』が提案したものは『マルチステージ』でのライフサイクルである。

▶これからの未来を歩んでいくための『マルチステージ』のライフサイクル

マルチステージのライフサイクル

 マルチステージのライフサイクルとは、これまでの教育⇒労働⇒余暇という一連の流れではなく、そこに『転職』や『起業』、『学び直し(リスキリング)』『余暇』『副(複)業』など、これまでよりも多様なライフステージを生み出すことで、100年時代をより有意義に、充実した人生にしていくための考え方である。

▷マルチステージのライフサイクルの例

 例えば初めて就職した企業が自分の思うものと違えば転職という選択を、労働市場の変化により新たに需要が生まれた仕事を行うのであれば余暇をとり学び直しの時間を、会社を離れ新しく事業を起こすのであればその準備と人脈の形成・活用など、その時代、その時の自分の思う形で生き方を積極的に選んでいくことと言えるだろう。

 これは言うほどに単純なことではない。現代の日本では若者以外が改めて高等教育を受け直すというような風潮は珍しく、そういった人への支援制度もまだまだ充実していない。余暇をとるにしてもそれに見合う蓄えや、余暇の中でも収入を得るような活動も必要になるだろう。そもそも起業したところでビジネスとして成立せずに頓挫する可能性だってある。






 自分のように病気になり、『これからどう生きていけばいいのかな?』と悩まれたり、そういう状況でなくとも『なんとなく、ぼんやり』と自身の将来に不安を感じているような方がいらっしゃれば、ぜひ話を聞かせてもらいたい。具体的な不安の種が自分でもよくわからない、という方もいるとは思うが、ご心配なく。そういうときでも壁打ち役にでも使ってもらえればありがたい。
 何となく周りの人には相談しづらい、話せる人がいない。なんて時にもご気軽にご相談いただければと思います。