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【MHR:SB】重ね着コーデの「考え方」を整理してみる【モンハン文化祭2022】

はじめに

重ね着装備とは、個々人で自分の好きなコーデを楽しむためのものであり、どこまで突き詰めても本質的には自己満足の領域を出ないものである。
ましてや人のものと比較したり、あまつさえマウントを取ったり取られたりするものでは決してない。

▲私も様々な重ね着を作っている。

だが一方で、TwitterやYouTubeの重ね着に関する投稿に対し、他者のコーデの美麗さに心奪われたり、自分には無い発想に驚いたりすることもあるだろう。
そうして見つけた他人のコーデをそのまま真似するのもよいが、中には「どうせなら自分だけの重ね着コーデを作り出したい!」と思う者もいることは容易に想像できる。

しかし、重ね着コーデに関して、自分や他人のコーデを紹介する動画や投稿は数あれど、重ね着コーデ自体の「作り方・考え方」に切り込んで説明しているものは、驚くほど少ない。
先述の通り、重ね着の本質は自己満足だ。そのため、コーデの作り方も自己流の者が多く、思考法を解説するのが難しいのだろう。かくいう私も自己流以外の何物でもない。
無論それで問題はないのだが、中にはいざコーデを作ってみて、思ったような出来にならず落胆する者や、自分にはセンスが無いからと、はなっから諦めてしまっている者も少なくないのではないだろうか。

誰かが、重ね着コーデの「考え方」について、
モデルを示すべきなのではないか?


そう思い、今回私は筆を執った。
この記事では、私が重ね着コーデ作成の際に思考する手順や意識していることなどを、実践を交えながらまとめて紹介してゆく。勿論これは一例に過ぎないので、結局は各々が好きな手順でコーデを作ればよい。既に自分だけの重ね着ワールドを楽しんでいる諸兄にとっては、少々退屈な記事になってしまうかもしれない。だが、そもそも重ね着コーデの作り方に関して悩みを抱えている者の手助けには、多少はなるはずだ。

なお、今回の記事は 月輪 日廻様(@_himawrichan)主催の「モンハン文化祭2022」に飛び入りとして参加するものとなる。
モンハンに関する創作物を部活動になぞらえて一挙に発表するお祭りだ。本当は本参加したかったのだが、記事のネタを思いついた頃には受付期間が終わっていた。割と悔しい。ちなみにこうした創作イベントには初参加だ。お手柔らかにお願いします。
ハッシュタグ「#モンハン文化祭2022」にはほかにも様々魅力的な作品が溢れているため、ぜひご一読いただきたい。私は重ね着に関する記事ということで、「被服部」として参加させていただく。

それでは前置きはこのくらいにして、本編に入っていこう。
この記事が、あなたの重ね着の世界を少しだけ豊かにできていれば幸いだ。

⓪承前:そもそも重ね着コーデには2種類ある

世間一般で言われるところの「重ね着コーデ」は、2種類に大別される。

一つがコスプレ系コーデ。
漫画やアニメ等、他作品のキャラクターを模したコーデを作成しようというものだ。皆様も、バスターソードを模した大剣を担ぎ、髪色を金髪にしたクラウドモチーフのハンターや、麦わら帽子と赤い衣服に身を包んだ、ルフィやシャンクスモチーフのハンターを見たことはないだろうか?
こうした既存キャラを再現しようとする方向のコーデが、これにあたる。

▲サムネイルに使ったこのコーデも実はコスプレ系。白猫プロジェクトというスマホゲームのキャラをモチーフにした。
▲こちらが元のキャラ。カスミ・アサミヤという。私が心から愛しているキャラだ。

もう一つはオリジナルコーデ。
こちらはコスプレ系とは異なり特定のモチーフを持たず、とにかくカッコよさや可愛さを追求し、様々な装備を自己流に組み合わせたコーデだ。

▲オリジナルコーデの一例。

これら二つのコーデは似て非なるものであり、作成のための考え方はかなり違ってくる。とはいえ、前者には特定のモチーフが存在するため、基本的には
隣に参考画像を用意して、それに近しいパーツを探していく作業になる。比較的作り方がイメージしやすいと思われるので、今回の説明からは割愛させていただく。

補足:逆に言うと作り方がイメージしやすいからこそ、重ね着コーデの入り口としては優秀だったりもする。初めてコーデを作成される方で、好きなキャラが明確に定まっている場合は、こちらを取っ掛かりにするのも手だ。私も、最初はコスプレから入った口だ。

今回スポットを当てたいのは後者のほうだ。
巷に溢れる数多のコーデ、それらがどのように作られているのか、その一端をご紹介しよう。実例とともに載せていくので、是非とも参考にしてほしい。

