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「恋愛を支配」心理学テク

洗脳、心理誘導、催眠、メンタリズム、潜在意識への刷り込み ect・・・

これらで使われている心理テクニックがあります。

そして、日常の中でもセールスが上手い人やモテる人、他人を動かすことが得意な人は意識的にも無意識的にもこの技術を巧みに使っている。

これを使うことによって、こちらに都合のいい価値観を相手に刷り込んだり、相手の無意識に好意を刷り込んだり、こちらが望む選択肢へ誘導したりすることができる。

今回はそんな心理テクニックと、さらに別のテクニックとの掛け算によって
効果を爆発的増大させるテクニックも紹介しちゃいます。

それでは早速、見ていきましょうっ!

催眠のテクニックの土台

まず、上述で述べた心理テクニックというのは『ダブルバインド』です。

ご存知の方は多いかと思います。

そして、「ダブルバインドかよ」と思った方む少なくないかと思います。

ちなみに、今回のダブルバンド”催眠療法の父”とも呼ばれるミルトン・エリクソンのダブルバインドです。

メンタリストのDaiGoさんもエリクソンの本は崩れるほど読んだ的なことを言っていました。

一般的に言われているダブルバインドの説明では、例えばホテルに誘いたい場合、「ホテルに行こう」ではなく「ホテルAとホテルBどっちがいい?」というように”ホテルに行く”ことは前提にして「ホテルAかホテルBか」という選択肢を投げ、どちらを答えてもホテルに行くという本来の目的を達成できてしまうというものがほとんどです。

が、ダブルバインドの説明をこれで終わらせるのは浅い!浅い!です。

”どちらを答えてもNOにならない”とかそんな単純な文法的な理屈ではないわけです。

もちろん、このようなダブルバインドも効果を発揮しますが、もっと強烈な効果を持たせ、色んな応用を利かせることができます。

前提を刷り込む性質

まず、ダブルバインドが強烈な効果を持っており、催眠や洗脳などでも使われるのは、相手の無意識に前提を刷り込むことができてしまうからです。

どういうことかというと・・・

上記のように行動の選択を促す際にもダブルバインドは使えますが、行動の選択を促さなくてもダブルバインドでさり気なく催眠をかけることができます。

例えば「セックスするときはホテル派?家派?」という質問を投げかけます。

すると、相手の脳は意識的にも無意識的にも過去の「セックス」についての記憶を想起します。

そして、人はイメージとして想起したことは理屈で考えたことよりも潜在意識に大きく影響するため「セックスをする」ということを受け入れやすい状態になります。

デートに誘う際であれば「居酒屋とバーどっちが好き?」と聞く。

すると、相手の脳は「行くか、行かないか」ではなく「どちらが好きか」を考えます。

このように相手が「なんとなく」イメージしたことは、潜在意識に強烈に働きかけるので、前提となる「食事に行く」ことを許容しやすくなる。

この流れで「じゃあ最近良い店見つけたからいこーぜ。平日と土日ならどっちが都合いいとかある?」と誘えば、OKをもらえる確率が高まるというものです。

ちなみに、この誘い方は、平日OR土日でダブルバインドを仕掛け、「最近良い店見つけたから」という理由付けで、OKをもらえる確率を高めています。

また、何でもいいので”理由”もしくは”理由っぽいもの”がついていると、承諾される確率が30%くらい高まることが分かっています。

実際に、エリクソンも「ゆっくりと催眠に入りますか?それともあなたのペースで入りますか?」というように、想定させたい”催眠に入る”ということを前提として二者択一の質問をするという方法をよく使っていました。

無意識に刷り込むことが肝

で、先ほど、ダブルバインドは二者択一の選択肢にして「NO」と言わせないことではなく、前提を無意識に刷り込むことが肝だ的なことを言ったのはなぜかというと

信頼関係が浅かったり、刷り込みができていない段階でダブルバインドを使っても効果が薄いからです。

どういうことかというと・・・

例えば、全く仕上がっていない状態で「ホテルAに行く?ホテルBに行く?」とダブルバンドをかけたところで「ホテルなんて行かねーよ!」となってしまう可能性がまだまだ残っています。

ある程度、信頼関係や刷り込みができていればこのようなダブルバインドでも効いてきますが、そうでない場合は嫌な強引さを感じられ、逆にガードが固くなってしまうリスクがあります。

