見出し画像

宇宙豆知識 vol.2〜お酒を振りまくラヴジョイ彗星&七夕の夜にも会えぬ織姫と彦星~

天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。
Tenchijin New Age Blogでは、天地人に所属する学生インターンが、これは面白いと思った宇宙のトピックスを定期的にお届けします。

今回は2回目の宇宙豆知識として、お酒を振りまく星「ラヴジョイ彗星」、七夕の夜にも会うことのできない織姫と彦星の秘密について紹介します。


1. お酒を振りまく星が存在する?ラヴジョイ彗星の秘密

ラヴジョイ彗星は2013年9月7日に見つかった長周期彗星です。彗星の命名規則に基づくと、名前は C/2013 R1といいます。「Lovejoy彗星」という魅力的な名前は、発見者であるアマチュア天文家のテリー・ラヴジョイの名に由来しています。

2015年2月12日に撮影されたラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)(出典:Fabrice Noel)

2015年1月には、太陽や地球に接近し、4等台まで明るくなって多くの方が目にする機会となりました。太陽に最接近した1月30日ごろ、スペイン・シエラネバダ山脈にある直径30mの電波望遠鏡によって彗星がマイクロ波で観測されました。

NASAとパリ天文台の共同研究によると、このラヴジョイ彗星が噴出するガスには、アルコールと糖分が含まれていることが分かり、「1秒間にワインボトル500本分のアルコールを放出している」ということが判明しました。放出されている成分は、ビールやワインなどの一般的なアルコール飲料に含まれるエチルアルコールです。

また、ラヴジョイ彗星は21種類ほどの有機分子を含んでおり、その中にはDNAの誕生に寄与する有機分子であるグリコールアルデヒドという糖類もあるため、生命体を作る可能性も秘めているのです。地球の生命誕生は、遥か昔のラヴジョイ彗星のような彗星の衝突によって発生した糖類や有機分子によるものという仮説も立っており、研究が進んでいます。

将来、宇宙進出の技術の進歩に伴い、ラヴジョイ彗星の研究も進めば、「彗星からできたお酒」を楽しむ機会があるかもしれません。

2. 実は1年に1回すら会えない?織姫と彦星の秘密

年に1度、7月7日の夜にだけ会うことを許された織姫と彦星の七夕伝説。織姫はこと座の1等星・ベガで、彦星はわし座の1等星・アルタイルです。夜空の暗い場所では、2つの星の間に天の川が広がっている様子を観察することができます。

出典:国立天文台

この七夕伝説、実は衝撃的な事実がありました。年に1度、7月7日の夜に会うことができる織姫と彦星ですが、星が実際に移動することはありません。2つの星は約15光年ほどの距離があり、非常に離れた距離にあります。宇宙では光より速く移動することはできないため、仮に織姫と彦星が最速で移動したとしても、15年に1度しか会うことができません。つまり、2人が光の速度で移動したとしても1年に1回会うことはできないという悲しい事実があったのです。

まとめ

今回の記事では、宇宙豆知識として、「ラヴジョイ彗星」と「七夕伝説」について解説しました。このテーマを選んだ理由としては、私たちの生活に身近で興味深く、ぜひ多くの方に知っていただきたいと感じたからです。宇宙には私たちが知らない秘密がまだまだたくさんあります。今後も宇宙豆知識の特集を通して宇宙のトリビアに注目していきたいです。

(記事作成:事業開発インターン 寺田)

参考:
https://zatsugaku-mystery.com/space-trivia/
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/591_lovejoy
https://tenkyo.net/wg/ison/comet_lovejoy.pdf
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%A4%E5%BD%97%E6%98%9F_(C/2013_R1)
https://www.nao.ac.jp/faq/a0309.html#:~:text=%E4%B8%83%E5%A4%95%E4%BC%9D%E8%AA%AC%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81%E5%B9%B4,%E3%81%AF%E3%80%81%E3%81%A8%E3%81%A6%E3%82%82%E7%84%A1%E7%90%86%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82