天神橋筋六の人生のスパイス!(幼少期 明確編)

皆さんこんにちは!天神橋筋六ですっ

今日は珍しく午前中に時間が出来たので、もう一本書くことにしました!こんなことは本当に珍しい。

明日からは、また元に戻って忙しくなるなぁ。忙し過ぎると、何もかもが雑になったり、面倒になるからダメですね。


さて、筋六の幼少期の続編です。明確編と題してお送りします!

幼稚園児である筋六くんは、人生において何を明確にしたのでしょうか?


以前も書きましたが、筋六くんは常連の幼稚園居残り組。なので、お迎えにはいつも優しいおばあちゃんが来てくれた。

けれど、おばあちゃんに八つ当たりをし、自分のうっぷんを晴らしてた。

いつもいつも、自分を遅くまで幼稚園に残し、さみしい思いをさせてる母親に腹がたってたからだ。

しかも、迎えに来るのはおばあちゃん。

おばあちゃんのことは大好きだったけど、

夕暮れの薄暗い園庭に、

申し訳なさそうに現れるおばあちゃんの姿は、本当に寂しい風景で、その情景にいつも涙があふれた。


今日も、僕に寂しい思いをさせた腹いせを企む。

今日は、何を買って貰おうかな。

どんなワガママを言ってやろうか。

など。

いつのまにか、ただのワガママなクソガキになってた。


そんなある日、いつものようにおばあちゃんと帰る途中、「今日は夕飯を食べて帰ろう」ってことになり、バス停近くのお店に入った。

レストランとまでは呼べないけど、喫茶店よりちょっとだけメニューが豊富なお店といった感じ。注文するものと言えば、だいたいお子さまランチやハンバーグ、ナポリタンってところなんだろうけど

すっかりワガママなクソガキになってた僕は、自分の嫌いなメニューを注文しておき、

「もう食べれな~い。」

ってな具合に、いっぱい残して困らせてやろうと企んだ。


僕が当時嫌いだった食べもの。


それは


カレーライス。


とにかく、カレーライスが大嫌いだった。ぜんぜん、美味しいと思ったことがなかった。

なぜカレーが嫌いになったのかというと、母親が作るカレーが、とにかくマズかった。

カレーをマズく作るって、なかなか難しいよね?

だって、キャンプや家庭科の授業ですら、子供が訳も分からず作っても、そこそこ食べることは出来る。


しかし、母親が作るカレーはマズイのだ。

まず、じゃがいもや人参の角が「バッキバキ」のまま。噛むとシャキシャキと音がするくらい。

しかも、カレーを作り始めて僅か15分ぐらいで出てくるもんだから、煮込むなんてあったもんじゃない。

しかも、ルーがシャバシャバ。

シャバシャバって表現わかりますか?

ルーが、サラ~っと流れる感じ。ご飯がルーの中で泳ぐ。カレー風味の汁の中に、ご飯を入れた様子をイメージしてください。

しかも、家族4人分のカレーを作るのに、固形のルーを2カケくらいしか入れてなかったと思う。

だから味もクソもない。うす味の「カレー風味の汁ご飯」がうちのカレーライスだった。

だから、カレーの日は最悪だった。しかし、なぜか父親と2つ上の姉は、その「カレー風味の汁ご飯」をバクバクと食べる。

目の前で。

二人揃ってバクバク。

バクバク。だ


・・・。最悪だった。

しかも、食べれずに残すと、烈火のように怒られる。「出されたものは全部食べろ」が、父親の口癖。

しかしまぁ、良く食べるよね。「カレー風味の汁ご飯」。まずくないの?ベロがおかしいのか?って思ってたよ。

だから、ね

カレーライスが大嫌いだったのだ。


おばあちゃんと入ったレストランでも、いっぱい残してやると企みながら、目の前にカレーが出てきたが、我が家のカレーとは随分と違っていた。

まず、アラジンと魔法のランプのような形をした、カレーが入った容器に若干戸惑いながらも、

まぁ、カレーなんだからと、とりあえずご飯の上にルーを流す。


んで、ひとくちパクリ。


ん?? なんだこれ?


出てきたカレーらしきものは、僕の知ってるカレーとは、全くといっていいほど別の料理。


とりあえず、また、ひとくち。


うまい・・・。

うまい。うまい。

うまい。うまい。うまい。うまい。うまい。


うおぉぉぉぉぉぉ。うまい!うまい。うまい。うまい。うまい。うまい。

こ、これがカレーか!

カレーなんだな!

カレーってこんなにうまいんだぁ!


濃厚でしかも、牛肉や野菜のうまみが舌の奥でジュワーっと広がり、ほどよい酸味とスパイスの風味がますます食欲を刺激する。

当時の僕に、こんな食レポのようなことは考えれなかっただろうが、とにかく旨かったことだけは鮮明に覚えている。

それからというもの、母親に連れられ、お茶をするくらいに入った喫茶店でも、必ずカレーを注文した。

あの喫茶店のカレーよりも、あっちのレストランのカレーの方がうまいなどと、おばあちゃんと話すくらいになったが、

釈然としない人がいた。


そう、母親だ。


自分が作ったカレーは全く食べないくせに、外ではカレーをバクバクと食べている僕に対して腹を立てたらしい。


それからというもの、母親はやたらとカレーを作るようになった。


しかし、お店で食べるカレーには程遠く、相変わらずシャキシャキのシャバシャバ。シャキシャキシャバカレーは我が家の伝統の味として確立されただけとなった。


それから、カレーというものに、あまり興味など感じなくなった小学校5年生のとき、友人の家で宿泊する機会があった。

N君家で夕食に出てきたものは、ずばり「カレー」

まじか。カレー。かよ・・・。


すっかり、カレー嫌いになってた僕はブルーな気持ちだったが、せっかくN君のお母さんが作ってくれたものだし、有難くいただこう。とジャガイモや人参がゴロゴロと入ったカレーを口にした。


・・・。うまい。

本当に旨いカレーだった。


あの日、おばあちゃんと行ったレストランのことを思い出した。


レストランで食べたカレーの味。N君家で食べたカレーの味。そして、我が家で出てくるカレーの味。


そう。すべての出来事は、このことを「明確」にするためのエピローグだったんだなって。


うちのカレーはマズイ。












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