そのため、クロージングの時にだけダブルバインドを使うのは微妙。

それよりも、そこに”至るまでの過程”で何気なく相手の無意識に刷り込んでいくことのほうが、ダブルバインドの本来の効果を発揮できるということです。

人は、前提や選択肢を与えられると、与えられた選択肢の中から判断を下しやすい傾向があります。

脳はほとんど「なんとなく」で物事を考える性質があるから。

「Aですか?Bですか?」と尋ねられると、Cとう選択肢が本来あるにもかからず、AかBかで考えてしまうわけです。

肝は、相手に気付かれないように無意識に刷り込むこと。

悟られるようでは効果は薄まります。

なので、先ほどの「居酒屋ORバー」の誘い方は、少し強引さがまだ残っています。

これをもっと気づかれないように、無意識に刷り込むようなダブルバインドにすると・・・

例えば「なんだかんだで、まだ2人きりでちゃんと喋ったことないよね」と投げます。

これによって、相手は「確かに」というなずく。

そして、「これから2人きりでちゃんと喋ること」が前提として刷り込まれます。

その流れで、先ほどのようにお誘いをすると、誘いに乗ってくれる確率が一気に上げるというわけです。

つまり、ダブルバインドは一般的に言われる浅い情報などでは「A OR  B」の二者択一にしてノーと言わせないようにしましょー的なものですが

実際は、「A OR B」などの表面上の問いかけで、その裏にある前提を当たり前のことのように想定させ刷り込むという部分が肝になるというわけです。

アパレルショップで「コレ新作なんですよ。赤と黒だとどちらがいいですか?」というのは、ダブルバインド的には赤か黒かを選ばせることよりも、どちらがいいか答えるために自分が来ている姿や買ったときのことをイメージさせ無意識に刷り込むことが肝。

「オーブンで焼いてから食べるととても美味しいですよ」というのは、「オーブンで焼くOR焼かない」を投げることで、前提の「食べる」を自然と刷り込ませ、実際に食べることを想像させることが肝。

つまり、させたい行為を前提として隠すために二者択一などな投げて、自然に無意識に前提の行為を相手の脳に刷り込むというわけです。

そして、脳はイメージと現実をはっきりと区別するとができず、イメージすることによって実際に体験した時と同様の脳の反応や身体反応が出ることが分かっています。

催眠の初歩でも、相手にレモンを想像させるというものがあります。

言葉で相手にレモンを想像させるだけで、実際に口の中で唾液が分泌されるという現象が起こります。

これを相手に悟られずに起こすのが、ダブルバインドであるというわけです。

ここまでの具体例

では、これを具体的に使うとしたら、例えば先ほどのように「セックスするときはホテル派?家派?」でセックスを想起させたり、
「なんだかんだで、まだ2z人きりでちゃんと喋ったことないよね」でこれから2人きりでちゃんと喋ることを前提にしたり。

”2人は気が合う”ということを刷り込みたいのであれば「なんでこんな気が合うんだろう!もしかてA型?」と”気が合うこと”を前提にしてしまう。

仮にA型以外でも「やっぱり。俺、~型の人となぜかめちゃくちゃ気が合うんだよね!」と”気が合う”が事実であるかのように刷り込めます。

あるいは「今から電話していい?さすがに今は無理か?」で、あわよくば今行けるし、今は無理でも後でか後日「電話する」ことが前提として通る。

「生理的に無理なら断ってもいいよ」で、「生理的に無理zたなければ断らな」になる。

「個室がいいとかこだわりあるならAの店に行こ」で、個室にこだわる場合はAの店に行くし、こだわらないならA以外の店というように、どこかの店に行くのは前提となる。

などなど、まぁ応用が利きます。

ここまででもまぁ応用が利き、その効果も強いわけですが、これをさらに応用させて効果を増大させてしまう方法がまだまだあります。

効果を強烈にする掛け算テクニック1

その1つ目が
『ダブルバインド』X『ドアインザフェイス』

まず、ドアインザフェイスとは、本命の要求を通すためにあえて最初に大きな要求を提示し、それを相手に断らせた後に、それより小さな本命の要求を出す承諾を得らやすくなるというテクニック。

要は、相手が断ったことによってこちらが譲歩した形になる。

すると、譲歩の返報性が働いて、今度は相手が譲歩してくれやすくなる。

つまり、こちらの要求をのんでくれやすくなるというわけです。

このドアインザフェイスを使うことによって、承諾率が3倍になることを証明した実験があります。

実験は、『影響力の武器』の著者、ロバート・チャルディーに博士が行ったものので

実験者は「青少年カウンセリング・プログラム」の担当者を装う、被験者の学生に対して「非行少年たちを動物園に連れていく付き添い役をやってくれないか?」と依頼しました。

ちなみに、無報酬で。

その結果、学生の83%はこの依頼を断りました。

これがドアインザフェイスを使わなかった場合の数字です。

次に実験者は学生たちに対して同じ依頼をする前に、今度「少なくとも2年間にわたり、週に2時間、非行少年たちのカウンセラーを務めてくれないか?」という依頼をしました。

