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住宅営業10年目が解説!住宅展示場の失敗しない見学方法!

はじめまして。


私は都内でハウスメーカーの営業マンとしておよそ10年働いています。


10年働いてみて感じているのは、住宅業界は情報の非対称性が高く、建設会社側とお客様の持っている知識のギャップがまだまだ大きな業界だなという点です。


そのために、変な営業マンにつかまってしまったり、一方的な会社のセールスのみを信じて十分な検討をしないまま契約してしまったりといった、後悔の残る家づくりになってしまったというケースをよくみかけます。


住宅建築にはたくさんの情報収集が必要で、家電のようにカタログを並べて、商品比較を行うといったことは、まずできない世界です。


その中で、ご自身にとって良い会社と良い営業マンを見つけるというのはとても難しく、大切です。


そのために、今回はその一番の入り口である展示場見学のポイントをまとめて、投稿させていただきました。


○住宅展示場はどんな場所か??


皆様は、すでに住宅展示場に足を運ばれたことはありますか。


住宅展示場は、お住まいづくりを考える方が最も情報収集として利用する場所で、お住まいづくりの最初の一歩といえる場所です。


会場内には、様々なハウスメーカーや、その地域を代表するビルダーが出店をしています。



モデルハウスと呼ばれる、その会社がその地域の特性や会社のアピールポイントを盛り込んだ家が建っていて、中ではその会社の営業マンがお客様をお待ちしています。


洋服店や車のディーラーと違って、何度も足を運ばれた経験のある方は少ないと思います。


そのため、お客様はどうやって展示場でふるまえばいいのかわからず、必要な情報が手に入らなかったり、必要以上に営業を受けてしまうといった問題があります。


このお住まいづくりの第一歩である住宅展示場で、情報収集を成功させることこそが、成功するお住まいづくりを考えるための一歩になります。



○住宅展示場に入る前のポイント


初めてで緊張する展示場見学。


中には知識をつけた営業マンが待ち構えていて、すぐに契約を迫られるのでは…と不安になるかもしれません。


ご安心ください。


注文建築の場合、マンションや建売と違って、何かすでにあるものを売っているわけではありません。


きちんとお客様にあったプランと見積もりをご用意して、初めて契約のお願いができますので、リラックスしてご来場ください。


ただ、見学前にはいくつか心構えがありますので、ここでご紹介させていただきます。


1、モデルハウスはあくまで一例であって、必ずしもあなたのお住まいがそのテイストになるわけではない。

2、そこで接客を受けた営業マンが基本的にあなたの営業担当になる。

3、展示場の見学は大体1社あたり最低1時間は必要。


このポイントを頭に入れて、見学をする会社を決めていっていただければと思います。


早速、それぞれの項目をご説明させていただきます。


1、モデルハウスはあくまで一例であって、必ずしもあなたのお住まいがそのテイストになるわけではない。


下調べをせずに、展示場見学にこられると、まずは何社、何十社とモデルハウスが立ち並ぶ住宅展示場に圧倒されると思います。


そして、まず悩むのがどこから見学をすればいいのかわからない。


調査会社のデータを以前みたところによると、住宅展示場内での平均見学数は3社です。

その3社を見学するにあたって、よくあるお話は「一番手前の会社から見ています」「なんとなく外観が好みだったので」というふわっとしたもの。


なんとなくといった理由でも、私のモデルハウスに来場されて、接客させていただく機会が頂戴できればありがたいのですが、一生ものの家づくりがそれで良い訳がありません。


そこでまずご理解いただきたいのが、モデルハウスがそのままお客様に提供するものではないという点です。


注文住宅ではありますが、使える部材の数を厳選して、パッケージ化した商品をウリにされた会社では、「このモデルハウスの通りにできます」といったご案内をされる会社もありますが、それはごく一部です。


