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新たなステージに移ったJAXAベンチャー天地人の2023年を振り返る

天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。地球観測衛星の広域かつ高分解能なリモートセンシングデータ(気象情報・地形情報等)や農業分野の様々なデータを活用した、土地評価サービス『天地人コンパス』を提供しています。

今年最後の更新となる本記事では、数々のサービスをリリースし、会社として新たなステージに移り変わった天地人の2023年を振り返ります。


2023年 主な事業のまとめ

天地人は「天地人コンパス」をコア事業に農業・インフラ・再生エネルギー・カーボンなど様々な領域でサービスを展開しています。

インフラ

2023年、インフラ領域では、主に2つのサービスをリリースしました。

①水道管の漏水リスク管理業務システム「天地人コンパス 宇宙水道局 」

豊田市上下水道局様、フジ地中情報株式会社様と連携して実施した、衛星画像を活用した漏水可能性区域の判定を目指す実証実験を経て、2023年4月に水道管の漏水リスク管理業務システム「天地人コンパス 宇宙水道局 」をリリースしました。本サービスは、福島市水道局様、瀬戸市都市整備部水道課様、青森市企業局水道部様、前橋市水道局様に採用いただきました。

「天地人コンパス 宇宙水道局 」の詳細はこちら

実証実験の詳細はこちら

②水域の変化を表すデータから土地を評価できるWebGISサービス『天地人コンパス WaterWatch α』

『天地人コンパス WaterWatch α』は、東南アジアでの洪水被害に注目したエンジニアインターン生が中心となり開発されました。

本サービスは、ダム、河川、湖、貯水池などの水域における、時系列に沿った水域面積割合の変化を表示します。選択した水域面積の画像が表示され、基準となる水域面積とどのくらい異なるかを判断できます。

水資源という切り口から、インフラや生物多様性、脱炭素や農業など様々な分野と組み合わせ、より効率的な事業開発を目指します。

『天地人コンパス WaterWatch α』の詳細はこちら

農業

宇宙の視点から農業の課題解決を目指す「天地人ファーム」を立ち上げました。現在、天地人ファームでは、2つのプロジェクトに取り組んでいます。

天地人ファームの詳細はこちら

①気候変動に対応したブランド米をつくる「宇宙ビッグデータ米 宇宙と美水」

2023年の「宇宙ビッグデータ米 宇宙と美水」は異常気象の中でも1等米として高品質の維持に成功しました。12月から販売を開始しています。

「宇宙ビッグデータ米 」の詳細&販売情報はこちら

②月面でのアスパラガス栽培を目指す「月面アスパラガス」

「月面アスパラガス」は、月面栽培を最終目標に、段階的な研究開発を行っています。2023年、第一段階の目標「通常の畑でのアスパラガス栽培」を達成しました。収穫された「月面アスパラガス」は、渋谷の「テンキ」という天ぷらと白ワインが楽しめるレストランに出荷しました。また、「テンキ」の店長に「月面アスパラガス」の味を高く評価していただいたため、限定メニューではなく、グランドメニューとして採用されました。

「月面アスパラガス」の詳細はこちら

再生エネルギー

経済産業省の令和4年度第二次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIR: Small Business Innovation Research フェーズ3)のテーマB「衛星リモートセンシングビジネス高度化実証」に採択され、

再生可能エネルギー事業者に向けた土地評価選定システム『天地人コンパス for リニューアブルエナジー(仮称)』を開発します。

『天地人コンパス for リニューアブルエナジー(仮称)』は、複数の人工衛星・センサー種別のビッグデータ解析による高度な情報プロダクト群の作成、及びそれらを統合することによる再生可能エネルギー事業分野における適地評価システムの社会実装を目指します。なお、地表面温度上昇に伴う発電効率低下を考慮した土地評価選定は世界初の取組みです。