当然、全員がこの依頼を拒否しました。

で、拒否された後、今度は先ほど同じ「非行少年たちを動物園に連れていく付き添い役をやってくれないか?」という依頼を投げました。

すると結果、承諾率が51%にアップしたんです。

つまり、ドアインザフェイスを使わなかった場合は承諾率が17%。

ドアインザフェイスを使った場合は承諾率が51%と三倍まで跳ね上がったというわけです。

では、なぜドアインザフェイスがこれほど強力かというと・・・

譲歩の返報性だけではなく、『知覚のコントラスト』も同時に働いているからです。

どういうことかというと・・・

例えば「1万円安くしてほしい」と言われ断った後に、「じゃあ、1000円!」と言われると「まぁ1000円くらいならいっか」となります。

なぜなら、最初の「1万円」が基準値となるため、次の「1000円」が小さく感じるから。

交渉なんかでめちゃくちゃ使えす。

実際に僕が、キャッチのバイトをしていた時も、この手法を使って他の人よりも圧倒的に高単価で売り上げを作りまくっていました。

しかも、お客さんは交渉に勝ったと感じるため、満足度も高まります。

まさに、交渉の基本である”試合に負けて勝負に勝つ”を体現できるものでもあります。

このようにドアインザフェイスは「譲歩の返報性」や「知覚のコントラスト」が働き、しかも相手も「勝った」と気持ちよくなるようなかなり有能なテクニックであるわけです。

で、ここにさらに、ダブルバインドを掛け算してしまうのが今回の話です。

具体的な使い方

では先に、実際にどう使うかというと・・・

例えば、まず話の中でさり気なく旅行の話や、どこ行ってみたい?みたいな話を先ほどのダブルバインドの基本で説明したように前提を刷り込んでおいてからの

「今度、泊りで県外いこーよ」と誘う。

で「いや、さすがに泊りは厳しいやろ」と返ってきたら

「じゃあ、日帰りで県外いこーぜ」と誘う。

最高上手くいけば泊りデートに行けるし、それを断られたとしても、一度相手の脳には県外デートが刷り込まれているので日帰りならOKをくれる可能性も高まっている。

仮に、日帰りでも県外は厳しい場合でも、普通の近場でのデートくらいなら簡単に付き合ってくれる。

なぜなら、ドアインザフェイスが働いているのと同時に、ダブルバインドで「2人で出かけること」は前提として刷り込まれているから。

ちなみに、厳密にはこの誘い方はトリプルバインドになっています。

本来の目的が「デートをすること」だとして、その上に「日帰り県外」というバインドがかかり、さらにその上に「お泊り県外」というバインドがかかっている。

このように、バインドが多重になればなるほど、前提が当たり前のように刷り込まれ、抜け出しにくくなります。

こんな感じで「高級焼肉奢って」から入り、「じゃあ普通の焼肉奢って」に落とし、「じゃあ、奢らなくいいから」と誘ったりと使えるわけです。

それではここから、『ドアインザフェイス』X『ダブルバインド』のような他の心理テクニックとの掛け算で強烈な効果を発揮させる方法や

洗脳や催眠などでも使われる、相手の価値観をすり替えたり、心理をコントロールする的な話に入っていきます。

悪用厳禁ゾーンに入っていきます。

効果を強烈にする掛け算テクニック2

それでは2つ目のテクニック。

『イエスセット』X『ダブルバインド』

イエスセットとは、何度も「イエス」と返事をしていると、それ以降の質問にも「イエス」と答えやすくなってしまう、という心理学に基づいた交渉テクニックです。

ミルトン・エリクソンも使う催眠技法の1つでもあります。

ちなみに、何度も「イエス」と返事をしていると、それ以降の質問にも「イエス」と答えやすくなってしまうのは『コミットメント』が強化されるからです。

コミットメントとは、ここでは『確約する』『積極的に関わる』『責任をもって取り組む』といった意味で使われます。

身近な例で言うと、「明日ひま?」と聞かれて「ひまだよ(同意)」と答えると、「じゃあ買い物付き合って」と言われた時に断りづらくなる現象。

最初から「明日買い物付き合って」と言われれば断りやすいけど、「明日ひま?」み対して「ひまだよ」と言ってしまっている手前、断りづらくなるというもの。

「明日ひま」にコミットしてしまい、一貫性の原理が働いて「明日買い物付き合って」にイエスと言ってしまうわけです。

基本的にイエスセットを使う際は、相手が確実に同意を示す(イエスを言う)質問などを投げて、『イエス』と言うことへの一貫性を強めていきます。

例えば、
「なんだかんだ2人できりでちゃんと喋ったことないよね」
「確かに、ないね」(同意)
「じゃあ、今度ご飯でもいこーぜ」
「うん、行こー」(同意)
「和食が好きなんだったよね?」
「うん、好き」(同意)
「俺も今、健康に気を遣ってるから和食ハマってるんよね。
飯行くとき和食いこーぜ。」
「オッケー」(同意)
みたいな感じ。