モデルハウスというのは、基本的にお客様に夢を見て頂く場所という位置づけです。

現実的な90㎡の3LDKの家を見せても、お客様はあっという間に見学を終えられて、お帰りになってしまいます。


営業側としては、お客様の滞在時間が長いほど、お客様との信頼関係も生まれ、様々なご相談を承りやすくなるという観点から、大きな建物をつくります。

また、部屋数が多くなれば、魅せ場も多くつくれるので、皆様にデザイン性をお見せする機会も多くなります。

モデルハウスには二世帯住宅が多いのはそのためです。


一応、ただ大きく豪華につくるだけでは意味がないので、その地域で人気のデザインや、地域にあった建物の様式(3階建て、賃貸併用など)を取り入れていきます。

そのため、そのモデルハウスを見れば、会社がこのエリアでどのターゲット層を狙っているかがわかってきます。


しかし、皆様が検討されるのはあくまで注文住宅です。


その会社が今どんなターゲットを狙っているか、どんなデザインを流行らせようとしているかは関係ないと思います。


そのため、「なんとなく外観が好みだったので」などと、モデルハウスのなんとなくの印象で見学する会社を決めるのは極めてもったいないです!


アドバイス①「住宅展示場についたら、車の中か、センターハウス(その会場の運営会社の事務所、大抵椅子とテーブルがあり、休憩ができます)で、会場内の会社の下調べをしましょう。」


センターハウスには、各社のカタログがあります。


そのカタログと、インターネットサイトでちらっと確認する。


10、20分も見れば、なんとなく見学してみたい会社は決まると思います。


最初から、「自分たちにあう会社は高気密高断熱で、子育て世代の収納アイテムがそろっている会社だ!」などと、張り切った絞り込みをしてしまうと、様々な情報・アドバイスを受け損ねてしまうので、あくまで「みてみたいかも」くらいで見学する会社をピックアップしましょう。


2、そこで接客を受けた営業マンが基本的にあなたの営業担当になる。


次に心構えとして必要なのは、営業マンについてです。

玄関で大抵の会社では、女性のアドバイザーが出迎えてくれて、アンケートの記入をお願いします。


そして、アンケートを記入していると現れる営業マン。

彼・彼女が皆様のその会社の窓口、その会社で建築をすることになれば、引渡しからその後のお付き合いまでをしていく運命の相手となるかもしれないということです。


ハウスメーカーにとって、モデルハウスは一番の集客装置です。


土日にもなれば、一日に何組も見込み客が来る可能性のある戦場です。


その中で、接客の順番は、展示場のチーム内でルール化されており、大抵の場合は「早く来た人から接客ができる」というもの。


皆様が入ったそのモデルハウスで、挨拶と共に名刺を差し出したその営業マンは、新人かも、ベテランかも、売れっ子かも、ずっと売れていない問題児かも、しれません。


新人かベテランかは、皆様の好みもあるかとは思いますが、ずっと売れていない問題児にあたると大変です。

・情報がアップデートされていないので、最新の住宅事情がわからない。
・ピントがずれているので、質問に的を射た返答ができない。
・こちらの要望や、解決したい問題を聞き出したり、解決のための提案ができない。
・一方的に会社から教え込まれたセールスを繰り返す。
・あげくしつこく電話や訪問をしてくる。


こういった経験をされたがために、「家づくりを一旦中断して、再開したいと思うまで何も年かかりました」とうんざりした顔でおっしゃるお客様に会ったのは一度や二度ではありません。