①ベースとなるパーツをを決める

▲いつもお世話になっております。

手始めに工房に出向き、重ね着装備の一覧を眺めてみよう。いくらか見ていると、この装備可愛いなだったりとか、この部位カッコいいなだったりとか、自分好みのパーツが1つ2つ見つかることと思う。まずは、この“自分好みのパーツ”を探すことから始めてみよう。そのパーツをベースとして、そこに合うように他の部位を決めていくのが、重ね着コーデの基本的な作り方だ。

なお、この時実際に重ね着を購入する必要はない。試着という便利な機能が存在しているため、これを存分に使わせていただこう。購入はコーデがある程度固まってからでも遅くはない。現実と違い、モンハンのフィッティングルームにはどれだけ入り浸っても迷惑にはならない。ハモンも何時間と悩むハンターも珍しくないと言っているし、ナカゴもきっと気持ちをわかってくれる。多分ミネーレさんも同様だ。

ベースとするのはどの部位でもよい。とにかく見た目が気に入ったものを選ぼう。武器重ね着が実装された今であれば、好きな見た目の武器を一本見繕い、それをベースとするのもよいだろう。
武器に合う重ね着、というのも立派なコーデテーマの一つだ。

また、慣れない者は胴装備からベースを探すとよい。
胴装備はコーデ全体に占める面積割合が大きく、コーデの雰囲気を強く印象付ける部位だ。ここから決めていくことで、早期にコーデの方向性が固まり、この後の他部位の選定が行いやすくなる。
またこの時、実際に装備している防具をすべて外し、インナーの状態にしておくことで、コーデ作成の際に余計な情報が入ってきづらくすることもできる。慣れないうちは一度インナーのみの状態にしてからコーデを作成するとよいだろう。

▲今回の教材はこちら。

今回は実例として、胴装備のエルガドベストをベースとしてコーデを構築していくことにする。シナリオ進行で必ず手に入りNPCもよく着ている、オーソドックスな衣服だ。

②ベース装備の重ね着着彩を確認する

ベースが決まったら早速他の部位を固めていく…というのは少々早い。
その前に、一度重ね着装備着彩の設定を覗いておこう。
ボックスの重ね着装備着彩設定の他、工房の画面からもサブメニューを通して行くことができる。試着部位の着彩も変更できるため、まずは一度開いてみよう。

▲着彩で色を変えられる場所を点滅させる機能もある。

どれだけ色を変えられるかは、装備によってまちまちだ。ほぼ全体を変更できる柔軟性の高い防具もあれば、逆に変更可能な部分が細かな装飾程度にとどまる防具もある。ここで色変更がどれくらい柔軟なのかを確かめておくと良いだろう。

もしも柔軟な色変更が可能だった場合は、この時点でベースの色を決めてしまってもよい。色は重ね着コーデにおいて大きな影響を与える。色が違えば合うパーツも大きく異なるため、この時点で好みの色に合わせてしまうのは悪い選択肢ではない。赤でも青でも黄色でも、自分が着せたい色にすれば良い。勿論、デフォルトのカラーリングが好きなのであれば、そのままでも構わない。

▲デフォルトカラーも良さがある。

今回は素材の味を大事にするべく、デフォルトカラーのまま重ね着を組んでいく。

③他の部位の重ね着を見繕う

重ね着コーデ作成における醍醐味であり、個々人の好みや個性が大きく作用する工程だ。再び工房に赴き、先ほど決めたベース装備を中心に、そこに合う重ね着装備を選択していく。

とはいえ、「合う装備といわれても、それがよくわからない…」「これが難しいから重ね着コーデを作れないんだ」、という者も一定数存在するだろう。この工程はコーデ作成の醍醐味であると同時に、一番の難関でもあるのだ。

そこで、ヒントとして私がこの工程で意識しているポイントをいくつか列挙しておく。このポイントを押さえてもらえれば、コーデとして大崩れはしないはずだ。

・部位ごとの決定優先順位

先ほど、慣れない者はベースを胴装備から決めると良いと言った。
コーデ全体に占める割合が大きく、早期に方向性を決めやすいからというのがその理由だったが、これはほかの部位にも同じことが言える。
腰以外も面積割合の大きな部位から決めていくことで、よりコーデの全体像を固めやすくなるのだ。

勿論自分の順番があればそれに則ってもらえれば構わないが、基本的には以下の順番でパーツを決めると、よりコーデを作成しやすくなるように思う。

胴  >  腰  ≧  脚  >  腕  >  頭

特に胴と腰は、これだけで上半身・下半身を大きくカバーするため、この2部位だけでコーデが8割がた完成してしまうことも珍しくはない。
今回は胴装備をベースに設定したため、腰からベースに合うパーツを探していくことにする。