このように、イエスを積み重ねさせることによって、『こちらが提案し』『相手は従う』という関係に慣性を働かせることもできます。

責任回避性を利用する

さらに、人には『責任回避性』があります。

基本的に人は責任を取りたくないもの。

なぜなら、リスクを伴うから。

特に女性は責任回避性が高い傾向にあります。

元来、ヒトのメスは集団の中でコミュニケーションを取り、調和をすることで生きてきました。

そのため、人の意見についていき周りに合わせることが生存戦略だったわけです。

責任を取って、先陣を切るということは、失敗をしたらコミュニティから疎外される(=生存危機)に繋がるため、本能的にこれを避けようとする心理が働きます。

そのため、女の子はできるだけ決定権を持ちたくない、責任を負いたくない。

「リーダーシップがある男性が好き」という言葉はこれを表していますね。

つまり、私に責任を負わせず、自分で責任を取って決定してくれる男性が好きなわけです。

且つ、人間の脳はエネルギーの消費を嫌います。

できるだけ楽なほうを選ぶのが脳の性質です。

その点で言えば、意思決定をして提案することは脳のエネルギーを使う行為。

対して、提示された案に対して「イエス」と言うだけでいいのなら、エネルギーを消費しない行為になります。

基本的に、『ノー』を言うよりも『イエス』を言うほうが楽です。

なぜなら、『ノー』を言う場合は、断る理由を述べなければならなかったり、相手との関係を崩さないように角が立たない言い方などをしなければならない場合が多いから。

つまり、相手がぞの面倒を抱えてまで『ノー』と言うほどの提案でなければ、基本的には『イエス』のほうが引き出しやすい。

そして、前述したように『イエス』を積み重ねるほど、”イエスを言う”ことに一貫性が働き、その後も『イエス』と言いやすくなる。

上記のような背景も重なり、イエスセットは効果的であるというわけです。

ちなみに「イエスを引き出せばいいんや!イエスセットや!」と『イエス』を引き出す誘導尋問になると不自然さが出てしまいます。

「もう夏だね」
「イエス」
「ちょっと暑すぎない?」
「イエス」
「涼みたくない?」
「イエス」
「一旦カフェ入らない?」
「イエス」
みたいな感じ。

質問を多用しすぎたり、尋問のような形になると、かえって面倒くさく感じられたり、リーダーシップの欠如に映るので、自然と『イエス』を引き出すことがポイントとなります。

例えば「○○しよう?」「○○しない?」よりも「○○しよ!」のほうが
相手もイエスを言う負担も少なく(相手ではなくこちらが決定をしているので)、リーダーシップも感じさせることができます。

上記のようなものがイエスセットでありますが、今回の話の主題はこの”イエスセット”と”ダブルバインド”の掛け算です。

それでは、どのように掛け算を行っていけばいいのかをここから見ていきます。

クロージングで使うパターン

まず1つ目が、イエスセットの後にダブルバインドでクロージング。

これはシンプルで分かりやすい方法かと思います。

例えば、先ほどの

「なんだかんだ2人できりでちゃんと喋ったことないよね」
「確かに、ないね」(同意)
「じゃあ、今度ご飯でもいこーぜ」
「うん、行こー」(同意)
「俺も今、健康に気を遣ってるから和食ハマってるんよね。
飯行くとき和食いこーぜ。」
「オッケー」(同意)

このようにイエスセットを刷り込んだ後に、『こういう和食屋Aという和食屋Aがあるだけど、どっちの感じが好き』というお店のダブルバインドを迫ったり。

すると、承諾率が高まります。

先ほど、「刷り込みが行われていない段階でダブルバインドを使っても、効果は薄い」と述べましたが、この『イエスセット』X『ダブルバインド』では、『イエスセット』の部分が”刷り込み”になっています。

『イエス』への一貫性と『食事に行く』ことへのコミットメントが働いているからです。

つまり、クロージングでダブルバインドを投げる前に、既に『食事に行く』ことは前提になっている。

その状態で、『食事に行く』ことを前提としたダブルバインドを投げることによって、相手は自然と「どちらの店がいいか」や「日時はいつがいいか」を答えやすくなる。

そして、断るハードルも高まっている。

簡単に「イエス」を引き出せるというわけです。

刷り込みに使うパターン

そして2つ目が、過程でダブルバインドを使いイエスを引き出す。

ダブルバインドの特徴は二者択一を迫ることによって、「ノー」と言わせないという性質がありました。

つまり、「イエス」を引き出しやすいわけです。

例えば、先ほどの例文を使うとすれば・・・

「なんだかんだ2人できりでちゃんと喋ったことないよね」(前提の刷り込み)

「確かに、ないね」(同意)

「じゃあ、時間あるときご飯でもいこーぜ」(『時間があるときご飯行こう。時間がなければご飯行かない』というバインドがかかるが、『時間あるとき』というのは仮定の条件になるため「イエス」と言いやすい)

「うん、行こー」(同意)

「ちなみに、和食と洋食どっちが好き?和食だっけ?」(先述した、『どっちが好き?』構文。まず「行く OR 行かない」ではなく、「どっちが好きか?」を考えるためにイメージさせることができる。さらに「和食だっけ?」を加えることによって「イエス」を引き出しやすい形に。)

「うん、和食!」(同意)

「じゃあ、行くとき和食にしよう!週末忙しいだろから、行くなら平日のほういいよね?」(『相手が忙しい時 OR 忙しくない時』のバインド。忙しくない時のほうに「イエス」を言わせる誘導。)

「うん、平日が都合いい!」(同意)

ダブルバインド感を出すために多少くどくなりましたが、そもそもダブルバインドは『前提を当たり前のように問いかける』ことであるため、相手は自然とイエスを言いやすい形になります。

つまり、イエスセットと元々相性がいいわけです。

こんな感じで、ダブルバインドの『ノー』と言わせない性質を利用して、イエスを積み重ねさせるイエスセットに繋がることができます。

前述した1つ目の方法は、クロージングでダブルバインドの効果を引き出すための手段としてのイエスセットでしたが、この2つ目の方法はイエスセットを引き出すための手段としてのダブルバインドのような形になります。

