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幸せへの散歩みち ~犬と猫から学ぶこと~No.37

ヨタヨタと走って行く相手を、犬が追いかけて行く。力いっぱい引かないと、相手に追いついてしまう。
10メートルほど走ると、竹やぶになる。相手は必死に走りながら、茂みに入る。
そのまま逃げたのかと思いきや、犬がウロウロしながら激しく吠える。
川のせせらぎが、かすかに聞こえる静けさを破る犬の吠え声。その合間にカクカクと石と石をぶつけたような固い音が響く。
何の音だろう?
犬の視線の先を見ると、さっきの相手がいる。竹やぶ独特のうす暗さと落ち葉で見えにくいが、確かにいる。歯を鳴らして、威嚇しているのだ。
犬との距離は、50センチほど。竹にリードが絡まって、それ以上は進めない。犬が暴走しないように、リードを引く。
両者は正面からにらみ合い、1歩も引かない。のっそりした動きの相手が、なんだか落ちついてるように見える。
そのまま川に逃げてくれたらいいのに、動きそうにないので犬をその場から引き離す。犬は抵抗しながら、今にも飛びかかろうとする。
声をかけたり背中をさすったりしながら、何とか引き離す。
相手はしばらくその場にいたが、目を離したスキに姿を消した。
あー、ビックリした。最初に見た時は、ビーバーかと思った。いやいや、日本にはいないでしょ(笑)。
あんなに間近でヌートリアに遭遇したのは、初めて。かなり大きい。犬は、完全に狩りのスイッチが入ったらしい。
両者がにらみ合いの緊迫した中、猫は離れた所で成り行きを見ていた。そして、何事もなかったように後ろからついて来た。
猫が先に遭遇していたら、どうなってたかな。

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