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ゲームとリモートセンシング -リモートセンシングの応用による臨場感のあるゲーム空間の創造-

天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。地球観測衛星の広域かつ高分解能なリモートセンシングデータ(気象情報・地形情報等)や農業分野の様々なデータを活用した、土地評価サービス「天地人コンパス」を提供しています。

Tenchijin Tech Blogでは、宇宙に関連するさまざまな最新情報を、天地人のエンジニア、研究者、ビジネスリーダーが一歩踏み込んで解説します。

今週はリモートセンシングがゲームで活用されている例について紹介します。紹介するゲームは下記の通りです。

  • LUNARCRAFT(ルナクラフト)

  • GeoGuessr(ジオゲッサー)

  • フォートナイト

また、天地人メンバーからGeoGuessr(ジオゲッサー)ユーザーの寺田と、フォートナイトユーザーの古賀よりゲーマーから見たリモセンデータの価値について語ってもらいます。


リモートセンシングを活用したゲーム

LUNARCRAFT(ルナクラフト)

LUNARCRAFTは、「マイクラ」の愛称で世界中で親しまれるマインクラフト(Minecraft)を、JAXAの「かぐや」衛星のデータを用いて作製された月面上で体感できるゲームです。

マインクラフト(Minecraft)とは、フィールド内での建築やモンスターとの戦闘などを楽しむゲームです。このゲームでは、プレイヤーは武器や建築物を強化しながら、冒険を楽しむことが魅力です。リソース(材料)を収集し、クラフト(材料をブロックや道具などの加工)することで、多様なアイテムやツールを作製することもできます。マインクラフトには、サバイバルモードとクリエイティブモードの2つがあり、それぞれ異なるゲームプレイを提供しています。

近年、マインクラフトは文部科学省のプログラミング学習の教材としても採用されており、子どもたちが楽しみながらプログラミングを学ぶ手段として注目されています。なぜなら、ゲーム内での建築や設計、プログラミング的な思考を養うことができるからです。


出典:Minecraft について | Minecraft

LUNARCRAFT(ルナクラフト)は、2007年に種子島から打ち上げられた「かぐや」衛星のデータを基に、月の起源や進化を探る冒険を提供するゲームです。かぐやは、レーザー高度計を用いて全球の約677万地点の高度を観測し、月全体の正確な地形図を初めて作製しました。この観測により、月の最も高い地点が約1万9810mであることが判明し、海と呼ばれる平原の内部にある嶺のようすや、高度200~300m以下の地形も精密に把握されました。かぐやは極全域の高度も測定し、小さなクレーターまで明確に捉えることができました。これにより、地球からは見えない裏側の地形も詳細に明らかにされました。(JAXA HP参照)

LUNARCRAFTでは、JAXAがかぐやから得た多くのデータを元に月のワールドが再現されています。プレイヤーは宇宙船に乗り込み、宇宙船内を探索することもできます。月面に降り立ち、農場や月面基地の中を探索し、宇宙食を食べることも可能です。さらに、ローバーを見つけて遠くへ冒険することもできます。ゲーム内では、人類が月面で生活するために施設の建設や必要な調査を行う任務が与えられ、JAXAからは月面基地や農園の改良など、様々なミッションがプレイヤーに課されます。 LUNARCRAFTは、かぐやのデータを基にした科学的な情報をゲームの冒険として楽しむことができる興味深いゲームです。


(出典:LUNARCRAFT | 教育コンテンツ | JAXA 宇宙教育センター

GeoGuessr(ジオゲッサー)

『GeoGuessr(ジオゲッサー)』は、Googleストリートビューを活用した地理探索・場所当てゲームです。プレイヤーはランダムに表示されたGoogleストリートビューの画像から、その地点が地球上のどこにあるのかを推理して回答します。このゲームでは、ストリートビューをたどりながら、現在地がGoogle Maps上のどの点なのかを見つけ出す謎解きが魅力となっています。正確な場所を推測すればするほど、高得点がもらえ、プレイヤー同士で高得点を競う仕組みがあります。

2023年10月には、スウェーデンのストックホルムで、『GeoGuessr』史上初のワールドカップが開催されたこともあり、その人気は国際的にも広まっています。

(出典:GeoGuessr

このゲームでは、Googleマップが提供するストリートビューの技術が活かされています。Googleマップでは、衛星画像データとして「ランドサット8号」を使用しています。ランドサット8号は、2013年に打ち上げられた地球観測衛星であり、地球全体の画像が700兆ピクセルへと高精細化されています。この最新の衛星は、アメリカが運用するランドサットシリーズの一部であり、そのデータは無料で一般に提供されています。長期的な観測を通じて、災害観測や森林破壊、都市、水資源などのモニタリングが実施され、そのデータがGoogleマップに組み込まれています。このような高品質で公開されている地球全体の画像データが、GeoGuessrの舞台となり、プレイヤーたちに楽しさと挑戦を提供しています。

(出典:ランドサット8号(image credit: NASA, OSC))

フォートナイト

(フォートナイトについて天地人の古賀よりご紹介させていただきます。)

フォートナイトとは、「バトルロイヤル」「パーティーロイヤル」「クリエイティブ」「世界を救え」という、4種のゲームモードで遊ぶことができる、世界中で大人気のゲームです。

「バトルロイヤル」は、100人のプレイヤーが、一斉に巨大な島に上陸。武器やアイテムを収集しながらバトルを行い、最終的に生き残った1名(もしくは2~4名の1チーム)が勝利するという対戦型のルールで、友だちや仲間と作戦を練りながら、協力して遊ぶことができます。

(出典:100人バトルロイヤルに参戦しよう! 基本プレイ無料で遊べる『フォートナイト』スターターガイド – PlayStation.Blog 日本語

「クリエイティブ」自分専用の島を自由に作り込むことが出来ます。作った島には友達を呼んで、バトルをしたりして遊べます。

「パーティーロイヤル」は、ミニゲームや映画、ライブコンサートなどのコンテンツを楽しむことが出来ます。星野源さんがLIVEをやったり、BTSのMVの世界に入り込むという、仮想現実のような世界を体験できます。

「世界を救え」は、PvE(プレイヤーvsPC)モードで、広いフィールドの中で探索をしながら、モンスターを倒します。※有料モード

フォートナイトには、これまでのシューティングゲームにはなかった、「建築」という機能があります。
バトル中に材料を集めて、壁や床などから建物を作って基地にしたり、攻撃から身を守ることも出来ます。また、足場を作ることで、崖を登ることも可能です。
また、通信中に話しながら遊ぶことも出来るため、コミュニケーションも取れます。
このような、様々な新要素を組み込んだゲームが基本「無料」でプレイできるため、日本中だけでなく、世界中で人気になっています。



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