効果を強烈にする掛け算テクニック3

それでは3つ目のテクニックの紹介に入ります。

3つ目のテクニックは、『ダブルバインド』X『フットインザドア』

まず、フットインザドアとは、最初に小さな要求を飲ませ、それから関連するもっと大きな要求を出すとそれも承諾されやすくなるというもの。

小さな要求を飲むと、『(関連した)要求を飲む』ことへのコミットメントが強化され、その後の要求を飲みやすくなるという原理で、イエスセットと似たようなものです。

フットインザドアに関しては、ジョナサン・フリードマンとスコット・フレイザーの実験が有名です。

実験では、カルフォルニアの住宅地を回り、家主に「公共サービスのための看板を設置させてほしい」と頼んで回るものでした。

で、その看板というのが「安全転運をしよう」と大きく下手な字で書かれたものであり、大多数の人は依頼を断り、承諾率はわずか17%でした。

しかし、これにある工夫を付け加えるだけで、承諾率が76%に上がります。

そのある工夫とは、看板設置を頼む2週間前に「安全運転するドライバーになろう」と書かれた小さなシールを玄関先に貼ってほしいという些細な頼みごとをすることでした。

取るに足りない頼み事に住民のほとんどは承諾。

この時点でフットインザドアの発動条件が揃いました。

あとは、その2週間後に例のダサい看板を設置させてくれと頼むと、コミットメントと一貫性の原理が働き76%の人が承諾したというわけです。

実際に洗脳でも使われていた例

また、フットインザドアのテクニックは、実際に中国が行った捕虜の米兵への洗脳でも使われています。

そこで行われた洗脳は簡単なもので、まずは米兵に「共産主義にも良い点がある」という簡単なメモを書かせるところから始まりました。

ちなみに、米兵は共産主義は敵だと思っている。中国はそれを共産主義を信奉するように洗脳をかけるという構図です。

で、次第に簡単なメモ程度から、しっかりとした文章で書かせたり、それを発表させたりラジオで流したりとコミットメントを強めていきました。

このように、フットインザドアによって『共産主義を信奉する』行動を強めていき、米兵は収容所内で共産党の協力者に変わったというわけです。

このフットインザドアとダブルバインドに関しては、イエスセットと掛け合わせて使う時と同様の使い方ができます。

例えば、フットインザドアでコミットメントを強めていき、最後のクロージングでダブルバインドを仕掛ける。

あるいは、ダブルバインドで要求を飲ませ、フットインザドアを強めていく。

上記の米兵捕虜に対する洗脳に組み込むとすれば、まず初めに『共産主義の良い点をメモに書かせる』OR『録音する』などのようにバインドをかけることによって、本来の目的である『共産主義を信奉する行動』を引き出すことがさり気なくできます。

メモに書かせたら、次は『メモに書いたのであれば、それを発表しろ』と命ずる。

結合法

ちなみに、この手法はダブルバインドの『結合法』というものに当たります。

”メモに書いた”という実際の行動に結合させて、”それを発表する”を引き出しやすくしています。

結合法に関しては、「俺こっちやるから、君はそっちお願い。」「「(お会計で相手もお金を出そうとしたら」いいよいいよ。じゃあ、ここは俺払うから、次はご馳走になるわ。」「この前バックもらったから今度は時計が欲しいな」なども結合法になります。

効果を強烈にする掛け算テキニック4

それでは、4つ目のテクニックの紹介に入ります。

4つ目のテクニックは、『BYAF法』X『ダブルバインド』

まず、BYAFとは何かというと、『BUT YOU ARE FREE』の略です。

日本語にすると、「しかし、あなたの自由ですよ」。

『買うか買わないかはあなたの自由です』『これをするかどうかはあなた次第です』などもこれに当たります。

つまり、『最終的に決定をするのはあなたです』と伝える手法。

この『BYAF法』に関して、西イリノイ大学で過去に出た説得術に関する研究から質が高い42件をまとめたものがあります。

ちなみに、22.000人のデータを統合し分析したもので、かなり信ぴょう性が高いもの。

この調査で、人に何らかのお願いをするときにBYAFを付き加えるだけで、相手が「イエス」と答える確率が2倍にアップすることがわかりました。

では、なぜ自由意志を促すだけ(BYAFを加えるだけ)でこんなにも「イエス」を引き出せるかというと、カギは『自己効力感』にあります。

人には、「自分のことは自分で律したい」という生得的本能が遺伝子レベルで備わっています。

自由意志を尊重せずに、強制をすると自己効力感を守るために反発しやすくなります。

「勉強しろ!」と強制されると、勉強をしたくなったり勉強を嫌いになったりするのも、この心理現象が起こっているからです。

そもそも、人間の脳はコントロール感を探すようにできいます。

例えば、昔の人が雨乞いをしていたのも、『自分が天気をコントロールしている』と思い込みたかったという心理が働いているからと言われています。

『ただ言われたことを機械のようにこなす』よりも『裁量権を持って自分で意思決定を行える』仕事のほうが楽しく感じ、幸福感が高いのも、自己効力感が守られているからです。

