見出し画像

ライブ・レビュー 伊藤銀次・杉真理・鈴木雄大 2023.11.17 COTTON CLUB

10月に行ったBOXのライブでこのステージのことを知り行くことにした。もともとこの週は休暇を取る予定だったので2回公演のうち18時からの早い回のチケットを買ったのだが、仕事の都合で休暇がキャンセルになり、なんとか都合をつけてコットン・クラブに駆けつけた。職場が近くて助かった。

6月に伊藤銀次、杉真理、鈴木雄大の3人でのアコースティック・セットでのステージをやった続編ということで、今回はバンド・セットとなり、上原裕、岡沢茂に加え、若手の外崎銀河がバックを務める。

コットン・クラブという会場は初めてだが、六本木のビルボードと同じコンセプトのライブ・レストラン。正直居心地はあまりよくないが、1,500円近いギネスをちびちび飲みながら開演を待った。

ナイアガラ・トライアングルを意識し、山下達郎や佐野元春、大滝詠一の曲も披露しながら、短い時間のなかに最大限曲を詰めこんで、そのうえそれなりのMCもぶっ込む忙しいライブとなったが聴く側としてはありがたかった。銀次は『トワイライト・シンフォニー』『Baby Blue』と代表曲をしっかり演奏したうえ大滝詠一の『スピーチ・バルーン』を披露、杉真理は『いとしのテラ』に加えて「NIAGARA TRIANGLE Vol.2」から『Nobody』をやってくれたのがうれしかったし、杉真理の歌う『Bye Bye C-Boy』もいいもの聴いた感があった。

本編の締めは村田和人の『一本の音楽』。銀次と鈴木のツイン・リードがキマっていた。この日は銀次もがんばってリード・ギターを弾いていたのが印象的だった。優れた音楽の息の長い通用力とでもいったものをあらためて確かめることのできたステージで、上原、岡沢のリズム隊ががっちりボトムラインを支えたおかげで安心して聴くことができたし、外崎のキーボードも一番聴きたいところをきちんと押さえた演奏で好感が持てた。

欲をいえば、アンコールの『DOWN TOWN』と『A面で恋をして』は正直もういいと思った。『DOWN TOWN』は銀次が作詞しているとはいうものの山下達郎の曲だと思っているし、『A面で恋をして』も歴史的に重要なナンバーではあるが曲としてはビート感に欠けモッタリしていてライブには不向きだと思う。たとえばだが『あの娘は君のもの』を銀次と杉でデュエットするなどの趣向を期待したい。

週末の前になかなか見られないライブを見て家路につくことができた。仕事を切りあげて足を運んだだけの価値はあり、続編があるのならまた是非見たいと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?