・パーツ同士の質感を合わせる

今一度自分がベースと定めた装備をよく見てほしい。そして、その装備に使われている素材に着目するのだ。
素材といっても、「〇〇の厚鱗」とか「○○の重殻」とかそういう話ではない。ベース装備を衣服としてみた際に、その主成分が布なのか革なのか、はたまた金属かモンスターの鱗や骨っぽいのか、といった話である。
この質感を全体でそろえてやることで、違和感の少ない自然なコーデが完成しやすくなる。

逆に、質感がバラバラなコーデは統一感を失いやすい。極端な例だが、布を主成分とするエルガドベストに、モンスター素材を前面に出したディアブロ腰を合わせたとしても、ちぐはぐな組み合わせになることはお分かりいただけると思う。

▲なんとも不自然な取り合わせ。


重ね着コーデ作成において、質感は基本的に統一、多くても布と革のように相性のいいものを組み合わせる等で、2種類程度に収めたほうが無難だ。
今回のエルガドベストベースであれば、布や革の質感を持つ装備を中心に構築するのが良いだろう。

・着彩を活用しながら色を合わせる

色は質感以上に重ね着に大きな影響を及ぼす。
ベースが何色かによって、合う重ね着は大きく変化するからだ。コーデ全体に使用する色は、ベースとなるものが1色、そこに合わせる差し色を1~2色、計2~3色程度に収めたほうが、すっきりとしたコーデに仕上がる。
逆に色をあまりにも使いすぎるとごちゃごちゃした印象を与えてしまい、イマイチなコーデになってしまうケースが多い。
いろいろ考えるのが難しければ、ベースとした装備に使われている色でコーデをまとめる、程度に思っていただいても良い。

中には選定を進める中で、質感はベースと完璧に合うのに色だけ合わない・・・というケースも出てくるだろう。そういった場合はすぐに諦めず、一度重ね着着彩を触ってみよう。
先ほども伝えた通り、装備によっては着彩でほぼ全体の色を変えられる場合がある。色さえ合わせてしまえば、多少質感が違っても違和感なく見える場合も少なくない。色の与える印象は本当に大きい。
色変更がうまく行かなければ、ベースの方の着彩を変えて合わせに行くのも手だ。

今回のエルガドベストベースの場合は、紺を基調に黒・白を交えながらコーデを組んでいくことになる。いずれもベース装備に使われている色だ。

・(中級者以上向け)装備の継ぎ目

先述の3項目に比べるとやや細かい観点になるが、パーツごとの継ぎ目の部分に意識を向けると、より自然なコーデを作成できる。
どういうことか、実例を出してみよう。

▲お!これは合うか?

エルガドベストに対し、質感がそこそこ合いそうなグローシアコイルを合わせ、着彩も調整した状態だ。一見するとそこまで悪くないように見えるが、拡大して部位と部位の境目を見てみると、こんな感じになる。

▲注目ポイントは腰。

おわかりいただけるだろうか。
比較的ボディラインにフィットしたシルエットのエルガドベストに対し、ぶ厚いグローシアコイルを合わせたことで、腰回りの継ぎ目が異様に膨れてしまっているのだ。ボックス画面のカメラを使ってちょっと上から見ると、それがよくわかると思う。

▲腰回りが、まるでまわしのように一回り分厚くなってしまっている。

こうした継ぎ目の自然さ関しては気にせずコーデを組む人もいるが、私は少々気になってしまう。パーツ選定の際には、こうした継ぎ目部分がうまくつながるかどうかという観点も入れることで、より統一感のある自然なコーデに繋がる。
ただし、一式装備と同等レベルで継ぎ目が整う組み合わせは、案外多くない。多少は妥協することも重要だ。

実際に作ってみた

以上を意識し、実際に重ね着コーデを作成していこう。

▲ベース決定

まずベースは先述の通りエルガドベスト。着彩はデフォルトだ。
ここに合う装備を見繕っていく。

優先順位通り、腰から合う装備を探してみよう。
この際、少しでも「お?合うんじゃないか?」と思った装備は、積極的に試していくと良い。自分はいい感じだと思った部位を見つけたら、一旦その部位はそれで決めてしまう。全体としてみたときに違和感があれば、その際に変えればよいのだ。

▲質感が合いそうな装備を探す。

今回着目したのはフォーレウエスト。先日のアップデートで追加された有料DLC重ね着だ。布感・革感があり、質感は申し分なさそう。ベルトがあるのも継ぎ目を自然に見せられて良い。ただし色がずれているので、ここを着彩で合わせていく。