つまり、人は本能的に自分の自由意志による決定をしたいという本能を持っており、BYAF法はその自由意志を尊重するものであるため、人は快く「イエス」と言いやすくなるというわけです。

使い方

では、実際のBYAF法の使い方についてみていきましょう。

まず、ポイントとしては『相手の意志を重んじる(ように見せかける)』ことができればOKです。

具体的な言い回しとしては

・君次第
・どっちでもいいけど
・好きなほう選びな
・任せるよ

ECT・・・

これらの自由意志を促す言葉を、選択の場面で出すというのがBYAFの使い方です。

とはいえ、ただ単に自由意志を促すだけては、「イエス」を言う確率はランダムになってしまいます。

誘導する際のポイント

どういうことかというと、例えば『ホテルに誘いたい場合』。

単純に「どっちでもいいけど、君に任せるよ」だと『行かない』という選択をされる確率も高いというわけです。

では、どうすればいいのか?

ここがBYAF法を使う際のポイントとなります。

BYAF法を使うときの基本の型としては、

1、AとBの選択肢がある
2、A(誘導したい選択肢)の選択肢を選ぶように説得
3、BYAF(どっちを選ぶかは君の自由だよ)

つまり、ただ単にAとBの選択肢があって、どっちがいい?と選択を迫るのではなく、「Aのほうがいいよ。なぜなら~」と説得をしたうえで、「まあAとBどっちでもいいけど、どっちがいい」と最終決定を促すのがポイントです。

なんとなくBYAF法はダブルバインドの相性がいいということが見えてきたかと思います。

掛け算テクニックの具体例

使い方はシンプル。

BYAFにダブルバインドをかけます。

例えば、1軒目で飲み終わった後も、まだ一緒にいたい場合。

『めっちゃ楽しい、2軒目行きたいな。俺明日仕事だから大丈夫だけど、そっちは大丈夫?任せるよ』

あるいは『次、バーかカラオケ行きたいな。どっちか決めて。』などと投げる。

ダブルバインドの性質としては、場合によっては相手に多少の強引さを感じられるという点がありましたが、このBYAFは逆に相手への配慮を感じられる性質があります。

なぜなら、選択権は相手にあるように見えるから。

自分の意思を尊重してくれると感じられやすくなります。

しかも、相手に選択権を渡すことによって、『私は選択に従っただけだ』ではなく『私が選んだんだ』という当事者意識が強まる。

つまり、コミットメントが強まります。

そのため、例えば相手が『2軒目に行こう』という選択を下した場合、相手の脳は『自分が2軒目に行きたかったんだ。この人というと楽しいんだ。』という認知が固まりやすくなります。

なぜなら、脳は『事実に合わせて認知を形成する』という性質があるから。

誘導されて『2軒目に行く』を選択させられていたとしても、実際に『2軒目に行く』という決断を下したのは自分であるという事実があると、脳はその事実に合わせて認知を上記のように形成するというわけです。

効果を強烈にする掛け算テクニック5

それでは、5つ目のテクニックの紹介に入ります。

5つ目のテクニックは『一貫性の原理』X『ダブルバインド』

一貫性の原理については、ご存知の方も多いかと思いますが
人間は自分の行動や発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたい心理が働くというもの。

先ほどのイエスセットも『イエスと答える』ことに一貫性が働き、その後も「イエス」と答えやすくなる。

フットインザドアも、最初の要求を飲むことによって、しれ以降も関連する要求を飲みやすくなるという一貫性の原理が働いています。

そして、ここで紹介するテクニックでは『仮定』と『フューチャーバスト(過去と未来)』を使って一貫性を引き出すダブルバインドのテクニックについて見ていきます。

『仮定』を使う手法

まず、『仮定』について。

例えば、「もし、この後どっか行くとしたら、居酒屋かカラオケどっちがいい?」みたいな感じ。

先述した『どっちが好き?』構文と同様に、仮定の話であるため相手は気軽にどちらかの選択を行うことができます。

しかし、その時点で『この後どっか行く』ことが前提として刷り込まれる。

相手の脳にイメージを想起させることができる。

そして、相手が「居酒屋」と答えれば、この時点で一貫性の原理が発動します。

相手は「もし、この後どっか行くとしたら、居酒屋がいい」というポジションを取ることになるので、後に実際に「この後どっか行こう。居酒屋がいいって言ってやよね」と投げれば、一貫性の原理が発動して「イエス」と言いやすくなるというわけです。

ダブルバインドは相手に前提を刷り込むことができる点で強烈な効果を発揮する心理テクニックです。

この「仮定の話」は、その前提を刷り込むためには自由度が高く、且つ自然と相手に刷り込みを行えるテクニックとなります。

もう少しゲスイ感じで使うのであれば、「仮に、この後も一緒にいるとしたら、ホテルと家どっちがいい?」(ちょっと直接的だが)なども、仮定の話として相手にイメージを刷り込むことができます。

