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浦島太郎

浦島太郎という漁師が年老いたおっかさんと二人で暮らしていた。

ある日、浜辺で子ども達が一匹の子ガメをつつきまわしているのを見たので、助けて海へ逃がしてやった。数年後太郎が海で釣りをしていると、大きな亀がやって来て、昔助けてくれたお礼にと海の中の竜宮へと連れて行かれた。竜宮では美しい乙姫さまに歓迎され、魚たちの踊りや、素敵なご馳走でもてなされ、楽しい毎日を過ごした。

しかし何日か経つと太郎は村に残してきたおっかさんのことが気になって、だんだん元気がなくなってきた。それを察した乙姫さまは「村に帰って、もし困ったことがあったら、この玉手箱を開けなさい。」と言って、太郎を送り出した。

太郎が亀の背に乗って村に帰ると、自分の家はおろか村の様子がすっかり変わっていて、太郎の知っている人が一人もいなくなっていた。太郎が竜宮で過ごしているうちに、地上では何十年も経っていたのだった。困った太郎は、乙姫さまに貰った玉手箱のことを思い出した。

蓋を開けると、中から白い煙がもくもくと出て、たちまち太郎は白いひげのお爺さんになってしまった。

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