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お弁当の話

 私の両親は共働きで、家にいないことが多く、小さい頃から食事は近くに住む祖父母の家で食べるかお弁当生活でした。

お弁当の日は私はよく、我が家の敷地内の駐車場に遠足シートを引いて食べていました。私は今もですが、いつも空想の世界にひたっており、そのお弁当も外のあたたかい日差しの中、一人でもくもくと食べていました。

私は近所に年の近い子がおらず、いや、いたのですが、自分から人を誘うとかいうことをできなかったので、いつもぼんやり一人で過ごしていました。

特に何かということではなかったんですが、なんとなく抱える寂しさを、柔らかい日差しと目に入る緑で癒やしていたと思います。

お弁当の中身はあまり覚えていないのですが、キティちゃんの平たいお弁当箱に、よくのりたまのご飯が入っていた気がします。

冷めてお弁当の蓋についた水滴がご飯の表面にうっすらついて、ふやけて味が薄くなったのりたま、冷えたご飯、それがいつもなんとなく嫌だったのを覚えています。

朝、母親が忙しい中詰めたご飯。11時とかそれくらいに食べ始めてたと思うんですけど、卵焼きとか、母の手作りのおかずが毎日入っていたと思います。たぶんおいしかったです。母の料理は今も変わらずおいしいですから。

幼いながらに文句を言ってはいけないとわかっていたので、もっとふりかけをかけてほしいとか、お弁当は寂しいから嫌だとか、決して言うことなく毎日黙々とご飯を食べていました。

私は今、お弁当があまり好きじゃありません。いろんな理由があるのですが、なんとなく、好きじゃない



できたてのご飯が食べたい

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