セールスなどでも例えば「もし、この車を購入されたら、まずお一人でドライブしたいですか?それともご家族を乗せたいですか?」みたいな感じで、仮定の話をしながら購入する前提や実際に乗っているイメージを刷り込ませることによって、実際に購入に繋げやすくもなります。

『フューチャーパスト』を使う手法

次に『フューチャーパスト』について。

フューチャーパストに関しては、『仮定』と同じように、過去のことや未来のことをイメージさせる手法です。

例えば、不動産のセールスで
『マイホームを購入すれば10年後20年後なんやらかんやら』というように、未来に時間をずらし相手にその状況を想像させることができます。

あとは、先ほどの『仮定の話』を使って、「もしお家を建てるとしたら~」と家を建てる前提の仮定で話を進める。

このように、時間軸をずらすことみよって相手に前提を想定させ刷り込んでいく手法です。

『過去』を使うとすれば、例えば「今まで経験した中で一番変わってるセックスは、どんなもの?」と投げれば、相手は質問に答えるために過去のセックスを想起する。

しかも、『変わったセックスをしたことがある』ことが前提になり、その後も脳は『セックス』やそれに付随する話題など受け入れやすい状態になる。

以上のように、『仮定』や『過去・未来』の話として前提を刷り込み、相手のポジションを引き出すことによって、一貫性の原理が働き、その後もそれに関する行動を行いやすくなるというわけです。

効果を強熱にする掛け算テクニック6

それでは、6つ目のテクニックの紹介に入ります。

6つ目のテキニックは、『わざと間違えるダブルバインド』。

『わざと間違えるダブルバインド』とは、こちらがわざと間違えることによって、相手に正させることを狙ったテクニックになります。

なぜ相手に正させるかというと、人は自分の口から出たものを真実だと思い込み、納得する性質があるからです。

これは催眠療法などでも使われる手法です。

例えば、催眠療法を受けて良くなってきた人が「あまり効果が感じらないかもしれません」と言った時。

施療者が「いやいや、良くなりましたよ」と説得しようとしても、無意味である場合がある。

そんな時は、良くなっていることを説得しようとするよりも「そうですか。どうしましょう。」とこちらが言えば、今度は相手のほうから「いや、でもこの部分とこの部分は楽になりましたよ!」と言うようになる。

そして、こちらが「そうですかね。それは気のせいではないですか?」と問いかけると「いや、確実に良くはなってます。」などと良くなったことを説得する形になる。

これと同じように、相手がこちらやこちらの発言を支持するように仕向けるのが『わざと間違えるダブルバインド』になります。

相手の意思が固まっていなくても効果的

例えば、相手をデートに誘いたい場合。

まだ、デートに行けることはそこまで固くない状態だとします。

そこで「水曜日と土曜日だったら普段どっちが都合いい?」と投げます。

それで、相手が「次の日が仕事の時は基本すぐ帰るようにしてるから、土曜日のほうが普段は都合いいかな。」と答えたとします。

ここで『わざと間違えるダブルバインド』を以下のように仕掛けます。

例えば、「じゃあ、次の水曜日良かったら軽くご飯でも行こう!」と。

すると相手は、「ごめん、水曜日は平日だから厳しい。土曜日なら都合いいよ?」などと返します。

これで『わざと間違えるダブルバインド』の狙い通りです。

相手は「水曜日ではなく土曜日」ということを自分の口から発したため、「食事に行くなら土曜日」にコミットメントが働き、”土曜日に食事に行く”ことを受け入れやすい状態になります。

そしたら、「あ、ごめん、土曜日か!じゃあ、土曜日軽くご飯行こ。」で誘いが通りやすくなるというわけです。

家に誘いたい場合も効果的

これをもうちょっとゲスめに使うと、少し複雑な例を出しますが
「この後、○○ちゃん家か、うちかどっち行く?」と聞く。

すると相手は「いや!うちは厳しい!汚いし!」と回答。

それに対し、「オッケー、じゃあ○○ちゃん家ね(笑)」と明らかなわざと間違えるダブルバインド。

すると相手は「本当に汚いから!絶対ダメ!」となる。

そしたら「わかったよ。じゃあ、うちでいいよ。」で自宅に搬送できる。

自然と「○○ちゃん家は絶対ダメ!」=「俺んちならOK」のような構図になる。

さらに、こちらが譲歩したような形になる。

しかも、話題が「うちは絶対ダメ!」に集中しやすいので、仮にどちらも断られたとしても、さらに奥にある「この後も一緒にいる」という前提は自然と刷り込まれやすくなっている。

などの仕掛けが組み込まれています。

効果を強烈にする掛け算テクニック7

それでは、7つ目のテクニックの紹介に入ります。

7つ目のテクニックは『アウェアネス』

アウェアネスとは、意識や気づきといった意味です。

このテクニックは、「わかっている」「知っている」「気づいている」「ご存知の通り」など単語を用いることで、あたかも伝えた内容が前提として事実であるかのように捉えられるというものです。

例えば、「ご存知と通り、若いうちから保険に入っていたほうがお得なのですが~」と言えば、「若いうちから保険に入っていたほうがお得」というのは当たり前の前提であるかのように伝わります。