経済産業省の令和4年度第二次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIR)の詳細はこちら

「天地人コンパス」の開発

「天地人コンパス」は、地球観測衛星のビッグデータを始めとする様々なデータ(宇宙ビッグデータ)を基に、解析、可視化、データ提供を行う土地評価サービスです。農業から都市開発まで、様々な目的に合わせてカスタマイズが可能で、最適な土地を宇宙から見つけることができます。

天地人コンパスの特設サイトはこちら

本サービスは、2022年の7月にフリープランをリリースし、その後も様々な機能の開発を進めております。2023年11月には、AIが質問に答えてくれる 「Compass AI on Azure」機能を期間限定で搭載しました。さらに、2023年3月には過去(2022年10月)にリリースした月の分析が可能な土地評価エンジン「天地人コンパス MOON」に、クレーター断面図作成機能を追加しました。

「Compass AI on Azure」機能の詳細はこちら

『天地人コンパス MOON 』の「クレーター断面図作成機能」の詳細はこちら

2023年 採択結果のまとめ

2023年、天地人は3つのプログラムに採択されました。

①Creww・Google for Startups主催のアクセラレータープログラム「Global Sustainability Accelerator」に採択

『Global Sustainability Accelerator』は、持続可能で豊かな世界を実現するために、テクノロジーやアイディアによってイノベーションを創出するスタートアップの成長支援を目的としています。

天地人は、今回、天地人コンパスを活用した2つの事業「水道管の漏水リスク管理業務システム」(現:天地人コンパス 宇宙水道局)と「再生可能エネルギーの最適地探索」で応募し、採択されました。

『Global Sustainability Accelerator』詳細はこちら

②経済産業省の令和4年度第二次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIR)に採択。(詳細は前述のとおりです)。

経済産業省の令和4年度第二次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIR)の詳細はこちら

③ドイツ・NRW州ハンズオン支援プログラムに採択。

天地人は、現地支援機関や日系コミュニティ、専門家などのネットワークを活用し、ドイツ・NRW州での効果的な現地展開に向けた戦略策定のサポートを受けます。このプログラムを通じ、天地人は中小企業支援に関する覚書を基にした連携を強化し、欧米市場に進出により一層注力して参ります。

ドイツ・NRW州ハンズオン支援プログラムの詳細はこちら

2023年 開催イベントのまとめ

2023年も多数のイベントを開催しました。自治体の方限定で開催する「水道DX戦略セミナー 2023」は合計12回行い、多くの方にご参加いただけました。また2023年は、自社だけでなく、様々な会社様とともにイベントを共催しました。

・1月:衛星データを活用した持続的なお米づくりと、データがつなぐ食体験

象印マホービン株式会社様、株式会社神明さんをお招きし、お米やデータテクノロジーの未来を考えるオンラインイベントを開催しました。

・11月:『「衛星データ」のキホンが身につく事業アイディアワークショップ ~基礎知識から衛星データ利用体験~』を開催。

宇宙ビジネスメディア「UchuBiz」様と共催し、天地人コンパスを実際に触りながら、衛星データの扱い方をレクチャーするイベントを共催しました。

イベントのレポートはこちら

その他にも、株式会社sorano me様と「衛星データ利用人材拡大のための教材及び検定」に向けた勉強会を計4回、共催いたしました。

検定の詳細はこちら

引き続き、2024年も様々なイベントを開催します。
最新情報は天地人のSNSにて情報を発信しますので、ぜひご覧ください。

天地人 「X(旧:Twitter)」:https://twitter.com/tenchijin_pr

まとめ

2023年、天地人は「天地人コンパス」をコア事業として数多くのサービスを立ち上げ、会社として新たなステージに移りました。

2023年は、
メンバー   :60名以上(前年より1.5倍↑)
プレスリリース:30本
テレビ    :3番組
ラジオ    :2番組
新聞     :3媒体
雑誌     :1媒体
WEB      :20媒体(転載を除く)

となっており、スタートアップの「スピード」を活かし、多くの成果を生みました。2024年も、天地人は「宇宙ビッグデータを活用して人類の文明活動を最適化する」というミッションの達成に向けて、更なる成長を目指します。

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