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『帰って来た橋本治展』6月2日まで開催中

プロデューサーの仕事は何かという問いを立ててから橋本さんは、「それは現場に行ったときに床のごみを拾うことができる人だ」という独特の定義を下した。スタッフもキャストもみんな「自分のこと」で手一杯で、「全体」を見ることができない。だから、床のごみにも気がつかない。気がついても、それを片付けることが自分の仕事だとは思わない。誰かがやるだろうと思っている。でも、「誰かがやらなければいけないこと」だけれど「誰も自分の仕事だとは思っていないこと」が手つかずに残ったせいで、仕事が滞ったり、現場の雰囲気がとげとげしくなったり、もっと大きなトラブルを引き起こすことだってある。全体を見ている人だけがそれを未然に防ぐことができる。それがプロデューサーの仕事だよ、と橋本さんはにこにこ笑いながら学生たちに語り聞かせた。

AERAdot.

内田樹さんが書いてた橋本治さんのエピソード。

先日、神奈川近代文学館で『帰ってきた橋本治展』を見たあとなのでとても腑に落ちた。単なるいい話ではなく、橋本治さんをつくった秘密のひとつなのだろう。全体を見ることは細部を見ること。全体を見られる人は細部を見られる人。橋本さんは、とことんまで突き詰める作家の魂を軽やかな仮面で覆って人には見せない方だったのだろう。

noteサーフィンしてたらこんな素敵なnoterもいた。橋本治を知らない人、知ってる人におすすめ。

神奈川近代文学館でも6月2日まで開催中なので気になる方はぜひ。


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