実際にエリクソンが良く使っていた方法としては、相手をポジティブに導くために「気づいていますか?あなたには無限の可能性があることを」というような言い回しをしていました。

これによって、イエスであれば自分の無限の可能性に気付いている。

仮に、ノーであったとしても、自分の無限の可能性に”気づいていない”だけということになる。

つまり、『自分に無限の可能性があること』自体は「イエス OR ノー」どちらを答えても、前提として存在するかのような認知になります。

『アウェアネス』の具体的な使い方

これは例えば、相手を褒めるときなんかに非常に有効です。

「めっちゃ笑うねってよく言われるでしょ?話してて楽しいわ。」と言えば、相手が”めっちゃ笑うこと”は前提となります。

これによって、「話してて楽しいわ」という発言を受け入れられやすくなり、さらに相手の脳は『私はこの人の前でめっちゃ笑っている。ということは楽しいんだ。』という認知が形成されやすくなります。

そして、今後もよく笑ってくれやすくなります。

別の使い方としては、
「気づいてたと思うけど俺、自分のこと全く他人に喋らないんだよね」と言えば、『自分のこと全く他人に喋らない人』であることが前提となる。

そのうえで「同期以外でこんなに自分のこと喋ったの○○さんが初めてだわ」と言えば、『自分のこと全く他人に喋らない人が、私に初めてこんなに喋ってくれたんだ!』と特別感を感じさせることができます。

ポイントは、相手が完全に否定はできないことをできないことを、当たり前の前提のように話すこと。

例えば、「ご存知の通り、日本人はみんな陽気ですが~」と言えば「いや、陰気な人もいっぱいいるやろ」と反論が生じてしまいます。

自我を切り離し、こちらが望む状態に心理誘導するテキニック

それでは最後に、相手の自我を切り離し、こちらが望む状態に心理誘導するテクニックについて見ていきます。

このテクニックは『分離法』と呼ばれるもので、本来は1つであるものを概念の上で分離することによって相手の心理を誘導していくというもの。

セルフイメージの分離

例えば、お堅めな女性をホテルに誘いたい場合。

「誰でも『真面目な自分』と『奔放な自分』がいるんや。今日だけは『奔放な自分』を思いっきり出そうぜ」と言ってみる。

これによって、『真面目な自分』と『奔放な自分』を切り離している。

特に、普段お堅い人であれば、ハメを外したいという欲求が強かったり、一度それが外れるとかなり開放的になったりする傾向があります。

『理性的抑えている自分』と『本能的に開放したい自分』の後者を引き出して、認めてあげる態度を見せることによって、相手もそちらの自分を出してくれやすくなります。

『普段』と『今』を分離

このように相手の中の『自分』を切り離す以外にも、『普段』と『今』を分離させる方法もあります。

例えば、「今日は仕事のことは忘れようぜ!」「今夜は現実逃避しよう」「今はとにかく楽しもう」など。

このように、『普段』と『今』を分離させることによって、普段はしないことでも『今』は特別だと感じ、抑えている欲求を開放しやすくなったり、理性的に抑えるようなこともブレーキが外れやすくなります。

これを会話の中でさり気なく刷り込んでいくことによっても、例えば相手が彼氏持ちの子だとすれば、『普段は彼氏と仲良くて、私は浮気なんかしない良い彼女』であるが『”今日だけは特別”』という意識が強まれば、仮に浮気をするとしても『今日は特別なだけ。普段は浮気なんかしない、ちゃんとしている。』と言い訳ができるため、貞操観念む緩くなりやすい。

『今日は特別』を刷り込むことによって、普段はしないことをしてもいい言い訳づくりになるわけです。

こんな感じで、こちらにとって都合のいい部分と都合の悪い部分を分離させて、都合のいい部分を開放するように仕掛けることができてしまうのが、分離法というテクニックなります。

最後に

というわけで、ダブルバインドのテクニック色々でしたが、いかがでしたでしょうか。

今回も、できるだけ上澄みのテクニックというようは、構造や本質、背景の部分から理解いただけるように書き上げました。

具体例もいくつか提示しましたが、挙げだしたらキリがないくらい応用を利かせられる原理となっております。

恋愛に限らず、お仕事周りや自分自身に対しても活用できるテクニックです。

反対に、知らず知らずのうちにネガティブなダブルバインドをかけてしまっていたりかけられてしまっていたりすることも日常に中であります。

例えば

「わからなかったらすぐ聞いて」と言われたにもかかわらず、聞きに行くと「それくらい自分で考えて」と怒られる。

「好きなものを頼んでいいよ」「そんなものより、もっと栄養のあるものにしなさい」

「どうしてミスをしたか説明して」「言い訳するな」

などのネガティブなダブルバインドを受け続けると、うつになったり思考停止しやすくなったり、バワハラにも繋がりやすかったりとデメリットもあります。

こういったダブルバインドを気づかないうちにしてしまわないように、そしてネガティブなダブルバインドから自身の身を守るために、知識が助けてくれるかもしれません。

そういった部分も含め、お役立ちできる内容になっていれば幸いです。

お読みいただきありがとうございました。

藤井隆博

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