アドバイス②「展示場で最初にアンケートを求められたら、氏名・捨てアド・簡単な計画概要をこたえましょう。」


住宅展示場では、基本的に、どのメーカーでも最初にアンケートをご記入いただきます。

そこには、氏名、年齢、住所、電話番号、メールアドレス、勤務先、計画内容など、様々な記入欄が設けられています。


この全てをご記入してしまうと、電話や、訪問といった典型的なセールスをされてしまう可能性があります。

営業マンが信頼できる人物と確認できる前には、下手なセールスをされてしまうリスクがないように、住所と電話番号は記入を控え、捨てアドを記入しましょう。


また、営業マンも一人の人間です。


全くのアンケートを拒否したり、名前も頂けないようですと、少し悲しい気持ちになります。

別に氏名を教えたところで、今の時代はタウンページで電話番号が調べられるなんていうのはレアケースで、せいぜいFacebookで出身大学がわかる程度。


特に皆様のリスクになることはありません。

それでも怖いという事でしたら、せめて、苗字だけでも教えてください。


また、計画概要が全く未記入の方も多くいらっしゃいますが、結局は営業マンに接客中に聞かれます。

そして、計画概要がわかっていた方が、モデルハウスの案内中や、色々な会話の中で、皆様にとって無駄な情報をはぶき、有益な情報を提供することができます。


土地の住所は書かなくても、計画地があるのか、それは何坪で、いつまでに、どの程度の規模の家を、どの程度の予算で考えているのか。

別に決まっていなければ、無理に書く必要がなく、ハテナマークを書いておいてください。

賃貸・マンション暮らしの長い方に「坪」で建物の大きさを考えるのは難しかったり、マンションや建売をメインでみてきた方に注文住宅の総額をいくらか考えるのは難しかったりすると思います。

そこは営業マンにお尋ねください。


たまに、プライドの高いお客様で、実はあまりわかっていない中で3人暮らしで建物の大きさを「50坪」にチェックをされたり、ローンが月々いくら返せるかわからない中で、ご予算を高額な欄にチェックをされる方もいらっしゃいます。


セレブな方であれば必要かもしれませんが、一般的に50坪は二世帯住宅が建ってしまう大きさですし、高額な欄にチェックをいただくと、我々も高額なお住まいを希望されている方と認識して、やたら豪華なデザインについて語ってしまうこともあります。


また、皆様の御意向を真っ向から否定するわけにもいかないので、遠回りに規模や予算を聞きなおす必要がでてきます。


お住まいづくりは一生に一度の方がほとんどです。

十分な知識がない中で住宅展示場にお越しになるお客様に我々は慣れています。

知らないことを恥ずかしいことと思わずに、ハテナマークを書いてください。


3、展示場の見学は大体1社あたり1時間は必要。


アンケートを記入すると、いよいよ見学、もしくは営業マンとの相談がスタートです。


もったいないと思うお客様は、「今日はただ見に来ただけなんで…」と警戒心バリバリで、まるで営業マンとしゃべると、すぐに契約のハンコを押させられてしまうと思っているのかな、というような早歩きで見学をして、質問も全てブロック、すぐに出ていってしまうお客様。


先ほども申し上げたように、モデルハウスはあくまで一例ですし、情報開示をすれば、それだけ有益な情報も手に入ります。


少しリラックスして、見学や会話を楽しみましょう。

ただし、モデルハウスの雰囲気と、営業マンが「生理的に無理」と思ったら、すぐにその会社を出ましょう。

やはり第一印象は大切で、最初に「このモデルハウスの雰囲気はあまり好きではない」とおっしゃった方に、ご建築頂いた記憶はありません。(私の営業力の問題かもしれませんが)


大体見学だけでも、その会社の特徴や、皆様の計画のポイントと織り交ぜた説明をしていくと、30分はあっという間に過ぎます。


そこから、着座して計画概要に対してアドバイスを差し上げていると、30分では足らず、1時間近くになることもざらにあります。


そう考えると、1回の来場で見学できるのは、3社が限界だと思います。

5,6社と見られる方もいらっしゃいますが、後日聞いてみると、どこの会社がどんな雰囲気で、どんなセールスポイントがあるのかも覚えていらっしゃいません。


アドバイス③「展示場案内が始まる前に、今日は何社か見たいので、1時間以内でご案内いただけますかといった時間制限をきりましょう。」


一時間は本当に最低限の時間なので、計画が具体的に決まっている方は90分くらいはとるべきでしょうし、最初は一時間の予定で、接客に満足されれば、延長されるのも一つかもしれません。


しかし、一時間で皆様との信頼関係をつくり、適切な計画概要をヒアリングし、それに対してアドバイスや自社アピールを適切にできるというのも、大切な能力だと思います。


お客様の大切な時間を意識せず、雑談ばかりであったり、自分がしゃべりたい売り込みばかりする営業マンと無理に今後も関係をつくる必要はないと思います。

後日メールで断りましょう。


このように、住宅展示場での会社選び、営業マンとの出会いのポイントがわかったところで、その1時間の間で、どのように会社と営業マンを見極めていくべきかを、次の項目でご案内させていただきます。


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