息をするように絵を描いていた。授業中に、電話中に、必ず手は紙の上を動いていた。何を描くでもなくただ何かグネグネと絵になっていた。受験勉強でその動きは鈍くなり、でも心の叫びみたいな絵はずっと描いていた。社会人になるともう、空から降るような絵は描けなくなっていた。描き方が分からない。

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