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宇宙豆知識vol3.人類が一番身近な衛星「月」のトリビア

天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。Tenchijin New Age Blogでは、天地人に所属する学生インターンが、これは面白いと思った宇宙のトピックスを定期的にお届けします。

月は人類が訪れたことがある唯一の天体です。月への最初の航行は、1969年のアポロ11号の月面着陸でした。これに続き、人類は6回の有人探査を行い、月の神秘を少しずつ解き明かしてきました。

今回は「月」を紹介します。


月の豆知識①:月の基本情報について

地球から月までの距離は約38万km。月の大きさは地球の4分の1程で質量は地球の81分の1です。月は、太陽系の惑星を周回する衛星のうち5番目に大きい衛星です。

地球と月の縮尺 出典: NASA/JPL-Caltech

また、月にはほとんど大気がないため、昼夜の温度差が大きく、月の赤道付近では、昼間の気温が110℃に達し、夜は-170℃まで下がります。この気温差は200℃以上にもなります。

月の豆知識②:地球から月の裏側は見えないの?

月は、地球のまわりを1公転する間に、1自転します。自転も公転と同じ27.32日の周期のため、地球からは常に同じ面しか見ることができません。


出典:「日本科学未来館 科学コミュニケーターブログ

1959年にソ連の宇宙船が通過するまで、人類は月の裏側を一度も観測していませんでしたが、その後、様々な探査が行われ、月の裏側には数多くの隕石の衝突によるクレーターが存在することが明らかになりました。

左:月の表側 右:月の裏側

月の豆知識③:地球の潮の満ち引きは月が原因?

地球の潮の動きは月の引力が原因で発生しています。月と地球、この二つの天体の間には絶えず引力が作用しています。月の引力は地球の海水を引きつけ、これが潮の満ち引きを引き起こします。

つまり、月に近い、月と平行な海面が月の引力で膨らみ満潮となり、月と直角な海面が月の引力で引っ張られ干潮となります。(地球の地形や月の位置、さらには太陽の引力も影響を与えるため、潮の満ち引きのパターンは地域によって異なります。)

出典:「ファン!ファン!JAXA!」より

月の豆知識④:月は地球から少しずつ遠ざかっている?

月と地球、この二つの天体は約38万km離れています。この距離は、他の7つの太陽系の惑星を月と地球の間に収めることができるほどで、その間隔は現在も少しずつ増え続けています。


出典:「NASA/JPL-Caltech」

NASAのアポロ計画を通じて月面に設置された特殊な反射鏡により、月が地球から1年に約4cm遠ざかっていることが明らかになりました。この現象の背景には、月が地球の自転のエネルギーを受け取ることが関係しています。地球の自転速度が月の公転速度よりも速いと、このような離れていく現象が起こります。

しかし、月が離れ続けるからといって、地球の衛星でなくなる心配は不要です。月が地球から離れ続けると、そのうち一時停止する時期が来ます。具体的には、月の軌道が現在より約40%大きくなる時点で、地球の自転速度と月の公転速度が一致し、月が遠ざかる動きが停止すると考えられています。

まとめ

今回の記事では、宇宙豆知識として、「月」を紹介しました。2023年9月29日は中秋の名月です。紹介した豆知識が、月を見る際の新しい視点や興味を提供できたら幸いです。

(記事作成:PRインターン 金子 隆大)

<参考文献>
https://fanfun.jaxa.jp/countdown/moon-mars/index_j.html

https://solarsystem.nasa.gov/news/1946/five-things-to-know-about-the-moon/

https://solarsystem.nasa.gov/moons/earths-moon/overview/

https://blog.miraikan.jst.go.jp/articles/20120926post-302.html

https://moonstation.jp/faq-items/f318#:~:text=%E6%9C%88%E3%81%AF%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E8%87%AA%E8%BB%A2,%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82