▲上手く色が合うと一気にそれっぽくなる。

色変更の際はカラープリセットから選択するのも良いが、どうしてもこれだけでは完璧な色合わせは難しい。
納得いく色がプリセットになければ、色を作ってしまおう。下部の色相・彩度・明度(以下HSV値)を操作し、目当ての色に近づけていく。
一度完成した色は保存して他の部位の着彩にも使いまわせる。ここで納得のいく色が作れるかどうかで、コーデの完成度は大きく変わってくる。踏ん張りどころだ。
色調整の際は、大まかな色の方向をH(色相)で決めた後、色の濃さをS(彩度)、明るさ・暗さをV(明度)で調整すると良い。

今回はこのような配色にした。ベース装備の着彩のHSV値を一旦そのまま持ってきた後、自然になるようにVの値を微調整した感じだ。
これで胴と腰が固まり、コーデの全体像が見えてきた。
シックで落ち着いた雰囲気にしつつ、ハンターとして違和感のない恰好。
エルガドベストの雰囲気を活かし、街の駆け出しハンターのようなイメージで他部位を選んでいきたい。

同様の流れで他の部位も決定していく。
脚は革つながりでブラックレザーレグスをチョイス。着彩で大きく色が変えられるため、HSV値をいじり黒系統に変更しておいた。

▲イベントクエスト報酬。

腕は手袋が欲しくなったため龍滅猟装【手甲】に。布感をベースにしながら、ひじの黄色い金属プロテクターがアクセントになっていて気に入った。課金系装備多めになってしまったが、この部分はハンターや王国軽装騎士の腕なんかで代用してもいい感じになりそう。いずれも布感ベースでプロテクターがアクセントになっている。

▲サンブレイクのデラックスパック特典。

頭部分は人によってかなり好みが出るように思う。
私はあまり頭部をごてごて装飾するのが好きではないので、耳飾り系の重ね着で済ませることが多い。今回は王国軽装騎士の頭で賄うことにする。

▲困ったら耳飾り。

ただ、帽子が好きなのであれば帽子系の重ね着を被せれば良いし、メガネが好みならシャリテ頭や知略の眼鏡辺りを着ければ良い。
頭部分は面積が小さい分、多少冒険してもコーデが破綻しづらいため、他の部位以上に好みを出して良いだろう。もちろん、過度の質感違いや色違いを持ち込んでしまうと破綻するのだが…

最後に、コーデに合う重ね着武器を選択する。
今回はテーマに沿って、そこまで派手な装飾のない弓ということで、鋼鉄弓を選んだ。カラーリングも重ね着の雰囲気とあっている。うまくまとまったのではないだろうか。

▲弓の素朴さもいい味出してる。
▲重ね着が完成したら、ムービーを使って撮影会なんてのも楽しみ方の一つだ。

④最後に:自分のコーデを愛してあげよう

以上が、自分が重ね着コーデを作成するうえで考えていることだ。
まとめると、

・ベースパーツを決め、そこに合う装備を探す。
・大きな部位から決めていく
・質感や色を使いすぎず、なるべく合わせる。

この3点を意識してコーデを作成すれば、きっといい感じの作品が出来上がるはずだ。今回の説明では「合う装備」という言葉でくくったが、そもそも何をもって「合う」と判断するかは人それぞれであり、そこに個性が出てくる。だからこそ重ね着コーデは千差万別で、面白い。
合う装備を追求した結果、ほとんど一式装備になってしまう、という者もいるだろう。皆目問題ない。
そもそも一式装備とはそれ自体で完成しているものだ。それを美しいとおもうのであれば、それが貴方にとっての正解なのだ。

補足:実際、一式装備をベースとして、気に食わないパーツを他と取り換えていく、今回紹介した方法とは逆の手順でコーデを作成するやり方も存在する。一式の統一感が好きな人は、このやり方もおすすめだ。

最も大切なのは、自分が作ったコーデを自分が一番愛してあげることだ。
最初にも書いた通り、重ね着とは極論、自己満足の産物なのだ。自分がカッコいいと、かわいいと思う装備ができたのならば、それが貴方にとっての紛れもない正解なのであり、そこに他者の言葉が挟まる余地はほぼない。
勿論、他の人のコーデや意見を参考に、自身のコーデを改良していくことは良いことだ。だが、他人のコーデはあくまで他人の好みである。それに引っ張られすぎて自分の「好き」を見失ってしまうと、コーデ迷走の原因にもなってしまう。

自分が信じるコーデを信じるのだ。
あなたにとっての美は、あなたにしか作れないのだから。

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