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ひしこいわしのマリネ〜ヴェネツィア名物鰯料理

ヴェネツィアで最も魅力的な場所といえば、
それはメルカート、リアルトの市場
今日はうまい魚を食べようという日には、
朝から魚市場へ買い出しに向かいます。
赤いテントのペスケリアは、食いしん坊のヴェネツィアっ子
で賑わい、ラグーナの活きのいい魚たちが並んでいます。
どれにしようか迷うのもまた市場の楽しみですが、
行きつけのマウリツィオの店先でピカピカの小鰯を見つけたら
やっぱり買わずにはいられない。
大好物の
ひしこいわしのマリネを作りましょう。

#ヴェネツィア名物3つの鰯料理

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*上から小鰯のサオール、ひしこいわしのマリネ
*ひしこいわしのギリシャ風

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マンマが教えてくれたヴェネツィアの鰯料理は3つまずその筆頭が、
ヴェネツィア料理の代名詞「鰯のサオール」(揚げた鰯の甘酢漬け)です。サオールは、12〜3センチの小ぶりの鰯 sarde=サルデで作りますが、
さらにもうひとまわり小さく細身の10センチほどのひしこいわし
alici=アリチは、生のままマリネにしたり、またはケイパーとニンニクで
オイル煮にします。
料理にあった大きさの鰯を選ぶこと、これは鉄則です。
甘酢漬けはsarde in saor(鰯のサオール)
マリネはalici marinate(小鰯のマリネ)
オイル煮はalici alla Greca(小鰯のギリシャ風)この3つの鰯料理はどれもヴェネツィアの居酒屋bacaro=バーカロでも定番の料理です。
どれも甲乙つけがたいおいしさですが、なかでもマンマのリチェッタ
(レシピ)の小鰯のマリネは、他のどこで食べるよりもずば抜けて美味で、青魚が好きな私の大好物なのです。

うまいものを食べるには忍耐が必要

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さて、リアルトの市場から戻ったら、すぐさまどっさり買い込んだ鰯の
下準備にかかります。
小さなひしこいわしをひとつひとつ手開きにするのは、かなり面倒な作業。
ふたり並んで台所に立ち、マンマの口癖「忍耐!=パツィエンツァ」
言いながら、ひたすら手を休めることなく捌きます。
しかもこのマリネ、最低でも6時間ほど寝かせるので、作ってもすぐに
食べられるわけではありません。
うまいものを食べるのは常に忍耐が必要!
それでもやっぱり買ってきてしまうのは、その苦労を補ってあまりある
おいしさだからです。

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¥ 150

デザイナー、美術家、料理家。イタリアはヴェネツィアに通い、東京においても小さなエネルギーで豊かに暮らす都市型スローライフ「ヴェネツィア的生活」を実践しています。ヴェネツィアのマンマから学んだ家庭料理と暮らしの極意を伝えます。